勝負というのは、文字どおり勝ち負け事である。勝つか負けるかだから、或る場面では賭けることが必要になって来る。賭けには危険が伴う場合があることは当然である。ハズれたらオワリである。それがギャンブルというものだ。
茨城の中学生時代、私はラムネ(ビー玉)の名手だった。指先のこともあるが、視力が抜群(2.0)だったことが大きかった。同学年にやはりラムネの巧いのがいた。名前は遠藤四郎で、みんなからはシローと呼ばれていた。ヤボ(私の呼び名)とシローの決戦には何人もの仲間が観に来た。ラムネを50個ずつ賭けるという大勝負もあった。ラムネ1個は店で買えば4円だったから、約200円分の賭けになる。焼きそば1皿30円の時代である。私がシローの玉を狙う。距離は4メートルほどで、もし外れれば私の玉は転がることは少なく、シローの手の届くところに留まってしまう。私は指先の玉を確かめ、左眼を閉じてシローの玉を狙った。
サッカーワールドカップにおける対ポーランド戦で、日本の西野監督は最後の12分間にボールまわしで0対1の負けを選んだ。別の場所で行われているゲームでセネガルが敗れることが、ベスト16入りの条件であり、そのことに賭けた。この時間稼ぎ策には賛否両論があることは当然である。西野策に賛成は56、反対は36とスポーツ紙にある。私は賛否よりも西野氏の賭けを最初に思った。西野氏は大きな賭けをしたと思う。外れたらオワリの賭けをしたのだと思う。賛否より先にそのことを想った。
茨城の中学生時代、私はラムネ(ビー玉)の名手だった。指先のこともあるが、視力が抜群(2.0)だったことが大きかった。同学年にやはりラムネの巧いのがいた。名前は遠藤四郎で、みんなからはシローと呼ばれていた。ヤボ(私の呼び名)とシローの決戦には何人もの仲間が観に来た。ラムネを50個ずつ賭けるという大勝負もあった。ラムネ1個は店で買えば4円だったから、約200円分の賭けになる。焼きそば1皿30円の時代である。私がシローの玉を狙う。距離は4メートルほどで、もし外れれば私の玉は転がることは少なく、シローの手の届くところに留まってしまう。私は指先の玉を確かめ、左眼を閉じてシローの玉を狙った。
サッカーワールドカップにおける対ポーランド戦で、日本の西野監督は最後の12分間にボールまわしで0対1の負けを選んだ。別の場所で行われているゲームでセネガルが敗れることが、ベスト16入りの条件であり、そのことに賭けた。この時間稼ぎ策には賛否両論があることは当然である。西野策に賛成は56、反対は36とスポーツ紙にある。私は賛否よりも西野氏の賭けを最初に思った。西野氏は大きな賭けをしたと思う。外れたらオワリの賭けをしたのだと思う。賛否より先にそのことを想った。