ボクちゃんがこの4月に小学校の1年生になった。それを機会に自分のことをボクと言うのをやめて、うちと言うようになった。女の子であることを自覚したのかもしれない。彼女の本名は葉月である。だから、名前を言うようにすればいいと思うのだが、なぜか、うち になった。近くに、関西から引っ越して来た子がいて、それを真似たのかと思ったが、そうではないらしい。つまり、「うち」は最近の流行であるようだ。それが、鎌倉の中だけのことなのか、湘南周辺のことなのか、私にはわからない。
8月の初め頃に、長女が葉月の家へ行った。何かの雑談をしているうちに、葉月が椅子に腰かけて脚をぶらつかせながら、「もうすぐ、うちの誕生日だなぁ」と言った。葉月は、家人の姪の子供であって、私の長女とは5親等の間柄である。しかし、幼い頃から自分をかわいがってくれ、わがままを聞いてもらえそうなのが誰であるかは充分にわかっている。最もラクにおねだりができるのは、5親等のお姉さんであることを知っている。
何がプレゼントされたのかは私にはわからない。私が思うのは、「うまいなぁ」である。「もうすぐ、うちの誕生日だなぁ」というセリフの味である。上手さと言ってもいい。脚をぶらつかせながら、というのも好い。これなら、誰だって、「プレゼントは何がいい?」となるだろう。
「うち」は、関西の方(といっても私が西の方にいたのは3歳から9歳までの6年間であって、それも兵庫県の1つの都市だけであるが)では、女の子はみんな使う。大人も使う。たとえば自分の家、自分の学校、自分の会社にも使う。「ウチかて商売やさかい、ナンボかは儲けさせてもらいまっせ」と、会社の社長が言うこともある。とにかく、ボクちゃんは一皮むけて「うち」になった。
8月の初め頃に、長女が葉月の家へ行った。何かの雑談をしているうちに、葉月が椅子に腰かけて脚をぶらつかせながら、「もうすぐ、うちの誕生日だなぁ」と言った。葉月は、家人の姪の子供であって、私の長女とは5親等の間柄である。しかし、幼い頃から自分をかわいがってくれ、わがままを聞いてもらえそうなのが誰であるかは充分にわかっている。最もラクにおねだりができるのは、5親等のお姉さんであることを知っている。
何がプレゼントされたのかは私にはわからない。私が思うのは、「うまいなぁ」である。「もうすぐ、うちの誕生日だなぁ」というセリフの味である。上手さと言ってもいい。脚をぶらつかせながら、というのも好い。これなら、誰だって、「プレゼントは何がいい?」となるだろう。
「うち」は、関西の方(といっても私が西の方にいたのは3歳から9歳までの6年間であって、それも兵庫県の1つの都市だけであるが)では、女の子はみんな使う。大人も使う。たとえば自分の家、自分の学校、自分の会社にも使う。「ウチかて商売やさかい、ナンボかは儲けさせてもらいまっせ」と、会社の社長が言うこともある。とにかく、ボクちゃんは一皮むけて「うち」になった。