伊豆の佐太郎
故郷見たさに 戻ってくれば
春の伊豆路は 月おぼろ
墨絵ぼかしの 天城を越えて
どこへ帰るか どこへ帰るか
夫婦雁
瞼とじれば 堅気になれと
泣いてすがった 洗髪
幼馴染も あの黒潮も
一度ながれりゃ 一度ながれりゃ
帰りゃせぬ
逢って行こうか 逢わずに行こうか
伊豆の佐太郎 忍び笠
どうせ明日は またながれ旅
はいた草鞋(わらじ)に はいた草鞋に
散る椿
春の伊豆路は 月おぼろ
墨絵ぼかしの 天城を越えて
どこへ帰るか どこへ帰るか
夫婦雁
瞼とじれば 堅気になれと
泣いてすがった 洗髪
幼馴染も あの黒潮も
一度ながれりゃ 一度ながれりゃ
帰りゃせぬ
逢って行こうか 逢わずに行こうか
伊豆の佐太郎 忍び笠
どうせ明日は またながれ旅
はいた草鞋(わらじ)に はいた草鞋に
散る椿
村の宵祭の晩、土地の親分雷魚の儀十の片腕を斬った佐太郎は、許婚のお美代とも別れて伊豆を去らねばならなくなった。それから三年、三島の宿外れで浪人に襲われた男装の美女宇津木数馬を救ったことから、開港論者井伊大老の密使である彼女とともに下田へ行くことになった。二人は旅芸人の一座にかくまわれ、攘夷派の眼をくらましながら天城峠にむかった。一方、佐太郎の許婚お美代は儀十親分の好色の犠牲になろうとしていたが、丁度三年目の宵祭の日、村に入ってきた旅芸人の一座と数馬をなきものにしようとする攘夷派との間に争いがはじまり、それに佐太郎を斬ろうとする儀十一味とが加つて、宵祭は修羅場と化した。しかし、佐太郎の大活躍と浪人武井半蔵の応援で、悪人どもは潰滅し、佐太郎はお美代の許に、数馬は無事に下田に向うことができた。
こんなストーリーでしたよね。
当時、人気を失っていた高田浩吉さんの復帰作でもありました。