あるとき

2017-12-16 22:04:00 | 日記

 それが妄想なのか、または事実なのかこんがらがったまま、フラッシュバックで見る一瞬の切り取られた映像。それは今まさに電車に飛び降り自殺をはかるものの白い顔。またあるときは、シリアかイラクか、空からの爆撃でたいせつな人を亡くし、その怒りを嘆きをどこにぶつけていいのか、まさしく宙にさまよった顔つきなどである。もちろんそんなことどもは、日常のなかにまぎれることなく、すぐさま忘れ去ってしまうことだ。そんなことどもをいつまでも引きずっていては、こちらの暮しがままならぬ。などとぼやくものが、ここにいる。しかしながらわれらの多くは、そんな事実に触れながら深く立ち止まろうとすることもなく、なぜかわからないが前に進もうとする。前に進むことで、なにかが、そのことが変るかも知れないなどと、ついいい訳をして、そこから逃れようとする。けんど歴史をながめればこんなものでもすこしはわかるのだ。なにそうやって見逃して、目をつむることで、同じことを、同じ惨劇をくり返してきたのだと。

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