年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

遠山の金さんは桜の刺青があったか?

2020年08月08日 | 福神漬
捏造されたヒ-ロ-・遠山金四郎 棚橋正博著から
蔵書の積ん読の本で上記の本が出てきた。明治26年に今の明治座で上演された「遠山桜天保日記」のことが書かれている。
 今の遠山の金さんのTV等の映像では桜の刺青となっているが初演時には少なくとも桜の刺青でなく,もしあっても著者は女性の生首の刺青だろうという。そこから桜の刺青の検証をしている。
 今の日本は普通は刺青は犯罪者またはヤクザ風としてみなされ公衆で刺青をさらすことは嫌われる。増えている外国人に対しても、それぞれの民族の固有な文化であっても、大浴場などでは刺青をシ-ルで隠すように要望している。
 儒教文化で( 身体(しんたい)髪膚(はっぷ)これを父母(ふぼ)に受くあえて毀傷(きしょう)せざるは孝の始めなり )という言葉を中学に入って漢文の時知った。先生の言う教えで私は刺青禁止だという風に理解した。辞書の解釈では《「孝経」から》人の身体はすべて父母から恵まれたものであるから、傷つけないようにするのが孝行の始めである。
 では生首から桜の刺青となったのはやはり題名から来ているのだろうか。桜は佐倉に通じていて、歌舞伎の設定では事件の現場は千葉県佐倉から始まる。無実の罪で投獄され、そして脱獄し、苦難の末、与力となった人と冤罪をでエッチ上げた人と裁きの場で判明し遠山金さんが暗黙に刺青をにおわし、生き証人と判決を下す。レ・ミゼラブルの脱獄の要素も少し入っている。明治の旧幕府を慕う、東京市民にとっては佐倉は特別な意味がある。佐倉義民伝は人気の演目である。
 今は刑務所からの逃亡は少ないが明治期にはシバシバあって、さらに再度逮捕するまで時間がかかった例が目立つ。人相書きと写真との差だろう。
(調べたらレ・ミゼラブルの翻訳は明治26年はまだない。)

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