goo blog サービス終了のお知らせ 

 年寄りの漬物歴史散歩

 東京つけもの史 政治経済に翻弄される
漬物という食品につながるエピソ-ド

今だから書ける築地市場移転の裏側

2021年06月26日 | 宅老のグチ
岩波ブックレット
ルポどうなる?どうする?築地市場  -みんなの市場をつくる-永尾 俊彦著

 今この本を読んで、著者は今の豊洲を見てどう思うのだろうか。築地市場の整備の混乱はやはり時代に負けたのだ。毎日新聞記者の経歴から弱者の取材は慣れているようだが、築地の全体的に格差が広がっていくことと、移転に賛成だった青果部の取材がなされていない。築地の移転時に強硬に反対していたのは水産仲卸と水産買参人で青果部と水産卸は豊洲移転には賛成だった。青果部は神田にあった市場が大田に移転すると、築地の売り上げが急に落ちた。その理由として大田はトラック輸送にあう整備をしているので築地のように休市前後の物流混雑がなかった。さらに卸売場に冷気が行き渡り、夏場は大田の方の野菜が鮮度の日持ちが違うといって、築地から有力な小売店・量販店が大田に移った。従って再整備に時間がかかるのは反対だった。築地の水産仲卸はライバルがいなかったので、時代に遅れたことを気にしなかった。
 さらに再整備が可能と著者が言っていたし、TV朝日の玉川さんも言っていたが、これが報道機関の最大の欠点で、日々競争している市場で業者同士の話し合いには時間がかかる。さらに工事現場で分断された店舗は得意先をもってライバルの仲卸に行くことのあると予想する。従業員だって数年工事が続くと、忙しい得意先がライバルの仲卸へ行く。売り上げが減り給与が減れば、引き抜きもある。忙しくなった仲卸は新人を養成するより、引き抜きしたほうが早い。築地の地下の汚染、埋蔵文化材(大名庭園)などがあって分割工事には時間がかかる。さらにTVコメンテ-タの気が付かないことは完成した店舗も古い店舗も家賃は同じである。新旧の差はない。従って一斉移動しか工事の合意形成が難しい。400億円捨てた築地市場内の再整備は工事の工程の合意が出来なかった。
 時代遅れだった築地市場
今に時代ネットに繋がらないとデータのやり取り難しいが、築地は電話・FAX・携帯だった。ネットはなかなか光回線を築地市場内に引くことは難しかった。老朽化していて、電話線利用のADSLは雑音がひどく使えない。光回線でも水産部の定期的にある店舗移動のためNTTのHPでは築地市場へ導入することには難しかった。自分の会社でも他社の光工事を聞いて、入れることに成功した。多分水産仲卸で最後の方で光回線を築地市場内に引いたようで、豊洲が移転がはっきりしないときは光回線を売り場に入れたところは少ないと思う。普通の水産仲卸は場外や自宅に事務所を構えて事務処理していたようだ。
 豊洲へ行ってみればわかるのだが青果部の仲卸は売り場の上に事務所を構え、卸とネット回線でデ―タ処理している。水産部仲卸の売り場の上(屋根裏・築地ではハッポ-スチロ-ル置き場)は何もない所もある。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする