唐草文図鐔 西垣勘平
唐草文図鐔 銘 西垣勘平作七十之歳
唐草文図鐔 無銘西垣勘平
勘平は唐草の十字形構成を好んでいるようだ。初代勘四郎に極められた作中にも同趣の唐草文透の鐔があるも、初代の作は骨太な風合いがあり、明らかに、繊細な風合いを楽しんだ勘平とは異なっている。線描が異なる。鉄地が異なる。
Photo①の鐔は十字形とはいえ、基本は天地左右非対称。太い横の帯に天地の唐花は対称性があるも、唐草の蔓は左右微妙に異なっており、これが動きになっている。
Photo②の鐔も構成が優れていることが分かるであろう。初代が求めた転げるような不安定、危うさなど微塵も感じさせず、しかも個性を漂わせている。
個人的な嗜好を述べると、筆者は唐草文が大好きである。優雅なものもあるし土臭い風合いもある。現代にみる感性された唐草文は古代ペルシャの興ったものではあるが、その基礎となる、無限の生命を想わせる渦巻き文や植物の蔓状文様は全世界的にあり、それらとの関連からも興味深く鑑賞している。
ま、そのような古代に遡らなくても、充分に楽しめる空間構成である。
唐草文図鐔 銘 西垣勘平作七十之歳
唐草文図鐔 無銘西垣勘平
勘平は唐草の十字形構成を好んでいるようだ。初代勘四郎に極められた作中にも同趣の唐草文透の鐔があるも、初代の作は骨太な風合いがあり、明らかに、繊細な風合いを楽しんだ勘平とは異なっている。線描が異なる。鉄地が異なる。
Photo①の鐔は十字形とはいえ、基本は天地左右非対称。太い横の帯に天地の唐花は対称性があるも、唐草の蔓は左右微妙に異なっており、これが動きになっている。
Photo②の鐔も構成が優れていることが分かるであろう。初代が求めた転げるような不安定、危うさなど微塵も感じさせず、しかも個性を漂わせている。
個人的な嗜好を述べると、筆者は唐草文が大好きである。優雅なものもあるし土臭い風合いもある。現代にみる感性された唐草文は古代ペルシャの興ったものではあるが、その基礎となる、無限の生命を想わせる渦巻き文や植物の蔓状文様は全世界的にあり、それらとの関連からも興味深く鑑賞している。
ま、そのような古代に遡らなくても、充分に楽しめる空間構成である。