蛍図小柄 加賀象嵌 Kaga Kozuka 2020-09-17 | 鍔の歴史 蛍図小柄 加賀象嵌 蛍図小柄 加賀象嵌 川辺の草むらで乱舞する蛍。背景を色合いの黒い朧銀地で表し、蛍の体は真っ黒な赤銅、発光の様子は金。精巧精密な図柄表現とは言えないが、雰囲気は蛍だね。でも、蛍なんてちょっと珍しい。 #日本刀 « 蜂図目貫 河野派 Kouno Menuki | トップ | 蝶図小柄 後藤一乗 Ichijo... »
3 コメント コメント日が 古い順 | 新しい順 Unknown (てつ) 2022-06-28 01:30:25 いつも拝見しております。加賀象嵌について質問です。加賀象嵌は平象嵌だと思っていますが他の平象嵌との違いや特徴について教えて下さい。金沢市でも加賀象嵌というものがありますが現在では形骸化しているというのが私の認識です。かつての加賀象嵌をもとにその定義について参考にさせて頂きたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 返信する 加賀象嵌について (Zenzai) 2022-07-04 10:27:29 お問合せ有難うございます。私は技術的な面は判りません。作品を見た感想を述べるぐらいしかできません。加賀象嵌について、昭和五十八年に日本美術刀剣保存協会が発行した「加賀金工大鑑」が詳しいです。加賀金工は、江戸時代に入ってからの作ですので、他の平象嵌とよく似ています。それ以前の平象嵌というと、埋忠明壽にあります。明壽の平象嵌は、象嵌部分にごくわずかに量感があります。地面胃も変化があります。加賀象嵌は平滑ですね。平象嵌を剥がした内部の構造を比較したわけではないので、工法技術については不明としておきましょう。ただ、京都の細野政守の、平象嵌が剥がれた作例を見たことがあります。地に鏨で棘状の突起が施されていました。加賀象嵌にもそのような工作が為されているのか、見てみたいところです。作品は平象嵌だけでなく、毛彫や片切彫を組み合わせた技法がほとんどです。ただ、採られている図柄は、『源氏物語』に取材したような雅な文様が加賀の特徴といえると思います。また極めて細い線状の平象嵌を駆使した作品が目につきます。加賀というと、加賀後藤との関連を考えますが、平象嵌については、後藤家の平象嵌は、図柄の中でも衣服などに文様として平象嵌を使う程度で、強い関連性は見いだせないのかなとも思います。加賀金工には平象嵌だけではなく高彫色絵象嵌を得意とした金工もあります。桑村克久の鐔に、高彫と平象嵌を組み合わせた作品があったと記憶しています。 返信する Unknown (てつ) 2022-07-04 16:58:17 ご回答下さりありがとうございます。加賀象嵌についてよくわかりました。特徴としては以下のようなかんじでしょうか?・磨き地又は石目地に平滑な平象嵌・副次的ではなく、主要な構成要素である・極めて細い線の平象嵌・源氏物語を思わせる雅なモチーフ、画題・毛彫りや片切り彫りを組み合わせて表現・桑村克久など高彫色絵との組み合わせもある私は技術面に多少知識があるのですが加賀の平象嵌は文様の輪郭が他の平象嵌と比べて明瞭というかブレがない印象があります。技法書などで解説されている平象嵌は文様の外側から地金を寄せて文金を固定する技術のようですが、加賀の場合は逆で文様部分を打ち広げることで彫り下げた部分に食い付かせる技術であると伝わっています。先に述べた技術では文金が正となり、加賀象嵌の場合では彫り下げた部分が正となります。以上の違いは実物から見えてくるのでしょうか?ご意見を頂けましたら幸いです。 返信する 規約違反等の連絡 コメントを投稿 goo blogにログインしてコメントを投稿すると、コメントに対する返信があった場合に通知が届きます。 ※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます 名前 タイトル URL ※名前とURLを記憶する コメント ※絵文字はJavaScriptが有効な環境でのみご利用いただけます。 ▼ 絵文字を表示 携帯絵文字 リスト1 リスト2 リスト3 リスト4 リスト5 ユーザー作品 ▲ 閉じる コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。 コメント利用規約に同意する 数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。 コメントを投稿する
加賀象嵌について質問です。
加賀象嵌は平象嵌だと思っていますが
他の平象嵌との違いや特徴について教えて下さい。
金沢市でも加賀象嵌というものがありますが現在では形骸化しているというのが私の認識です。
かつての加賀象嵌をもとにその定義について参考にさせて頂きたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
私は技術的な面は判りません。作品を見た感想を述べるぐらいしかできません。
加賀象嵌について、昭和五十八年に日本美術刀剣保存協会が発行した「加賀金工大鑑」が詳しいです。
加賀金工は、江戸時代に入ってからの作ですので、他の平象嵌とよく似ています。それ以前の平象嵌というと、埋忠明壽にあります。明壽の平象嵌は、象嵌部分にごくわずかに量感があります。地面胃も変化があります。加賀象嵌は平滑ですね。
平象嵌を剥がした内部の構造を比較したわけではないので、工法技術については不明としておきましょう。ただ、京都の細野政守の、平象嵌が剥がれた作例を見たことがあります。地に鏨で棘状の突起が施されていました。加賀象嵌にもそのような工作が為されているのか、見てみたいところです。
作品は平象嵌だけでなく、毛彫や片切彫を組み合わせた技法がほとんどです。ただ、採られている図柄は、『源氏物語』に取材したような雅な文様が加賀の特徴といえると思います。また極めて細い線状の平象嵌を駆使した作品が目につきます。
加賀というと、加賀後藤との関連を考えますが、平象嵌については、後藤家の平象嵌は、図柄の中でも衣服などに文様として平象嵌を使う程度で、強い関連性は見いだせないのかなとも思います。
加賀金工には平象嵌だけではなく高彫色絵象嵌を得意とした金工もあります。桑村克久の鐔に、高彫と平象嵌を組み合わせた作品があったと記憶しています。
加賀象嵌についてよくわかりました。
特徴としては以下のようなかんじでしょうか?
・磨き地又は石目地に平滑な平象嵌
・副次的ではなく、主要な構成要素である
・極めて細い線の平象嵌
・源氏物語を思わせる雅なモチーフ、画題
・毛彫りや片切り彫りを組み合わせて表現
・桑村克久など高彫色絵との組み合わせもある
私は技術面に多少知識があるのですが
加賀の平象嵌は文様の輪郭が他の平象嵌と比べて明瞭というかブレがない印象があります。
技法書などで解説されている平象嵌は文様の外側から地金を寄せて文金を固定する技術のようですが、加賀の場合は逆で文様部分を打ち広げることで彫り下げた部分に食い付かせる技術であると伝わっています。
先に述べた技術では文金が正となり、加賀象嵌の場合では彫り下げた部分が正となります。
以上の違いは実物から見えてくるのでしょうか?
ご意見を頂けましたら幸いです。