鐔鑑賞記 by Zenzai

鍔や小柄など刀装小道具の作風・デザインを鑑賞記録

桐透図鐔二題 西垣

2010-05-08 | 
桐透図鐔二題 西垣



① 桐透図鍔 無銘西垣


② 桐透図鍔 無銘西垣

 いずれも危うい構成からなる桐樹に題を得た鐔で、西垣と極められている。左右に大胆な空間を持たせたPhoto①、耳の形が、今にも転げてしまいそうなまでに不安定なPhoto②。西垣の魅力横溢の作品である。いずれも『桐』で紹介しているが、西垣の作品の流れのなかで再度眺めてみると、その魅力が際立っていることが感じられよう。この構成美を単純に感じとってほしい作品である。□

杉唐草文図鐔 二代勘四郎

2010-05-08 | 
杉唐草文図鍔 二代勘四郎

 
杉唐草文図鐔 無銘西垣勘四郎(二代)

 初代西垣勘四郎に在銘作はない。二代に在銘作がわずか三点あると伊藤満氏は述べておられ、それはそのまま、初二代を作風で分けることの難しさを示していることになる。ただし、二代は初代に比較して精緻な構成を目指しているところに違いがあるとも述べている。
 写真は、二代勘四郎と極められている、唐草文と杉木立のような文様を銀象嵌で表した鐔。竪丸形の造り込みは極めて端正。鎚による鍛えのその肌をそのまま地面としている故であろうか、平滑ながら働きのある様相に魅力がある。線描は銀象嵌の手法。