稲村亭日乗

京都の渓流を中心にルアーでトラウトを釣り歩いています

ノーベル賞と国籍

2021年10月06日 | 日々
 真鍋叔郎さんがノーベル物理学賞!

 気候温暖化予測に先鞭をつけたのが日本人だとは知らなかった。

 とてもうれしいことだ。

 おめでとうございます。

 受賞者を生み出す、その国
 ところで、過去の受賞者の誰だったか、
将来、日本人受賞者はいなくなるだろうと言っていたのを思い出す。

 日本の研究予算など、その研究環境が貧弱なことをさしてのことだ。

 そんななかで真鍋さんの経歴をみると、わかるような気がする。

 氏は1958年、東大大学院を経て、若くして米国気象局研究員になっている。

「スプートニク・ショック」の時期、
米国が世界から有能な人材を集めていたときのことだそうだ。

 提示された研究環境はケタ違いだったと聞く。

 こうした経過のなかで氏の業績を考えると、
この受賞、「国籍」は米国では?という気さえしてくる。

 日本人で〇人目の受賞!などと喜んでばかりはいられない。

     

 研究環境の二つの面 
 一方、最近の報道では、中国の研究への投資が莫大になってきていると聞く。

 研究論文の本数でも日本のそれを大きく凌駕しているとか。

 今後は中国人受賞者が目白押しという時代が来るのかもしれない。

 もっとも中国という国、国家の干渉で自由の度合いは低く、
予算投入などが成果に直結するかどうかはわからない。

 真鍋さんがインタビューに
「私は日本には帰りたくない・・・私はまわりと協調して生きることができない」と答えている。

 研究に際しての人間関係を考えるうえでとても示唆的な答えではなかろうか。

 研究の実りは予算や施設といった物理的条件だけでなく、社会的条件にも左右されるからだ。

 いずれにしてもこの先、日本でも各方面での条件整備が望まれる。

 もめ続けた日本学術会議の任命拒否問題なども、広い意味ではそこに含まれるだろう。
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