稲村亭日乗

京都の渓流を中心にルアーでトラウトを釣り歩いています

先送りされる核ゴミ問題

2017年07月31日 | 日々
 先日、核ゴミの最終処分地を決めるにあたっての基礎資料
「科学的特性マップ」なるものが資源エネルギー庁から発表された。

 候補となりうるところは広大で、今すぐどこかが・・・というものではない。

 ただ、仮に最終処分地が決まったとして、放射線を出す能力が
安全なレベルに落ち着くまでに数万年から10万年もかかるというこのやっかいな代物。

 そんな超長期にわたって地下300メートルより深いところで
安全に眠り続けてくれるのだろうかという疑問は消えない。

     

 ぼくの知る限りでは、これまでどこかの市町村が受け入れに名乗りをあげてはいた。
しかし地元住民の猛烈な反対で頓挫したことは記憶にまだ新しい。

 世界でも処分地が決まっているのはフィンランドとスウェーデンの二国だけだと聞く。

 おそらく日本では永遠にまとまらないのではないだろうか。

 沖縄での基地工事に関して政府が見せた強硬姿勢。
 これは伝統的な対米関係に配慮してのことだ。

 が、核のゴミの最終処分地問題については、その解決を政府に強いる力は働かないだろう。

 ということは、今回のマップの公表も、政府の努力姿勢を示す以上のものではなかろう。
 いわゆる「パフォーマンス」、そんな気がしてくるのだ。

 となれば、政権から政権へ無限の申し送りとなるしかない。

     
 
 ぼくは改めて思う。
 無害化を技術的に解決できないのなら、やはり脱原発に舵を切るしかないのでは、と。

 原発で安い電力というのは違う。

 福島の事故はもちろん、最終処分地問題も含め、原発関連の代償はとてつもなく大きい。
 それはコストの問題だけにとどまらず、ぼくらの生命そのものにかかわっている。

 刻々生み出されている核のゴミ。
 現状はぼくらの知る以上に深刻なのかもしれない。

 そう思えばなおさらだ。
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