人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

小林研一郎 ✕ 小林愛実 ✕ 東京フィルでモーツアルト「ピアノ協奏曲第20番」、スメタナ「わが祖国」より「高い城」「モルダウ」他を聴く ~ 文京シビック”響きの森クラシックシリーズ

2024年06月09日 00時01分20秒 | 日記

9日(日)。わが家に来てから今日で3435日目を迎え、国連のデュジャリック報道官は8日、今月公表する予定の子どもと武力紛争に関する年次報告書で、グテーレス事務総長がイスラエルを「子どもの人権を侵害している国」と認定していることを明らかにしたが、イスラエル側は反発している  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     ハマスの壊滅を大義名分に ガザ地区の子供たちを殺してるイスラエルは テロ国家だ

         

昨日、文京シビックホールで「響きの森クラシック・シリーズ 第80回演奏会」を聴きました プログラムは①モーツアルト「ピアノ協奏曲第20番 ニ短調K.466」、②スメタナ:連作交響詩「わが祖国」より「高い城」「モルダウ」「シャールカ」「ボヘミアの森と草原から」です 演奏は①のピアノ独奏=小林愛実、管弦楽=東京フィル、指揮=小林研一郎です

本公演は新シーズン第1回目です。席も新しくなりましたが、最悪です 本シリーズは年間セット券(全4公演)申込時に座席指定できない大欠陥システムのため、希望する席が取れません 指定されたのは右からも左からも通路側から一番奥に入った席です コロナ前は座席指定できたのに、どうして改悪するのか理解できません どうも「ぴあ」が絡むとこういう改悪が為されるような気がします まあ、年4回なので我慢するしかありませんが

     

オケは10型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの東京フィルの並び コンマスは依田真宣です

1曲目はモーツアルト「ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)が1785年に作曲、同年2月の予約演奏会でモーツアルト自身の演奏により初演されました この曲の大きな特徴は、初めて短調を基調として書かれた協奏曲である点です 第1楽章「アレグロ」、第2楽章「ロマンツェ」、第3楽章「ロンド:アレグロ・アッサイ」の3楽章から成ります

ピアノ独奏の小林愛実は山口県宇部市出身。3歳からピアノを始め、7歳でオーケストラと共演、9歳で国際デビューを果たす フィラデルフィアのカーティス音楽院でマンチェ・リュウ教授に師事。2021年に第18回ショパン国際コンクール第4位入賞

小林愛実が白のエレガントな衣装で登場、コバケンの指揮で第1楽章に入ります 冒頭はオーケストラによって二短調特有のデモーニッシュな音楽が奏でられます そして、小林のピアノがスッと入ってきます。彼女のピアノは一音一音の粒立ちがクリアで美しく響きます カデンツァはブラームス作か?  第2楽章はどこまでも優しく美しいメロディーが奏でられますが、中間部では短調特有のほの暗く激しい音楽が展開します 小林のピアノはこの切り替えが見事です 短調のデモーニッシュな曲ですが、予約演奏会で演奏するための曲なので最後の第3楽章はニ長調で明るく終わります この辺は聴衆の期待を裏切らないモーツアルトのしたたかさを感じます

満場の拍手とブラボーが飛び交う中、小林はアンコールにシューベルト(リスト編)「春のおもい 作品20-2」を心を込めて演奏、再び大きな拍手に包まれました

     

プログラム後半はスメタナ:連作交響詩「わが祖国」より「高い城」「モルダウ」「シャールカ」「ボヘミアの森と草原から」です この曲はスメタナ(1824-1884)が1872年から1879年にかけて順次完成し、1882年11月にプラハで一括初演されました この曲はチェコを象徴する作品として親しまれ、現在でも、スメタナの命日の5月12日に開幕する「プラハの春」音楽祭の初日に演奏されます なお、2002年の同音楽祭では小林研一郎が東洋人で初めて「わが祖国」の指揮をとり、万雷の拍手を浴びました。第1曲「ヴィシェフラド(高い城)」、第2曲「ヴルタヴァ(モルダウ)」、第3曲「シャールカ」、第4曲「ボヘミアの森と草原から」、第5曲「ターボル」、第6曲「ブラニーク」の6曲から構成されています 

オケは12型に拡大し、ハープが2台ステージ下手にスタンバイします

第1曲「ヴィシェフラド(高い城)」では、冒頭の2台のハープによる抒情的な演奏が素晴らしかった ホルンも素晴らしい 第2曲「ヴルタヴァ(モルダウ)」ではフルート、クラリネットをはじめとする木管楽器がよく歌います 第3曲「シャールカ」ではシャールカが兵士たちに酒を飲ませて眠らせた後の、兵士たちの”いびき”を表すファゴットの演奏がユーモラスで、思わず笑ってしまいました シャールカを表すクラリネットのアレッサンドロ・ベヴェラリの演奏が迫真に満ちていて素晴らしかった 第4曲「ボヘミアの森と草原から」ではオケの総力によりボヘミアの雄大な森の様子が描かれましたが、中盤における速いテンポの弦楽セクションのフーガ(Vn ⇒ Va ⇒ Vc ⇒ Kb)が素晴らしかった

終演は、まるで測ったかのようにジャスト5時でした

満場の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返され、コバケンはセクションごとに立たせて賞賛します そして、いつものようにマイクを持ってトークに入ります

「今日は新シーズン最初のコンサートに満員のお客様にお越しいただき ありがとうございました 東京フィルの皆さまの渾身の演奏、お楽しみいただけたでしょうか 本番プログラムのための練習で精一杯で、アンコール曲のための時間が取れませんでした」と、やんわりと「アンコールは無し」というメッセージを発信します しかし、そこはサービス精神旺盛なコバケンのこと 「でも、何か演奏してほしい曲がありますか?」と客席に問いかけます(会場・笑) すると「ダニーボーイ♫」「ボヘミアの森と草原から♬のフィナーレをもう一度」の声がかかりました コバケンは依田コンマスに「ダニーボーイは用意していませんでしたね」(聴衆・笑)「でも、出来ませんというのは嫌なので、私がピアノでダニーボーイを演奏します」と言って、ステージ上手に片づけられていたピアノのところに行って、ゆったりとしたテンポで、曲の歌詞の解説を交えながら最後まで弾き切りました 会場は やんややんや の大喝采です   これに気を良くしたコバケンは、依田コンマスとコソコソ相談、「ボヘミアの森と草原から♬」のフィナーレをもう一度演奏、再々度 満場の拍手を浴びました コバケンは再びマイクを持って話し始めましたが途中で言葉に詰まり、急に「依田君、ひと言お願いします」とムチャブリします 依田君は「まさか、こっちに振られるとは思ってませんでした」と焦りながらも、「本当は『わが祖国』を全6曲演奏したかったのですが、(時間の関係で出来ず)残念でした 本日は大勢のお客さまにお聴きいただき嬉しかったです ありがとうございました」と、160名の日本一の楽団員数を誇る東京フィルのコンマスとしての優等生的な挨拶をして喝采を浴びました

その後、コバケンの音頭で、楽員全員で客席に一礼しました これは東京フィルに限らず、コバケンが指揮をするコンサートでは必ず実行する締めくくりのパフォーマンスです コバケンの「お客様が第一」という姿勢には毎度 感心します その意味では指揮界のエンターテイナーと言えるでしょう コバケンのコンサートは予測不能で面白いぞ


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2 コメント

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2階後ろから3列目で聴きました (reila)
2024-06-09 10:14:46
単券をメンバー先行日に買いましたが、B席がやっとでその後すぐ完売になりました。
ちなみに私は右耳が少し悪いので、センターの少し右寄りが好みです。
モーツァルトのピアノ協奏曲では20番が一番好きなのに、都民フェスティバルでは入院中で聴けなかったので、リベンジで買いました。
1曲目はコントラバスが2台だったせいか、低音がいまいち弱かったけど、2曲目では5台に増えていたので普通に聴こえました。

それにつけても後楽園駅は複雑すぎて、帰りは迷ってしまいました。
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文京シビック (tora)
2024-06-09 11:07:28
reilaさん コメントありがとうございました。

同じ会場にいらしたのですね。
私は右目がコンマ以下の視力なので、センター右寄りの席がいいみたいです。
確かに地下鉄後楽園駅は東京メトロ丸ノ内線、南北線があり、都営地下鉄三田線と大江戸線の春日駅と直結しているので複雑怪奇ですね。私の場合は、三田線、南北線、大江戸線の利用頻度が高いので結構慣れていますが、たまに利用すると迷いそうです
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