人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

シンプル・オペラでベッリーニ「ノルマ」を観る~紀尾井ホール

2011年06月28日 06時36分29秒 | 日記
28日(火).夕べ紀尾井ホールで音楽工房主催の”シンプル形式”によるオペラ・ベッリーニ「ノルマ」を観ました.”シンプル形式”というのは伴奏も合唱も少人数で,舞台装置や衣装も簡潔に押さえて低料金でオペラを楽しんでもらおうとする試みです.ちなみにオーケストラはバイオリン2,ビオラ1,チェロ1,コントラバス1,フルート1,ピアノ1の合計7人の編成です.舞台の右サイドにこの7人が陣取って演奏し,中央と左サイドに歌手や合唱が登場して歌うというスタイルです 木管楽器から唯一フルートが加わっていますが,フルートを外すとこのオペラは成り立たなくなるほど重要な位置を占めていることがよくわかります.時に歌を支え,時に雄弁に語ります

午後6時半開演と始まるのが早く,しかもA席とB席の区分しかなく,つまりその範囲内で自由席,ということは,早く会場に行かないと良い席が取れないということで,サラリーマンには厳しい条件でした.開演15分前に着きましたが,B席は2階の左右のバルコニー席のみで,1列目はすでに埋まっていました.しかたなく,左サイドの2列目角の席を取りましたが,これが失敗でした.この席からはオーケストラはよく見えるのですが,肝心の歌手がまったく見えません.歌声は確かに聞こえるのですが,どこでどういう表情で歌っているのさっぱりかわかりません.そのせいか,歌が心に響いてこないのです.ただ空しく声が通り過ぎていくといった感じです

これではいけないと思って,休憩後の第2幕は反対側右サイドの2列目に移りました.今度は歌手がよく見えます どういう表情でどういう仕草で歌っているのか目で見てわかるので,すんなりと歌が心に響いてきました つくづくオペラは観て聴いて楽しむものだと思いました.

タイトルロールの「ノルマ」を歌った関定子さんは御年65歳を越えるといいますが,驚異的な歌声です しかもプロンプターがいなかったので,すべて暗譜で歌ったわけで,この年を考えると信じられない記憶力とテクニックです 日本にもこんなソプラノ歌手がいるのだとあらためて感心しました.

演奏に先立って,演出をした大島氏が曲の解説をしてくれました.「この曲は女同士の友情を歌った唯一のオペラと言ってもいいかも知れません」とコメントしていましたが,”なるほど,そのとおりだな”と感心しました.

シンプル形式もいいかも知れませんが,私はやはり,ベルディ,プッチーニ,ベッリーニなどの「グランド・オペラ」はそれなりの規模で,フル・オーケストラで聴きたいと思います



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