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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ダニエル・ハーディング=新日フィルのブルックナー「第8交響曲」を聴く

2011年06月18日 18時11分31秒 | 日記
18日(土).夕べは株主総会の打ち上げで飲んで2次会にカラオケに行ったので帰宅が深夜になってしまいました.今日は午前中マンション管理組合の定時総会に出席して,午後,錦糸町のすみだトリフォニー・ホールに出かけました.夕べの疲れが残っていて辛いものがありましたが,今日の新日本フィルの第478回定期演奏会の指揮者は1975年生まれのイギリス出身のダニエル・ハーディング,演奏するのはブルックナーの「交響曲第8番ハ短調」という大曲なので,前から楽しみにしていたプログラムです.聴かないわけには行きません.

オーケストラの配置は,第1バイオリンと第2バイオリンが左右に分かれる対向配置を取り,さらに舞台に向かって左側奥にコントラバスが配置され,チェロ,ビオラ,第2バイオリンという順に並んでいます.ピアノの鍵盤に近い配列です.ハーディングが指揮をするときは必ずこの対向配置を取ります.

第1楽章「アレグロ・モデラート」のときは体が疲れているせいか,眠くてたまりませんでした.なかなか音楽に集中できず,頭の中が朦朧としていました.コンサート・マスターはあの葉加瀬太郎似の崔文珠.きょうは椅子の高さがいつもよりは低いようです.いつもは中腰スタイルです.第2楽章「スケルツォ」からだんだん目が覚めてきて意識を集中して聴くようになりました.何といってもこの曲の白眉は第3楽章「アダージョ」でしょう.「荘重にゆっくりと,しかしひきずらないように」と題されたこの楽章をハーディングは丁寧にメロディーを歌わせていきます そして第4楽章「フィナーレ」はブルックナーの指示通り「荘重に,速くなく」力強くオーケストラを鳴らします.それにしても休憩なしで約90分弱のコンサートは2日酔いの身には堪えるプログラムでした

第4楽章あたりで気がついたのですが,すぐ斜め前の席の白髪の老紳士が,さかんに頭を右左に動かし,足を組んでは解いて,落ち着きがありません.どこかで見たような人だと思ったら音楽評論家の宇野功芳氏であることがわかりました.この人は特定の演奏家を熱狂的に推薦する特徴を持っていることで知られています.一昔前の指揮者でいえばハンス・クナッパッーツブッシュやカール・シューリヒト,日本人では朝比奈隆などです.今でも「レコード芸術」誌や「音楽の友」誌などにCD評や演奏評を書いているのではないかと思います.私も昔は定期購読していたのですが,最近はおもしろくないのでまったく読んでいません.最近彼が何を書いているのかも知りません

演奏が終わってブラボーの嵐の中で,一人覚めて拍手もせずにすぐに退席してお帰りになったようです.どうも彼にとっては今日の演奏はお気に召さなかったようです.いずれ何かの媒体にコンサート評を書くのでしょうが,楽しみです それにしても,演奏中に落ち着きなく頭を動かしたりするのはやめてほしいと思います.音楽を聴くことにおいてはプロのはず.どんなにりっぱな演奏評を書いても,聴くマナーが悪くては信用できませんね

終演で袖に引っ込んだハーディングが花束を持って再度登場し,男性の第1バイオリン奏者に手渡しました.彼は花束を手に楽団員の拍手を受けていました.年のころ「アラ還」のようなので,今日の演奏会を最後にこのオーケストラを定年退職するのでしょう.去って行く者をみんなで温かく見送る・・・家族的でいいなぁと思います





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