風の吹くままに旬の祭りを追いかける寅さんの旅には列車が似合う。
しかも高速で走る特急列車より、のんびりしたローカル列車がふさわしい。
切符は駅員に手で渡したいのよ・・・そんな寅さん好みの徳島駅。
駅員が詰める昔ながらの改札口は今では貴重な存在。
今年の阿波おどり公式ポスターのキャツチコピーは「日本の夏のてっぺんへ!」
眉山も新町川も昼間の猛暑で息をひそめているようだ。
やがて夕刻ともなれば町は活気づく。
一年間待ち続けた非日常の四日間が始まろうとしていた。
夏の陽が西に傾き、潮の香りが心地よい新町川のトワイライトタイム。
この雰囲気が阿波おどり見物で最も好きな時間帯なのだ。
桟敷に灯りがともる頃、町は興奮のるつぼと化す。
2013年8月 徳島県徳島市