近畿地方の古墳巡り!

歴史シリーズ、第九話「近畿地方の古墳巡り」を紹介する。特に奈良盆地・河内平野の巨大古墳・天皇陵の謎などを取上げる。

東京多摩市の塚原古墳群とは!

2012年05月09日 | 歴史
関東地方の古墳巡りを続けます。

多摩市の塚原古墳群は、庚申塚古墳の北方・多摩市和田に所在し、古墳時代後期のもので、現在までに10基の古墳が確認されている。

現在、1号墳以外に墳丘はなく、石室と周溝の発掘調査が行われたが、埋葬者は不明である。





写真は、個人の宅地内に保存されている、塚原1号墳の正面と裏側。

塚原1号墳は、直径約9m・高さ2mほどの円墳で、10基の中で最も保存状態が良く墳丘が残っている唯一の古墳。

現状未調査だが、羨道の門柱石と思われる石材が露出していると云う。

全てが横穴式石室による円墳と推測されるが、石室が確認されているのは4号墳・5号墳・6号墳・9号墳の4基のみ。その全てが地面を掘り下げて川原石を積み上げて造られた石室。

発掘調査時には既に畑として利用していたため、石室の石などは取り除いた箇所も見られたらしい。

江戸時代後期の“新編武蔵風土記”稿には「古墳が元禄の頃には40~50基あったが、14、5基に減少した。」とされている。

周辺はほとんどが未調査の区域であるため、今後の調査で古墳数はさらに増えると考えられている。



写真は、本古墳から出土した土師器・須恵器などの土器。

周辺には稲荷塚古墳・臼井塚古墳・庚申塚古墳、又大栗川対岸には中和田横穴墓群や日野市万蔵院台古墳群があるが、古墳以外に古墳時代の住居跡や土器なども多数発見されている。

都内でも有数の古墳群の一つ。