ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

次世代の人材を育てる仕組み  スモールアイデア NO 313

2019-08-07 06:44:44 | 日記

 現世代が次世代に有能な人材を育成できれば、お互いの世代は、ウインウインになれます。老後に、2000万円必要だという議論があります。でも、次世代の人達が1億円を稼ぐ能力を持てば、その稼ぎは、回り回って現世代の高齢者にも回ってきます。良い人材をどうすれば、育成できるかという課題が出てくるわけです。
 そこで、現世代を助けるかもしれない次世代の人材育成を考えてみました。量子コンピュータは、今のコンピユータには不可能な膨大な量の計算が瞬時にできるといわれています。現在のコンピュータの弱点は、電気を使いすぎるということです。世界の電気使用量の10%をコンピュータが使っているのです。量子コンピュータは、現在のコンピュータよりはるかに少ない電気使用量で成果を上げることができます。もし、実現できれば、現在のエネルギー問題の幾分かは解決できます。この量子コンピュータの実用化が、近づいてきました。基幹部品の開発に、若手研究者が挑戦して、成果を上げているのです。
 成果を上げている理由があります。量子コンピュータの専門の大学院生を集めて、研究に集中できる環境を整えているのです。ただ集めるだけでなく、この院生には給料が払われています。日本の大学は、学生や院生は無料で研究を手伝うことを暗黙の了解としていました。その最たるものが、大学病院の研修医が行っている給料をもらわずに診療をする仕組みでしょう。話を元に戻しますが、このグループでは海外研修も行っています。この院生たちにを例外なく、数力月間単位で海外に留学させているのです。自分が、いかに優秀であるかを気がつく契機にしているようです。自分が研究者として海外で研究活動ができる能力を持つことを自覚する場にしています。この費用は、現世代が次世代への人材育成の支援という形で提供されています。
 研究者には、継続的努力が必要です。そして、その過程で生じるアイデアを具体化する能力の育成も大切になります。アイデアをもたらす能力が発揮される現象を、セレンディピティといいます。十数人いる院生に、若手教官はそれぞれテーマを与えます。彼らはテーマに沿って、夜遅くまで実験を行い、装置の調整を行います。この繰り返しの中には、多くの失敗があります。この失敗の過程が、とても楽しいとか苦労は余り感じなかったという人材には、大きな可能性があります。研究や仕事が道楽と思えるようになって、はじめて幸運の女神が微笑んでくれるものです。「アイデアをもたらすのは運不運の問題ではなく、幸運を引き寄せる能力だ」といわれる所以です。現世代は、これらの研究好きとか失敗にめげない人材を支援することになります。与えなければ、見返りはありません。
 もうひとつの注意点があります。株式や読書には、ポートフォリオを組むことが大切だということがあります。読書のポートフォリオを組む場合には、まず大きな分野を決めます。たとえば、経営、技術、人文、社会といった四つの分野をを選んだとします。経営分野では、経営戦略、マーケティング、業界研究、イノべーション、財務会計などになります。ご存じのように、真理というものは書物の中だけにあるのではありません。書物を読むこととと自分の頭で考えることは、車の両輪のように大切なことです。本を読み自分の頭で考え、実践してみることが重要です。マーケティングでは身近な製品を開発しようとすれば、いろいろな過程を経て、最終的には消費者の立場になって考えます。それに合った製品を、開発して市場に出すことになります。
 研究者の場合も、ある程度これらの流れを理解しておくことです。量子コンピュータの開発は、今後とも続きます。でも、このコンピュータを使いこなさなければ意味がありません。量子コンピュータの使い方をどうすれば、容易に使いこなせるかなどのマニュアルが必要になります。各職場で使いやすい使用法を教える人も必要になります。マニュアルを作る場合、研究者と営業関係者、そして使用する人の3者がお互いにアイデアを出し合う場も必要になるでしょう。要は、量子コンピュータには、「設計、開発、製造する人」、「社会や企業内に広く普及させる人」、「雇用が創出され、そこで働く人」をこれからも継続的につくり出していくことになります。立派なコンピュータができただけでは、利用価値は少ないのです。各企業が、使いやすいようにする工夫が求められます。他国に輸出するのであれば、その国の企業風土や文化・歴史などをよく知っていなければなりません。企業系経営や技術も結局は人です。次世代の人材には、技術に取り組む姿勢とともに、人や文化を理解する能力も育成していきたいものです。その環境整備は、現世代が行うことが自然の流れになるようです。




水族館の上手な運営方法  スモールアイデア NO 312

2019-08-06 16:23:46 | 日記

 日本は、世界で最も水族館の多い国になっています。その数が、100とも150とも言われています。今その水族館で、最も困っていることがあります。エサ代が高くなり、水族館の運営に苦慮しているのです。旭川で名物になっているぺンギンは、小アジ10匹をぺロリと食べてしまうそうです。5年前と比べアジは2割、サバは1割強、スルメイカは7割ほど高くなっています。入園料を上げなければ、苦しい状態になるようです。北海道のおたる水族館のセイウチは、1頭につき月に1トンのエサを食べるため月の食費が10万円以上かかります。体が大きいので当然かもしれません。でも、体が小さくとも贅沢な動物はいるようです。グルメ王といわれるラッコは、月に12万円以上かかっています。飼育する魚類や動物が多くなれば、餌代も大変になります。サンマは今年も高騰していますので、さらにエサの調達は、工夫が求められているようです。
 そこで、水族館の経営を上手にやっていく方法を考えてみました。大きな水族館は、500~800種の魚などの水中動物を飼育しています。この動物たちは、食べ物に好き嫌いがあります。その動物が好むエサがあるわけです。それを常に確保しておくことが、水族館の飼育係の大切な仕事になります。水揚げされる漁獲量は、減少しています。そのために餌が、高騰しているわけです。高騰に加え、多くの種類のエサを確保しなければならないという仕事もあります。以前は、魚の豊富な築地市場やなじみの鮮魚店から買うことができました。でも、水族館の魚に適したエサの入手が、困難になっているのです。一部では中国産を解禁したり、地元の魚をなるべく安く調達する工夫をしているようです。中国産だけなく、他国の輸入品の割合を増やしながら、水中動物の「食費」節約に努力している現実があるのです。
 水族館の経営を上手に運営するヒントは、「蒲焼き」にあるようです。土用の丑(うし)の日は、ウナギの年間消費の3~4割を占めています。このウナギが高騰しているのです。そのために、かば焼き屋さんの経営は非常に厳しい状態になっています。普通は、シラスウナギの稚魚を養殖池に入れて、半年ほど育てて出荷します。このシラスウナギの稚魚の漁獲量が、過去最低を更新し続けているのです。結果として、このシラスウナギの稚魚の取引価格が急速に高騰しています。この対策として、完全養殖があります。完全養殖は、人工ふ化させた稚魚を親へと育て、さらにその親に産卵させる養殖方法です。伊豆半島の南端にある世界最先端のウナギ研究所では、ウナギの稚魚を供給しています。問題は、このウナギの価格が1匹5千円~1万円と天然の700~800円の10倍以上することです。良いニュースもあります。ウナギの稚魚は高価なサメの卵しか食いつかなかったのですが、身近な鶏卵や魚粉で代替することに成功したのです。餌代が、3分の1に圧縮できました。今後、品種改良や養魚方法の改善で私たちの口に入ることも間近かもしれません。サメの卵から連想されることは、エサの改善です。大豆ミールは、養殖魚の飼料として一定の位置を確保しています。サメの卵が鶏の卵で代替できるならば、多くの飼育魚に応用は可能になるでしょう。
 水族館が生き残っていくためには、エサ代の問題解決だけではないようです。これからは、訪問者に満足してもらう展示方式や参加系の運営を工夫していくことになります。水中生物を網羅的に展示する方式は、それはそれで魅力があります。でも、経営的には苦しくなるという問題があります。経営の観点から考えると、ある特定の分野に絞り深く探求できる展示も選択肢の1つのになります。そんな中で、餌代を解決する究極の解決策は、餌を与えなくとも良い水中生物を展示することになります。これは、1つの生態系としての展示になるかもしれません。例えば、深海底にある熱水噴出孔の周りには、多くの生物がいることがわかってきました。このようなモデルを水族館の中に作れば、餌はいらなくなります。また、餌が少なくても済む小さな魚を専門に展示する水族館にすれば、餌の問題は解決します。夏は、水族館の繁忙期です。生き物がよく食べ、元気な姿を訪問者に見せてあげて欲しいものです。


いじめに会っている41万人を少し減らす方法  アイデア広場 その489

2019-08-05 21:13:30 | 日記

 2017年度の全国の小中高校などで認知されたいじめの件数は、41万件と過去最多の数字になりました。前年度比で3割近く増えて、小学校は32万件になり、中学校は8万件でした。いじめが原因の自殺は10件あり、世間では深刻に受け止めるようになっています。学校も、対策を強化しています。文部科学省は、自治体の相談事業に費用を助成する措置を執っています。厚生労働省も昨年、市民団体と共同して、相談事業を始めています。
 そこで、いじめを学校だけでなく、社会全体で少なくする方法を考えてみました。いじめには、排除するいじめと拘束するいじめがあります。グループが、孤立した子どもをいじめる事例が代表的なものです。福島原発事故で避難していた子どもが、転校先の小学校でいじめにあった事例はこれに当たります。もう一つは、「仲良しグループ」の中で特定の子どもをいじめる事例です。先日、埼玉県の中学生が刃物で刺された事件などは、仲良しグループ内での事例に当たります。初期のいじめは、モノを取ったり、隠したりすることが多くなります。次に、悪口、からかい、仲間はずれ、脅しなどと種類も強度もエスカレートしていきます。福島の子どもの場合は、悪口やからかいによるものです。埼玉の場合は、モノを隠すことが原因になっているようです。
 小学校の3年生ぐらいになると、いじめられる子といじめる子がでてきます。小学生の場合、比較的いじめの把握が容易です。低学年のいじめの把握が容易なことは、その認知件数の多さからも分かります。中学校や高校になると難しくなります。特に、集団内のいじめは、誰がいじめたのか、いじめた事実があったのかなど、認定が困難な場合が出てきます。近年は、SNSなどインターネット上の閉鎖空間でのいじめも目立つようになりました。閉鎖空間でのいじめに対して、学校や家族が把握できない事例も増えています。
 学校や家族に相談できない子ども達は、民間や行政の用意した相談窓口を利用することが増えています。今の子どもは、あまり電話を使わないようです。子どものSOSの発信は、電話からSNSなどに移りつつあると言います。いじめに苦しむ子どもは、相談窓口で無料対話アプリLINEを活用して訴えているのです。LINEならちょっとした愚痴でも、気軽に相談してもらえると安心感があるようです。相談事例が増えるにつれて、相談員同士で事例を共有し、ノウハウを蓄積している組織もあるようです。
 ベテランの小学校の先生は、子ども達の仲間関係を熟知しています。いわゆる子ども達のソシオメトリーを利用しながら、学習効果を上げることを試みているわけです。教室には、物事をすぐに理解するA君となかなか理解できないB君がいるとします。このA君とB君が仲良ければ、席交換の時にお互いに話あえる距離に席を決めます。分からないままにすることは、学習の遅れに繋がります。一方、仲が良すぎて、授業中お話ばかりしたり、脱線を繰り替えるような場合、席を離します。相性が悪い場合、少し席を離すような配慮もします。このようなクラスの人間関係を、ベテラン教員はソシオメトリーとして頭に入っています。
 いじめの有無の把握は、グループのメンバーA君、B君、C君、D君が笑顔で学校を生活し、成績も向上してる場合、いじめがないと判断できます。グループに所属しない孤立した子どものに関しては、成績も向上し、マイペースで学校生活をしている場合も、いじめがないと考えても良いでしょう。一方、グループのメンバーA君、B君、C君、D君の中で、C君だけが急に成績が低下したり、以前と比較して沈んだ状態になったときには、注意が必要になります。小学校の場合、32万人がいじめにあったとされています。この大幅な数字の増加は、ある面で積極的にいじめを認知する姿勢が学校現場に浸透したことを示しています。早期に対応するため、軽微でもいじめと捉える傾向が強まったわけです。
 一方、中学生は8万人がいじめにあったとされています。ここの精査は、意外と難しい問題があります。多くの中学生は、スマホを持つようになります。ネットの閉鎖空間では、目に見えないいじめが始まります。当然のごとく、閉鎖空間でのいじめに対してスマホを持たせるべきではないという意見があります。でも、これからの社会は、スマホなどの利用は必須のものになります。これを無しに、社会で活躍していくことはできないでしょう。むしろ、スマホを所持し、その中で解決策を構築していくことが求められます。
 スマホには、いじめを解決するツールが備わっているのです。スマホを持つ中学生からは、位置情報が把握できます。どんな仲間と付き合っているかを把握できるのです。メールのやり取りが頻繁であれば、その活動時間帯を把握できます。仲間が深夜に集まることを繰り返していれば、望ましくない行動を取っていると推定されます。深夜にメールのやり取りをしていれば、やはり望ましくないと推定されます。これに授業の成就度や成績の低下が重なれば、望ましくないパターンを判断されます。もちろん、このようなプライバシーを調査することは、学校だけでできることではないでしょう。
 2017年には41万人がいじめられたという実態がありました。中には、自殺にまで追い込まれた子どももいたのです。文部科学省や厚生労働省は、この問題を放置することなく、介入する姿勢を示しています。各市町村の相談事業に費用を助成し、市民団体と共同して子どもの相談に乗る体制を整えています。相談事業を行っている機関には、いじめに関する情報が蓄積されつつあります。そして、この情報をもとに、より良いアドバイスが相談する子とも達に提供されています。もし、学校と相談事業が協力できれば、より良いアドバイスが提供できるかもしれません。たとえば、学校は、スマホの携帯を認めます。そのとき、保護者に子ども達の位置情報を、学校が把握できることを認めてらうのです。学校は、相談機関に位置情報を通したソシオメトリーを提供します。いじめにあった子どもが相談機関に相談する場合、子どもを取り巻く状況を正確でなくともある程度把握していれば、より有意義な相談情報を子ども達に提供できるでしょう。
 今の社会では、いじめはあるものと覚悟しておく必要はあります。パワハラやセクハラが新聞紙上に多数出てくる昨今、それに備えることも学校の役目になりつつあるようです。子ども達に対していじめの具体的事例を示して、いじめを回避する授業を行うことが必要です。授業を受けて、いじめを回避する能力を高めておくことが求められます。その学習が、社会に出ても役に立つかもしれません。蛇足ですが、ネットによるいじめは、証拠が残り、事実認定を得やすいのです。ネットによるいじめは証拠も残り訴えることができる材料になります。泣き寝入りをする必要のないのが、ネットによるいじめということになります。記録を取るだけで、いじめの抑止になることを伝えておくことです。学校も子ども達のスマホから、友達関係の情報を収集分析できるようになれば面白いかもしれません。単に生活指導に役立てるだけでなく、学習の向上に使うこともできるようになります。


蒲焼きを心置きなく食べる環境作り  スモールアイデアNO488

2019-08-03 18:22:14 | 日記

 ウナギは、夏バテを防ぐ貴重なタンパク源とされてきました。特に、7月の末に訪れる土用の丑(うし)の日は、ウナギの年間消費の3~4割を占める特異日でした。この日は、蒲焼きを食べるという形をとりながら、値段も高騰する日でもあります。国産ウナギ卸値は毎年値上がりし、今年も昨年の1割程度高くなっています。さらに、絶滅危惧種に指定されつつあるウナギの大量消費に対する批判も高まっています。この二重苦に、ウナギの関係者は非常に厳しい状態におかれています。
 そこで、ウナギを食べる文化を守りながら、ウナギの安定供給について考えてみました。シラスウナギの稚魚の漁獲量が、過去最低を更新し続けています。この稚魚の取引価格が、急速に高騰しているのです。世界の流れは、絶滅危惧種を守る方向に動いています。この困難な状況を打開するヒントは、バレンタインデーにあるようです。日本では、バレンタインデーの日にチョコレートを送るという習慣ができました。チョコレート産業の仕掛けだと分かっていても、楽しいことは楽しいと相乗りしながらこの習慣を形成してきました。バレンタインシーズンには、チョコレートの売上げが500億円にもなります。これは、年間販売の10%強の売上げになります。蒲焼きもチョコレートも、ある特定の日に売上げが急増する特徴があります。
 バレンタインデーは、キリスト教に関連した行事として西洋で普及していました。西洋では、この日に友人や恋人の間でカードを交換したり,贈物をする習慣があります。でも、チョコレートを送る習慣は日本だけのようです。日本では、お菓子業界が仕掛けた企画に相乗りし、日本独自の文化に発展したようです。本来の趣旨からすると、愛の気持ちを伝える日とか、感謝を伝える日という設定のようです。日本では、単純に「チョコレート」を贈り物とする流れになっていました。でも、最近はチョコレートではなく、ユーモアやウィットのある人は、「詩」のような本来の趣旨に沿った贈り物を行う人達も出てきています。世俗に流されることなく、本来の趣旨を理解した上で、人の意表を突く贈りもをする人達の出現です。日本の若者も、ユーモアやウィットに富んだ行動を取るようになりつつあるようです。
 土用の丑(うし)の日は、暑さで体の抵抗力が衰える時期に高タンパク質を摂り、夏バテを防ぐ狙いがありました。その食材として、ウナギを提供したことが最初です。これを企画した粋人は、平賀源内と言われています。現代の平賀源内が現れても、不思議ではありあせん。事実、夏バテを防ぎ、なおかつ美昧しく、体に良い、夏の食べ物を開発する企業もあります。高騰するウナギの代替品として、ナマズやサバのかば焼きを開発するスーパーもあります。あるスーパーは今年、サケのかば焼きを追加しています。ウナギの蒲焼きが苦戦していますが、ナマズなどの代替品は前年並みの売上げを維持しているようです。
 代替の蒲焼きでは満足できない人のためには、完全養殖という正面突破の道もあります。完全養殖は、人工ふ化させた稚魚を親へと育て、さらにその親に産卵させる養殖方法です。絶滅危惧を防ぎながら、ウナギを資源として活用できる養殖方法になります。研究室内での完全養殖は、日本が2010年に世界で初めて成功しています。伊豆半島の南端にある世界最先端のウナギ研究所では、ウナギの稚魚を供給しています。問題は、人工ふ化のウナギの価格が1匹5千円~1万円と天然の700~800円の10倍以上することです。これを、天然ウナギ並にするには時間がかかりそうです。
 ウナギ文化を守る迂回作戦もあります。日本の消費者には、絶滅危惧種にたいする憂慮があります。今年の土用の丑(うし)の日は、ウナギの売れ行きが鈍くなっています。ウナギを遠慮する人びとも出てきています。この人びとの意識を、もう一歩高見に引き上げるのです。枯渇しつつあるウナギを、食べない運動を立ち上げます。日本人が土用丑の日に、ウナギを食べる習慣を止めれば、世界のウナギの生息数は増加します。でも、蒲焼きは食べたいという人もいるわけです。一気に辞めるのは、難しいことです。そこで、地域毎に我慢するルールを作ります。1種のゲーミフィケーションです。2020年は、北海道・東北地方がウナギを食べない地域にします。続いて、2021年は関東・中部地方がウナギ断ちをする地域にします。2022年は近畿と中国地方、2023年は四国と九州というルールを作ります。ただし、人工ふ化による蒲焼きは、いつでもどこでも食べられるようにします。いつでもどこでも蒲焼きを食べたい人は、ウナギの人工ふ化を応援する賛助金を出すことになります。2020年であれば、東北北海道の人は、蒲焼きを食べたと思って、蒲焼き代を研究所に寄付するようにします。研究がはかどれば、早い時期に蒲焼きを食べられるようになるという仕掛けです。気兼ねなく蒲焼きを食べられる日を、心待ちにしています。



元気な日本企業の海外進出   アイデア広場 その487

2019-08-02 23:08:54 | 日記

 訪日した中国人の方も、本当の和食を食べたいという希望が増えています。香港で展開しているワタミは、各テーブルにおかれる醤油も日本製にするほど、日本風に徹しています。その結果、ワタミは「本物」の日本料理が食べられる店として、認知されるようになっています。訪日を経験した人達は、日本の良さを見直しているようです。一時は、爆買いでその良さを自国に持ち帰りました。その次に取られた方法は、代理者を通じたネット通販でした。この方法は、中国政府による規制でやや下火になっています。そんな中で、規制や制約にもかかわらず、元気な会社が日本にもありました。
 そこで、そんな元気な日本企業の秘密を調べてみました。中国の消費者のスピードに付いていくことは、なかなかできない企業が多いようです。でも、移り気で多様化した変化の激しい消費者のニーズに素早く応えることができれば、大きなビジネスチャンスになります。このチャンスをものにしている企業のお話です。宮城県の仙台市に本社があるアイリスオオヤマは、中国ネットの通販の売上高が2018年までの5年間で10倍になりました。アイリスの生産ラインは、中国にあります。中国の訪日の方は、ドラッグストアや家電量販店で多くの買い物をします。その品物を日本からネット取引しようとすると、いくつかの規制に抵触するという問題が生じています。これらの規制も、現地生産するアイリスには無縁のものになっています。家電を現地生産するアイリスは、規制で沈静化した訪日爆買いの需要を再び呼び起こすかもしれないのです。
 アイリスは、プラスティックの収納ケースの製造を行っていました。これに電化製品の製造が加わってきたのです。プラスティックの収納ケースの生産ラインは、主に成形と組み立て、そして梱包の3工程と短いものです。シンプルな生産工程のために、この収納ケースの生産ラインは金型を変えれば様々な商品を作ることが可能なのです。電化製品の外装は、大部分がプラスチックで作られています。そのために、外注せずにアイリスの工場で内製化することができます。外装を外注せずに同じ工場で内製化できることで、製造原価を抑えられました。これは、古い生産設備を有効利用しているともいえます。古い施設を利用しながら、新しい設備の拡張も行っています。アイリスは、「経常利益の50%は投資に回す」という方針を堅持しているのです。
 この会社は、毎週月曜日の開発会議では経営陣や企画担当者が一堂に会し議論を戦わせます。どんな機能を搭載するか、価格帯や想定する消費者など、3~4回のこの会議で決まるのです。年間1000アイテムの新商品を出す原動力は、この会議の意思決定の早さによるものです。他社であれば企画や製造、販売を別々の部門で積み上げながら決定されていく方式が一般的です。担当者が細分化されているために、いくつもの「決裁印」が必要になります。企画段階からトップが関与し、意思決定のスピードを速くし、商品開発を瞬時に行っているわけです。
 日本の大手家電メーカーは「選択と集中」で相次いで家電分野から撤退しています。撤退に伴って、優秀な家電の技術者もリストラされています。アイリスは、撤退した家電技術者の受け皿になっています。転職してきた技術者は、細かいレべルで画質を調整しジャパン製品の品質を維持することに貢献しています。訪日する中国人が、争って購入する電化製品があります。彼らは、この日本様式の細かに配慮された電化製品を開発できます。転職してきた技術者が、中国の消費者ニーズに沿った商品開発力を磨いているのです。日本で買わなくとも、中国で日本製品が作られ、購入する道が開けているわけです。毎年、1000点のアイテムが開発されています。ものづくりの魅力が体に染みている技術者には、やりがいのある開発現場になっています。アイリスの液晶テレビは、大手家電メーカーから転職してきた技術者の活躍によって生産されています。変化の激しい中国中間層のニーズを、確実につかむ商品開発をしているわけです。大手メーカーを離れた技術者が、再雇用されて成功している事例になります。
 この会社は、経常利益の50%を投資に回しています。今では、アメリカに4ヵ所、中国に4ヵ所、EUに2ヵ所の製造と流通の拠点を持つまでになっています。その中国の個人消費に陰りが出ています。住宅ローンの債務が増えているのです。ローンの支払いが増えて、食費や衣類に使うお金が減ってきています。日本のバブルのレベルまで個人の債務は悪化しているといわれています。とすれば、次の狙いは東南アジアということになります。アジア各地の中間層内部には、多様な嗜好を持った人達が現れています。画一的な消費行動が徐々に姿を消して、消費の方向性が読みにくくなっています。でも、アジアの各市場の中間層は、消費意欲は根強いのです。
 もし、アイリスの方式で東南アジアの市場に打って出れば、どうでしょうか。日本人の厳しい目に合格した商品が、企画・開発・販売されます。年間1000のアイテムが、アジアの消費者のニーズに基づいて開発されることでしょう。その生産ラインは、古い設備と最新鋭の設備を融合した効率的なものになります。日本や中国でリストラされた優秀な技術者を、東南アジアの工場で再雇用する手法も取り入れられるでしょう。そして、これまでのようにスピードのある決断で進めていくことができれば、中国より複雑な市場をスムーズに開発することができるかもしれません。



ライドシェアリングの流れ  スモールアイデアNO311

2019-08-01 18:28:00 | 日記

 シェアリングは、空き部屋や自動車など個人の持ち物を他の個人が利用する形で発展しています。車は、「所有」から「利用」への動きが世界規模で広がっています。2018年に、世界のライドシェアの市場規模は6兆円を越えました。2024年には、この2.5倍の15兆円なるとされています。この市場のプラットフォームは、ウーバーが作りました。でも、ライドシニアの本家であるウーバーは、中国や東南アジア、そしてロシアから撤退をしているのです。中国では滴滴出行が台頭し、東南アジアのグラブなど有力な企業が台頭しています。
 そこで、ライドシェアの今後を少し探ってみました。ライドシェアの巨大市場を巡る各社の戦いは、品質を競う新たなステージに突入する段階になっています。この市場のマッチング企業にとって、登録する個人の質が競争の軸になり始めていいます。中国の配車サービスの市場規模は、今やアメリカのの2倍弱に膨らんでいます。2016年には、滴滴出行が中国に進出していたウーバーの中国事業を買収しています。シンガポールに本社をおくグラブは、ウーバーと東南アジア各地で激しく競ってきましたが、最後は勝利を収めています。グラブは、ウーバーの事業を2018年に買収したのです。中国や東南アジアの地元配車サービスは、アメリカ発の配車サービスを排除したことになります。
 アメリカや中国では、乗用車の保有する個人が空いた時間に配車サービスを提供するケースが多かった。ここにきて各国のライドシェア成長戦略は、自家用車やタクシーの代替だけではなくなってきました。プラットフォームを使いながら、料理宅配や貨物運送トラックの配車サービスなど新しい市場を作り出しています。この新しい市場に適応できる質の高い運転手を、いかに確保するのかという局面になっているようです。アジアの配車サービスは、スマホの配車アプリの登場で料金の透明性が向上し、一気に普及した側面がありました。それまでアジアにおいて、タクシーの運賃が交渉制のために運転手の質が玉石混交だったのです。配車サービスにおいては人材の確保が激しくなり、事件や事故の発生も増えているのです。この流れを受けて、優良な運転手の確保が、企業の課題になっていたのです。配車サービスは急成長のひずみで、人材確保などの課題が浮上していたわけです。
 東南アジア最大手のグラブは、優良運転手の認定制度を導入しました。このシンガポールを本拠するこの企業は、インドネシアで優良運転手を認定する制度を取り入れています。認定された運転手は、一般の運転手より20%多い収入を得ることができます。さらに恩典があり、配車を優先して受けられるようになるのです。優良な運転手は事件や事故を起こさないために、信用が高まるというメリットがあります。もう一つの流れがあります。中国最大手の滴滴出行は、多くの車両と運転手を抱える企業を囲うシステムを開発しています。滴滴出行以外にも、多くの車両と配車運転手を抱えて配車サービスを手掛ける企業が急増しているのです。ネット通販が急成長する中で、宅配に関わる運転手が不足しているのです。これは、日本だけでなく、経済成長の続く東南アジアなどでも見られる傾向です。アジアの配車大手が、相次ぎサービスの品質向上と車両の確保を目指しています。配車サービス企業は、乗客から受け取る料金の7~8割を運転手に配分して、残りを企業が受け取るという仕組みです。乗客と運転手の争奪で競争は激しく、本業のもうけもに赤字が続いているのが実情のようです。
 余談ですが、需要と供給の状況に合わせて価恪を変動させるダイナミックプライシング(DP)というものがあります。DPと呼ばれる仕組みは、これまでホテルの宿泊料金や航空運賃で使われてきました。旅客が多い時は高くし、少ない時は低くできるようにする仕組みです。ちょっと発想が飛躍しますが、市役所の車置き場をみると多くの公用車が車ありました。土曜日と日曜日は、100台近い車が使われていないようです。土曜日や日曜日に使われていない公用車を、シェアしてはどうかと考えました。格安で個人や企業に貸し出すわけです。土曜日や日曜日だけのマッチングサイトを、設けるわけです。ソーシャルワーカーやNPOがこれを利用して、活動資金を獲得することも可能でしょう。