ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

快適居住環境を構築する  アイデア広場 その490

2019-08-10 20:37:10 | 日記

 ネット通販は、右肩上がり成長をしています。2018年度の市場規模は19.3兆円になり、2024年度には27.2兆円と予測され、70%以上の成長を見こまれています。このような環境の中で、小売り大手がネット通販を前提とした店作りを始めています。ネット通販で買い物する人の8割が、事前に商品を確認しているという調査結果があります。ネットで買う前に、実店舗で商品を確認するわけです。バーチャルによる確認より、実物の確認が優先することが、人間の購買行動のようです。であれば、ネット通販を多用する消費者にマッチした販売戦略をたてることが合理的になります。そこで、出現した店が、商品を売らない店です。注文の基本は通販サイトで対応し、店舗は商品を見せたり、体験したりする「コト」に限定しています。ショールームは小さいのですが、家具の配置や電化製品の総合的使用法を組み合わせを提案しています。と同時に、提案を実物で操作したり、体験をしてもらう仕掛けになっているようです。店をショールームの機能に限定し、客を呼び込み、気にいった商品は自社の通販品やサイトに誘導する仕組みです。ショールームを家と仮定すると、家の家具や電化用品をどのように使えば快適に過ごせるかを示すことも選択肢になります。
 そこで、ショールームを使いながら、家の快適性を売り出す仕組みを考えてみました。知人の家で、最新の洋式水洗トイレの水が流れなくなったのです。水が流れなくなった原因は便器に内蔵されていたモーターの故障でした。自動洗浄機が付いているために、数個のモーターが使用されていました。そのうちの1つが、寿命になったようです。このモーターの修理費に、3万円かかったそうです。モーターの代金や職人さんの修理の費用費、そして交通費など含めればが当然の経費なのでしょう。家を所有している人は、家の老巧化に伴って、いろいろな修理ヵ所がでてきます。それを全て業者にお願いしていては、費用がかかりすぎると知人は嘆いていました。ちなみに、同じような故障があった別の知人宅では、モーターをネットで取り寄せて数千円で修理をしたそうです。彼は、簡易な修理ならばできる知識と技能を持っていたのです。このような能力を持っていれば、費用を節約できます。そして、老後の蓄えを切り崩すこともないようです。
 家を新築するだけでは、快適な生活はおくれません。家は、維持や修繕を繰り返しながら、快適性を保っていくものです。新築した家の快適性を保つためには、年月が経るにしたがって、業者にお願いすることも多くなります。老朽化が進めば、家の修理ヵ所増えてきます。建築業者は、家を建てて引き渡すことに多くの努力をします。でも、建てた後のケアが不十分な場合があります。新築する前までは頻繁に訪れますが、家を建てた後はご無沙汰が続くようです。家を快適に過ごす場所にするためには、家を建てるだけでなく、その後の維持や修理にも気を配らなければなりません。そんな配慮を、商品を「売らない店」に備え付けてはどうでしょうか。
 欧米の中古住宅は修理などが上手に行われている場合、価格が上がっていく現象があります。日本は新築時は高いのですが、中古住宅になると急速に価格が低下します。その理由は、中古住宅が修理に費用がかかることが上げられます。もし、この面での改善がなされれば、中古住宅でも高い価値を保つことができます。新築した家が古くなっても簡単に修理をすることのできる仕組みにすれば、家に住みながらお金持ちになっていくことも夢ではなくなります。老後の心配が、少し減ることになります。
 家を建てる時に、故障箇所を直し易いように作ってもらう方法があります。コマツのコムトラックスは世界中の建機の稼働率をしらべ、部品の交換時期を把握しました。ブルドーザーなどの建機が、いつも稼動できる状態を確保したわけです。新築した家も、いつトイレのモーターが故障するかを、把握する仕組みにしたらどうなるでしょうか。日本の新築件数は、年間90万件程度あります。10年で900万件の家が建てられています。これをコマツのコムトラックス方式で、どの部分が交換時期かを「見える化」しておくわけです。「売らない店」では、新築までの工程表を説明するだけでなく、新築後の工程表を説明することにします。事前に修理する部分や時期が分かっていれば、心構えもできます。故障する時期を把握しておき、その前に部品を交換すれば快適な住環境が確保できます。900万件の家屋把握し、部品の供給や修理の時期をloTで最適化を図ることができれば面白でしょう。故障する前に部品を交換するこのシステムは、日本のお家芸です。「売らない店」にこのようなサービスを備え付ければ、持ち家に対する安心感は盤石になるかもしれません。
 蛇足ですが、業者の方に任せるだけでは、費用が大きくなります。家の持ち主が、故障が出る時期に、その所の修理や部品交換ができるスキルを身につけるコースも、「売らない店」に設けていただくと、さらに安心感が深まります。シニアの分かるレべルで説明や実技を指導をするコースを設けていただき、家の老巧化応じた知識や技能を身につけるコースを充実させて欲しいものです。