人口3万人未満の地方では、地域の経済が回らなくなる傾向が出てきています。地方経済の停滞は、人口減少をさらに推し進めていきます。一方、地方の明るいニュースに、ふるさと納税ががあります。この納税額は、4000億円を超えるようになりました。ふるさと納税を行う人に対しては、所得税や住民税から控除される優遇処置があります。税の免除の特典がある上に、寄付をした町村から嬉しいお返しがあります。このお返しが、年々豪華になってきています。ふるさと納税の集め方に、総務省から特定の市町村にクレームが出さています。総務省は、この納税のお金が地元で有効に使われていないことに問題意識を持っているようです。地元の物産ではなく、他地域の産物を「お返し」に使う市町村も出てきたのです。
そこで、ふるさと納税の有意義な使用方法について考えてみました。地域内でお金を上手く回転させていけば、市町村の活性化に役立てることができます。例えば、観光客に「ソバまんじゅう」という土産物を1万円買ってもらえば、このお金が地元のお店に入ります。お店は、このまんじゅうを作っている工場に8000円を払います。まんじゅうを作っている工場は、この材料のソバやアンコの小豆を作っている農家に6400円を払います。このように地元に工場や農地があれば、地元の中をお金が回る仕組みになります。1巡目は、1万円のうち、80%の8000円が残り、2巡目は、8000円のうちの80%、6400円が残ります。3巡目は、6400円のうち、80%にあたる5120円が、4巡目には4096円が地域に残るという具合です。80%を掛け合わせながらどんどん足していくと、最終的な合計金額は約5万円になるのです。地域に生産する人達やサービスに関係する人達がいれば、お金は地元を回り続けます。4000億円のふるさと納税が、地元を中心に回り始めれば、2兆円の経済効果をもたらすかもしれません。でも、大型モールやネット通販で買うお金は、地域の外に出て行くことになります。地域の外にお金が出ていくことは、地域の需要が減退していくことを意味します。ふるさと納税を地元の中で使うことは、需要を増やし、地域を豊かにすることに繋がるわけです。
豪華なお返しという視点を変えてみることも、面白いかもしれません。豪華なモノではなく、「コト」に重点を置いたサービスの提供について考えてみました。ペットと一緒に日本中を旅行する人びとが、現れています。旅行を通して、人はもちろんぺットも元気になっているようです。いろいろなペットと交流する刺激や楽しみもあるようです。快適環境でぺットに過ごしてもらう場所をめぐっているようです。このような愛好家とペットに対して快適環境を提供する市町村が、現れたら面白いでしょう。ぺットに快適環境な提供することと、ふるさと納税を結びつけるのです。
ふるさと納税を納めたペット愛好家のために、自由にのびのびと運動できる環境を提供するわけです。愛犬家がペットホテルに預ける不安は、愛犬が普通の環境と違うことにストレスが高まることだといわれています。このストレスを快適なものにできる人材や設備が、市町村にあれば大きな財産になります。ペットを一定期間預かるサービスは、高いニーズを持って迎えられます。快適な環境だけでなく、ペットの理学療法士や作業療法士を配備して、リハビリのサービスを行うことも面白いかもしれません。ペットも年老いれば、いくつかの病状を持つようになり、体力も低下します。その機能回復を「ペット人材」と設備を持つ市町村で行うわけです。夢を追うようですが、日本一の快適環境を提供できるようになれば、ふるさと納税が増えるかもしれません。その資金を利用して、ペットの医療環境を充実させることも考えられます。預かったペットの健康診断を行うことも、可能になります。さらに、年老いたペットに多くなるガンを防ぐために、若いうちに避妊手術を行う場所として利用することも可能でしょう。ふるさと納税のお返しを、モノからコトに変える市町村が出現すれば、ペットにとって楽しい世の中になるかもしれません。