ファンタジアランドのアイデア

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水族館の上手な運営方法  スモールアイデア NO 312

2019-08-06 16:23:46 | 日記

 日本は、世界で最も水族館の多い国になっています。その数が、100とも150とも言われています。今その水族館で、最も困っていることがあります。エサ代が高くなり、水族館の運営に苦慮しているのです。旭川で名物になっているぺンギンは、小アジ10匹をぺロリと食べてしまうそうです。5年前と比べアジは2割、サバは1割強、スルメイカは7割ほど高くなっています。入園料を上げなければ、苦しい状態になるようです。北海道のおたる水族館のセイウチは、1頭につき月に1トンのエサを食べるため月の食費が10万円以上かかります。体が大きいので当然かもしれません。でも、体が小さくとも贅沢な動物はいるようです。グルメ王といわれるラッコは、月に12万円以上かかっています。飼育する魚類や動物が多くなれば、餌代も大変になります。サンマは今年も高騰していますので、さらにエサの調達は、工夫が求められているようです。
 そこで、水族館の経営を上手にやっていく方法を考えてみました。大きな水族館は、500~800種の魚などの水中動物を飼育しています。この動物たちは、食べ物に好き嫌いがあります。その動物が好むエサがあるわけです。それを常に確保しておくことが、水族館の飼育係の大切な仕事になります。水揚げされる漁獲量は、減少しています。そのために餌が、高騰しているわけです。高騰に加え、多くの種類のエサを確保しなければならないという仕事もあります。以前は、魚の豊富な築地市場やなじみの鮮魚店から買うことができました。でも、水族館の魚に適したエサの入手が、困難になっているのです。一部では中国産を解禁したり、地元の魚をなるべく安く調達する工夫をしているようです。中国産だけなく、他国の輸入品の割合を増やしながら、水中動物の「食費」節約に努力している現実があるのです。
 水族館の経営を上手に運営するヒントは、「蒲焼き」にあるようです。土用の丑(うし)の日は、ウナギの年間消費の3~4割を占めています。このウナギが高騰しているのです。そのために、かば焼き屋さんの経営は非常に厳しい状態になっています。普通は、シラスウナギの稚魚を養殖池に入れて、半年ほど育てて出荷します。このシラスウナギの稚魚の漁獲量が、過去最低を更新し続けているのです。結果として、このシラスウナギの稚魚の取引価格が急速に高騰しています。この対策として、完全養殖があります。完全養殖は、人工ふ化させた稚魚を親へと育て、さらにその親に産卵させる養殖方法です。伊豆半島の南端にある世界最先端のウナギ研究所では、ウナギの稚魚を供給しています。問題は、このウナギの価格が1匹5千円~1万円と天然の700~800円の10倍以上することです。良いニュースもあります。ウナギの稚魚は高価なサメの卵しか食いつかなかったのですが、身近な鶏卵や魚粉で代替することに成功したのです。餌代が、3分の1に圧縮できました。今後、品種改良や養魚方法の改善で私たちの口に入ることも間近かもしれません。サメの卵から連想されることは、エサの改善です。大豆ミールは、養殖魚の飼料として一定の位置を確保しています。サメの卵が鶏の卵で代替できるならば、多くの飼育魚に応用は可能になるでしょう。
 水族館が生き残っていくためには、エサ代の問題解決だけではないようです。これからは、訪問者に満足してもらう展示方式や参加系の運営を工夫していくことになります。水中生物を網羅的に展示する方式は、それはそれで魅力があります。でも、経営的には苦しくなるという問題があります。経営の観点から考えると、ある特定の分野に絞り深く探求できる展示も選択肢の1つのになります。そんな中で、餌代を解決する究極の解決策は、餌を与えなくとも良い水中生物を展示することになります。これは、1つの生態系としての展示になるかもしれません。例えば、深海底にある熱水噴出孔の周りには、多くの生物がいることがわかってきました。このようなモデルを水族館の中に作れば、餌はいらなくなります。また、餌が少なくても済む小さな魚を専門に展示する水族館にすれば、餌の問題は解決します。夏は、水族館の繁忙期です。生き物がよく食べ、元気な姿を訪問者に見せてあげて欲しいものです。