ファンタジアランドのアイデア

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いじめに会っている41万人を少し減らす方法  アイデア広場 その489

2019-08-05 21:13:30 | 日記

 2017年度の全国の小中高校などで認知されたいじめの件数は、41万件と過去最多の数字になりました。前年度比で3割近く増えて、小学校は32万件になり、中学校は8万件でした。いじめが原因の自殺は10件あり、世間では深刻に受け止めるようになっています。学校も、対策を強化しています。文部科学省は、自治体の相談事業に費用を助成する措置を執っています。厚生労働省も昨年、市民団体と共同して、相談事業を始めています。
 そこで、いじめを学校だけでなく、社会全体で少なくする方法を考えてみました。いじめには、排除するいじめと拘束するいじめがあります。グループが、孤立した子どもをいじめる事例が代表的なものです。福島原発事故で避難していた子どもが、転校先の小学校でいじめにあった事例はこれに当たります。もう一つは、「仲良しグループ」の中で特定の子どもをいじめる事例です。先日、埼玉県の中学生が刃物で刺された事件などは、仲良しグループ内での事例に当たります。初期のいじめは、モノを取ったり、隠したりすることが多くなります。次に、悪口、からかい、仲間はずれ、脅しなどと種類も強度もエスカレートしていきます。福島の子どもの場合は、悪口やからかいによるものです。埼玉の場合は、モノを隠すことが原因になっているようです。
 小学校の3年生ぐらいになると、いじめられる子といじめる子がでてきます。小学生の場合、比較的いじめの把握が容易です。低学年のいじめの把握が容易なことは、その認知件数の多さからも分かります。中学校や高校になると難しくなります。特に、集団内のいじめは、誰がいじめたのか、いじめた事実があったのかなど、認定が困難な場合が出てきます。近年は、SNSなどインターネット上の閉鎖空間でのいじめも目立つようになりました。閉鎖空間でのいじめに対して、学校や家族が把握できない事例も増えています。
 学校や家族に相談できない子ども達は、民間や行政の用意した相談窓口を利用することが増えています。今の子どもは、あまり電話を使わないようです。子どものSOSの発信は、電話からSNSなどに移りつつあると言います。いじめに苦しむ子どもは、相談窓口で無料対話アプリLINEを活用して訴えているのです。LINEならちょっとした愚痴でも、気軽に相談してもらえると安心感があるようです。相談事例が増えるにつれて、相談員同士で事例を共有し、ノウハウを蓄積している組織もあるようです。
 ベテランの小学校の先生は、子ども達の仲間関係を熟知しています。いわゆる子ども達のソシオメトリーを利用しながら、学習効果を上げることを試みているわけです。教室には、物事をすぐに理解するA君となかなか理解できないB君がいるとします。このA君とB君が仲良ければ、席交換の時にお互いに話あえる距離に席を決めます。分からないままにすることは、学習の遅れに繋がります。一方、仲が良すぎて、授業中お話ばかりしたり、脱線を繰り替えるような場合、席を離します。相性が悪い場合、少し席を離すような配慮もします。このようなクラスの人間関係を、ベテラン教員はソシオメトリーとして頭に入っています。
 いじめの有無の把握は、グループのメンバーA君、B君、C君、D君が笑顔で学校を生活し、成績も向上してる場合、いじめがないと判断できます。グループに所属しない孤立した子どものに関しては、成績も向上し、マイペースで学校生活をしている場合も、いじめがないと考えても良いでしょう。一方、グループのメンバーA君、B君、C君、D君の中で、C君だけが急に成績が低下したり、以前と比較して沈んだ状態になったときには、注意が必要になります。小学校の場合、32万人がいじめにあったとされています。この大幅な数字の増加は、ある面で積極的にいじめを認知する姿勢が学校現場に浸透したことを示しています。早期に対応するため、軽微でもいじめと捉える傾向が強まったわけです。
 一方、中学生は8万人がいじめにあったとされています。ここの精査は、意外と難しい問題があります。多くの中学生は、スマホを持つようになります。ネットの閉鎖空間では、目に見えないいじめが始まります。当然のごとく、閉鎖空間でのいじめに対してスマホを持たせるべきではないという意見があります。でも、これからの社会は、スマホなどの利用は必須のものになります。これを無しに、社会で活躍していくことはできないでしょう。むしろ、スマホを所持し、その中で解決策を構築していくことが求められます。
 スマホには、いじめを解決するツールが備わっているのです。スマホを持つ中学生からは、位置情報が把握できます。どんな仲間と付き合っているかを把握できるのです。メールのやり取りが頻繁であれば、その活動時間帯を把握できます。仲間が深夜に集まることを繰り返していれば、望ましくない行動を取っていると推定されます。深夜にメールのやり取りをしていれば、やはり望ましくないと推定されます。これに授業の成就度や成績の低下が重なれば、望ましくないパターンを判断されます。もちろん、このようなプライバシーを調査することは、学校だけでできることではないでしょう。
 2017年には41万人がいじめられたという実態がありました。中には、自殺にまで追い込まれた子どももいたのです。文部科学省や厚生労働省は、この問題を放置することなく、介入する姿勢を示しています。各市町村の相談事業に費用を助成し、市民団体と共同して子どもの相談に乗る体制を整えています。相談事業を行っている機関には、いじめに関する情報が蓄積されつつあります。そして、この情報をもとに、より良いアドバイスが相談する子とも達に提供されています。もし、学校と相談事業が協力できれば、より良いアドバイスが提供できるかもしれません。たとえば、学校は、スマホの携帯を認めます。そのとき、保護者に子ども達の位置情報を、学校が把握できることを認めてらうのです。学校は、相談機関に位置情報を通したソシオメトリーを提供します。いじめにあった子どもが相談機関に相談する場合、子どもを取り巻く状況を正確でなくともある程度把握していれば、より有意義な相談情報を子ども達に提供できるでしょう。
 今の社会では、いじめはあるものと覚悟しておく必要はあります。パワハラやセクハラが新聞紙上に多数出てくる昨今、それに備えることも学校の役目になりつつあるようです。子ども達に対していじめの具体的事例を示して、いじめを回避する授業を行うことが必要です。授業を受けて、いじめを回避する能力を高めておくことが求められます。その学習が、社会に出ても役に立つかもしれません。蛇足ですが、ネットによるいじめは、証拠が残り、事実認定を得やすいのです。ネットによるいじめは証拠も残り訴えることができる材料になります。泣き寝入りをする必要のないのが、ネットによるいじめということになります。記録を取るだけで、いじめの抑止になることを伝えておくことです。学校も子ども達のスマホから、友達関係の情報を収集分析できるようになれば面白いかもしれません。単に生活指導に役立てるだけでなく、学習の向上に使うこともできるようになります。