ファンタジアランドのアイデア

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文明の課題を突破する女性脳の可能性  アイデア広場 その491

2019-08-14 18:10:58 | 日記
 文明の初期においては、女性は採集に従事し、男性は狩りに励みました。食物採取にさいして、毒ではない安全な食材を集める能力を発達させました。男女が力を合わせて、自然に対して闘いを挑んできたわけです。十分な食糧を確保できない状況の中で、人間は少量の食事で生命を保つ特殊な能力を身につけてきたのです。この特殊能力は、食糧確保のリスクのある時代において、生存のメリットになっていました。時が経ち、飽食の時代が訪れました。脂肪中心の食事が出回るようになったために、肥満になる人びとが激増しています。いわゆる文明病です。食べ物が簡単に手に入る世の中では、少量の食事で生命を保つ特殊な能力がマイナスに働くようになったのです。食糧の脅威は克服できたが、人類の中に内部崩壊の芽がでてきたのです。人間の文明を発展の中核に、男性の経験と知識がありました。でも、男性が前面にでるだけでは、解決のできない新しい問題が出現しています。
 過去を振り返ると、人類は男女の能力が上手く噛み合うことで勝ち残ってきました。でも、男性の発言力が強くなり、女性が軽視される状況が長く続いてきました。そのような状況が続く中で、発展してきた男性中心の文明が、変調に陥り始めているのです。一方、微視的にみると面白い現象があります。女性大統領や首相のいる国は、女性の活躍する社会が形成されています。女性の地方議員がが多い市町村では、地域に密着した福祉政策や待機児童ゼロなどの政策が充実しているのです。また、女性が働きやすい制度が構築されています。文明の未解決問題を解決する鍵を、女性が持ち始めているのかもしれません。
 そこで、女性の問題解決能力について考えてみました。女性は子供を出産すると、ワーキングメモリーの処理能力が高まります。子どもが夜泣きをすれば、すぐに起きてミルクやオムツの取り替えをします。短い睡眠にもかかわらず、自身の健康を守り、子どもの成長を確保します。子どもを産むと頭がよくなるのは、人間に限ったことではありません。ネズミや他の動物でも見られます。ネズミは子を産むと学習が早くなったり、エサをとる速度が速くなることが分かっています。目の前に何らかの問題が湧き起こった際に、必要に応じて適切な答えを見つけ、その解決に動いているのです。この優れた能力を出産直後だけでなく、継続的に文明の問題解決に使えないものでしょうか。
 女性は、コミュニケーションに必要な言語能力や共感能力が男性より高いことが知られています。彼女達は、集団の生産力を高めることに必要なコミュニケーション能力を発達させていきます。脳は、右脳と呼ばれる右半球と、左脳と呼ばれる左半球に分かれています。右脳は、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五感から入ってくる情報をイメージに変えることが得意です。左脳は、決断や判断、選択をする顕在意識と直結して言葉や数字、記号をつなぎます。女性性脳の特筆すべき点は、男性脳の数十倍も上手に、「右脳で五感を感じて、それを左脳で考えて言葉にする」ことができるのです。男性脳は、女性脳ほど、「感じて考えて言葉にする」ということが優れてはいないようです。
 左右の脳をつなぐ情報の束は「脳梁」と呼ばれています。女性の脳梁は、男性よりも20%以上太いのです。脳梁が太いということは、左右の脳の連係の良さに繋がります。「脳梁」の太さの違いが男性と女性の感性の違いを生じさせています。女性シニアの集まりでは、話題が途絶えることがありません。次々に、発言者が出てきてます。犬の世話についても、ゴミの処理についても、延々と喋り続けます。その中でコミュニケーション能力が磨かれお互いの理解も深まっていきます。女性脳は共感能力も豊富で、感じたことをしゃべり合えばすぐに仲良くなるようです。喋る中で多くのテーマが話され、結果として地域社会の変化や問題点を把握するのです。男性脳は女性脳に対して、変化に鈍感で共感能力も低い一面があるようです。
 女性は男性の数十倍以上も、「右脳で感じて、左脳で考え言葉にする」ことができます。もし、このことが本当に事実なら大量の問題解決のアイデアをつくり出すことが可能になります。複雑な脳神経回路を手に入れるためには、心を感動させるものに触れ、多様な経験をすることが必要です。この複雑な脳神経回路を持った女性達を集めたらどうなるでしょうか。高いレベルの会話が延々と続き、ペット問題や海洋汚染の問題についての提言が数多く出されるでしょう。このプランは、優れた異業種の女性専門家を数人招へいすることから始まります。この異業種の専門家の中で、お互いの仕事の経験を話したり情報を交換します。異業種にまたがった知識や経験持つことは、適切な課題解決に役立ちます。さらに具体化すれば、優秀な女性の開発グループを作ります。女性脳はちょっと変化にもすぐに気付くという特徴があります。異業種から変化を察知し、自分の業種で利用できる能力もあります。この開発グループは、英知を集める総合的な判断をより高度なレべルにあげることができます。そして、変化や問題点の把握から、多くの問題解決策を提供するグループになるかもしれません。
 現代は、男性の経験や知識、そして好奇心を加えながら文明の進歩を加速化させてきました。でも、海洋汚染にても大気汚染にても、温暖化にしても、その問題を解決する糸口が見いだせていません。秩序や縄張りを維持できなくなったオスは、集団から去ることになります。女性の社会進出が加速化されれば、彼女達の共感能力や変化の感知能力を生かせます。未来の文明の希望を女性託すのは、自然な流れなのかもしれません。