ファンタジアランドのアイデア

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飲食業ではサービスの工夫が求められます  スモールアイデアNO314

2019-08-11 20:36:48 | 日記

 動画や音楽を定額配信するサブスクリプション(サブスク)の波が、飲食店に広がっています。毎月数千円の定額で飲食できると、特定の人達には人気があります。居酒屋やラーメン店に、このサブスクが広がる傾向があります。たとえば、ある飲み放題定額制では、約60種類のお酒が飲み放題「120分」で月4000円になります、通常は1800円ですが、定額制にすれば、月4000円で何度でも利用できるのです。毎日行けば1回130円になるという安さです。晩酌をここですれば、本当に安上がりになります。
 定額制というシステムは、動画や音楽では利用者が増えても、ネット配信ですからコストは増えません。でも、飲食業では利用が何度でも利用されると、食材費などのコストが比例して増えることになります。動画などデジタルコンテンツと異なり、飲食業は利用者が増えるにつれてコストが膨らむという特徴があります。上手く運営するカギは、利用者数と損益分岐点の予測になります。一般に飲食業の売上高は、客の回転率と客単価で決まります。定額制の場合、客単価は決まっています。客の払うお金は定額ですので、契約が多く来店者数が少なければ大きく儲け、たくさん来ると赤字ということになります。それでも、一定数の利用客を安定して確保できる魅力があります。収入は一定なだけに利益の管理が難しく、撤退する店舗も多いようです。
 話は変わりますが、日本人1人当たりの生産性が低いと言われています。日本のサービス業は、国内総生産(GDP)の7割以上を占めます。労働生産性は、サービス業の大半で低いのに対し、製造業では比較的高くなっています。日本を豊かにする方法は、GDPの7割を占めるサービス業において、1人1人の生産性を上げれば良いことになります。
 そこで、日本のサービス業が現在より儲ける仕組みを考えてみました。ある高級店のカリスマ店長は、ずば抜けた販売成績を上げているのです。この店長は店が代わっても、その成績が下がることはありません。好成績の理由は、常連客の個々人に合わせた着こなしを提案していたことでした。以前、購入して貰った高級服に合う服装を、ダイレクトメールで次々に提案していたのです。高級服を、趣味や生き方、そして自分の思いを持って着こなそうとする人々もいます。その限られた人にターゲットを絞り、着こなしを提案していたわけです。顧客については、かなりの情報を得て、的確な提案を繰り返していたと想像できます。サービス業は、値段だけでなく、生き方とか自分の思いなどの要素が重要になることが分かります。
 高級なフランス料理店では、シェフよりフロアスタッフのほうが収入が多いそうです。フロアスタッフが、お客をテーブルに案内し、注文を聞いて、調理をテーブルに運びます。
注文された料理を、シェフが厨房で調理します。有能なフロアスタッフは、お客から要望を聞き、料理とプラスアルファを提供する仕事になります。そのプラスアルファが、カリスマ店長のように生き方や思いを満たすことを提供しているのです。外国では、そのプラスアルファにチップというお駄賃を上げることになります。シェフの力は、フロアスタッフの支援があって、より力が出せるのです。レストランは、料理人とフロアスタッフの協力がなければなりたたない職場ともいえるようです。
 残念ながら、料理のフロアスタッフに関わる人材の育成が、日本の飲食業の中ではまだ十分に確立されていないようです。フランスと違い、サービスに対する意識が習慣として定着していないということです。これは、レストラン側だけでなく、日本人のお客にも言えることです。感謝の表現が上手でなくスマートに心づけを渡せる人、受けとるサービス側も、ともに少数派です。サービスの世界にも、カリスマが多数出現し、サービスが儲かるものと分かるようにアピールしてほしいものです。
 余談ですが、変なホテルが話題になりました。ロボットを多用することで、有名なホテルでした。でも、現在ロボット主体のホテル経営を、軌道修正しているようです。ホスピタリティが重要な要素になるホテル業では、ロボットがいつまでも主役にはなれないようです。ホスピタリティが重要な要素になる産業では、コミュニケーション能力が重要だということです。A I社会の中で、生き残る飲食業は、サービスのカリスマ、プロフェッショナル、ベテランといわれている人達が主役になるようです。これらの人達が、自由に動ける環境を整えることが儲けに繋がります。
 蛇足ですが、食事は気分や趣向に左右されやすいほか、同じものを食べていれば飽きもきます。定額制の場合、飽きさせない工夫が求められます。コンビニでは、お客の視線が、どの商品に向けたかで、嗜好や買い求める商品予測する技術の開発が進められています。幸福感などが、体の微妙な揺れから把握する技術も開発されています。味覚センサーの精度も上がってきました。これらの開発された技術を使ってお客の飽きや好みのデータを蓄積し分析していけば、定額制の店でもお客様に安定して来ていただける店になるかもしれません。