ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

緑のシェアハウスで林業の再生を目指す スモールアイデアNO 287

2019-05-22 17:08:14 | 日記
  
 福島県のいわき市には、小学校の廃校を利用した施設があります。130年前に立てられた木造校舎を、林業振興に活用しているのです。延べ床面積600平方mの木造学舎を、多くの人に楽しんでもらっています。教室や職員室を木工作業場として活用しています。いつでも、だれでも見学に来ても「ウエルカム」ということのようです。廃校の小学校を、いわき市が払い下げ先を探していたのです。そこに、地元の割り箸製造の社長さんが、名乗りを上げました。この施設は、これからシェアオフィスとしての活用や宿泊できる機能も充実させるとのことです。2024年度から森林環境税として、国民1人あたり年1千円徴収されることになります。森林に関する事業に、年間600億円の税金が使われるということです。おそらく、日本中で林業を振興する事業が、展開されるいくことになるでしょう。事業を行う場合、単に税金が使われるだけでは楽しくありません。その税金を使うことにより、地域に流通するお金が増えて、地域の人びとが豊かになる仕組みができれば楽しくなります。
 そこで、林業を通して地域が豊かになる仕組みを考えてみました。先進国の中で、日本はフィンランドとスウェーデンに次いで3番目に高い森林面積の比率を誇っています。フィンランドは、林業が盛んで国に利益をもたらしています。日本は戦後植林したスギやヒノキが成長して、伐採の時期を迎えています。蛇足ですが、木材は、どの国も不足する傾向が続いています。世界中で不足する中で、木材に余裕のある国はなんと日本なのです。日本は、森林大国です。我が国の森林は、若齢段階と成熟段階のものが最も多いのです。この段階の森林は、生産性がピークにある樹木なのです。自慢話はここまでにして、残念なことがあります。この豊かな森林を、有効に活用できない現状が日本にはあったのです。
 日本は、林業に関する長い伝統と高い技術力に裏打ちされた、数多くのコンテンツが存在していました。その中には、良いものも悪いものもあります。林業は、奈良・平安の時代から、明治・昭和にいたるまで売り手市場でした。江戸時代の風景画を見れば分かるように、裸山が多数ありました。その風景は、木材を極限まで利用した証ともいえるものなのです。木材があれば、町の人は喜んで購入しました。木材がいつ納入されるか、値段はいくらかということは、その時々に決められていました。でも、戦後の高度成長期になると、納入時期や値段が明確でない製材所との取引を、企業は止めていったのです。外国産であれば、安く納期を遵守して納めてくれる仕組みができるようになったからです。1979年17000あった製材所の数は、2009年には7000を切る状態になりました。国産の林業が、衰退する流れができてしまったのです。
 外国産の木材が大量に入り、国産材の利用は減っていきました。それにつれて、林業に従事している人達も山から去って行きました。木材の需要が減り賃金が下ががると、林業従事者の質は落ち、森林が荒廃するという悪循環になったのです。でもここに来て、日本の和風様式が見直されてきました。3000万人という外国人旅行者が、日本文化に関心を示すようになったのです。その一つに、和風旅館や神社仏閣の建物があります。
 そこで使用されている大口径で無垢のスギやヒノキなどが、絶賛の対象になっているわけです。外国人から評価されて、悪い気持ちになるはずがありません。日本人も、日本の暮らしを支えてきた林業や木に触れる暮らしの豊かさを後世に伝えたいという意識が高まります。政府は2024年度から、国民に科します。上手にこの森林環境税を使っていく工夫が必要です。
 いわき市の廃校を利用した施設のように、「緑のシェアハウス」を作る案を考えてみました。ユースホステルを参考にしていただければ分かりやすいでしょう。日本各地にこのシェアハウスを作ります。この施設や周辺には、バイトでもパートでも森林関係の働く場を設けておきます。そこで働きながら、日本全国を巡ることも可能にしておきます。オーストラリアなどで、農場で働きながら食事と泊まる場所を確保して、旅行するする形態と思い出していただければ良いかもしれません。日本人でも良いし、外国人でも、日本を1周したころは、日本の林業についての知識が身に付いているという仕掛けです。森の生産性や環境保全は、そこで働く人たちの知恵によって決まるものです。働く人の姿を少しでも身近に見られる機会を作り、理解者を増やしていくことです。理解者を増やすことで、日本の林業を側面から支援していきたいものです。