ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

スキマ作業・AIとロボット・費用対効果  アイデア三題噺 234

2019-05-16 17:05:32 | 日記

 近未来の2100年以降、ほとんどの仕事は、人工知能(AI)やロボットが遂行していくことが予想されます。現在は、自動化の間に入る「スキマ作業」を人間が請け負うという形の省力化が主流です。回転寿司の握りはロボットが自動的に行います。でも、ネタを形良く切ったり、味付けをしたりするのは人間の仕事になっています。いずれ、AIセンサーが高度化し、刺身の切り口や形を学習してしまえば、人間並みの寿司をお客に提供できるようになるかもしれません。掃除機のルンバにしても、効率的に使うためには、動きやすい空間を人間が作る必要があります。いずれ、高所のゴミも小型ドローンがハタキのように落として、それをルンバが吸い取るように進化していくかもしれません。現在、人間とロボットの共同作業が行われています。AIの進化とロボットの進化により、徐々に人間の仕事が奪われていることになるようです。
 そこで、AIやロボットに置き換わる過程でどのような問題が出てくるのかを考えてみました。変なホテルで有名なハウステンボスは、ロボットの導入が盛んでした。最盛期には、27種類233体ものロボットが働いていたとされます。このロボットは、1台500万~800万円と決して安くはありませんでした。1人の従業員を雇用すれば、給料や社会保険などの費用が500万円程度かかります。これをロボットに帰れば、2年目から人件費がまるまる浮くと計算をしたのです。当時、ハウステンボスのホテルは、144室で年間3~5億円の利益を出していました。この状況から、経営者は、1店舗100室の変なホテルを、3~5年で100店に増やそうともくろんでいました。1店舗を100室と少なく見積もっても、2億円の利益が出ると計算していたようです。でも、現在ロボット主体のホテル経営を軌道修正しているようです。営業の過程で半数のロボットを解雇しているとの報道もあります。ホテルというホスピタリティが重要な要素になる産業では、コミュニケーション能力のないロボットがいつまでも主役にはなれないのかもしれません。
 製造業ならば、ロボットにコミュニケーション能力は必要ありません。ロボットの場合、24時間操業が可能のために、8時間労働の人間の3人分働けます。そして、土日の休みも必要がありません。有給休暇も取りません。ロボットの休業日は、検査や修理のときだけです。技術の進歩により、AIの性能も向上し、ロボットの動きも滑らかになり人間らしくなってきています。これらのAIとロボットを企業が、人間に代えて採用するかどうかは、費用対効果の視点からになります。企業が人手を機械に代えるか否かは、技術的に可能かどうかではありません。機械が賃金よりも高かったら、経営者は人間をそのまま雇い続けるのです。
 余談ですが少し前まで、コンピュータ囲碁大会が行われていました。この大会にアルファ碁は参加しなかったのですが、1位が中国の「絶芸」、2位が日本の「デープゼンゴ」でした。この1位と2位は、ずば抜けた力を持っていました。ある人達から、この囲碁大会で4位になった日本の「AQ」に、注目が集まりました。「AQ」は1人の愛好家が、たった6ヶ月という短期間で、一定の性能を発揮するようにしたものです。プロの棋士を破ったグーグルのアルファ碁は、運用コストが3年で40億円になります。アルファ碁の開発には多くの技術者が関わり、かつ数年かかって創り上げました。この開発費や研究者の給料を含めると、運用コスト以上の金額を使っているのです。絶芸」も「デープゼンゴ」も、かなりの運用コストがかかりました。でも、。「AQ」は、少ない運用コストと開発費で一定の性能を発揮したのです。コンピュータ囲碁大会の成績は、速さと強さ、そして費用対効果のヒント与えてくれます。AIやロボットをを使う場合、運用コストや開発コストを超える利益を上げることが求められるわけです。