ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

60万人の引きこもりをなくす地道な工夫  アイデア広場 その 465

2019-05-05 17:16:33 | 日記

 40歳から64歳の中高年の引きこもりが、61万人にのぼるという報道がありました。小さい時から自分で判断して、行動をする習慣ができていなかった人に見られる傾向のようです。良い社会人であろうとして、まわりを気にして仕事をしていれば疲れ果ててしまいます。自主的に判断をして、仕事をこなすスキルは経験から身に付くものです。訓練なしに自分自身の生き方が求められると、いろいろな課題を乗り越えることができなくなります。自分なりに活動して、考えて、判断できる、そういう学びの基礎は、幼児期に培われます。幼児期に、親のいうことをそのまま聞いて、「お利口さん」で過ごしていれば、自分の判断ができなくなります。思春期頃になって自分の意見を述べなさいと言われても、℃して良いか分からない子どもになってしまいます。これは、中高年だけの問題ではなく、現実に不登校の小中高生のや40歳以下の青年や壮年にも見られる現象です。
 そこで、自主性や自立的行動をどのように培うのかを考えてみました。遊びに集中する経験を積み重ねることで、子どもは大きく育っといいます。子どもは、遊びの中で自己判断をしながら成長していくものです。子ども自ら行う活動は、盛り上がって楽しいものになります。遊びという活動は開始してから、時間の経過とともに気持ちが盛り上がっていきます。例えば、子どもがパズルやお絵かきに夢中の時、話しかけても、子どもは話を聞きません。活動に夢中になっているのです。活動はピークに達し、意識は高いレベルで集中しています。このような質の高い経験を多くした子どもが、自主性や自立的行動を身につけていくわけです。試行錯誤している途中でお母さんが手出し、口出しすると子どものやる気がなくなります。ある意味で、子どもの未来を奪う行為になるのです。話しかけるタイミングは、子どもが一息ついた時や、作業を完成させた時がべストになります。
 とは言え、最初から全てに熱中するわけではありません。歯磨きは良いことだと分かっていても、なかなか習慣化しません。言葉で「歯磨きしようね」と指示するだけでは、子どもはスムーズに動きません。子どもは、分かることやできることには、スムーズに取り組むものです。親や教師は、子どもの能力や性格を考慮しながら、できることを数多く行わせるスキルを持つことが必要です。できる課題を成就し、成功体験を増し、やる気が出てきます。歯磨きの習慣化では、マグネット版に、ご飯や歯磨きなど、子どもにしてほしい項目を書きます。このような項目が明示されていれば、子どもは目で理解し、自ら身支度をするようになります。項目は、イラストにすると、子どもは理解しやすくなります。文字だけではなくイラストも添えて、子どもに行動のイメージを伝えるわけです。
 保育園での遊びは、子どもたちがいくつかの遊びグループにわかれて遊んでいます。遊びのグループは、導入、頂点、終末が不規則に進行していくものです。理解力には、個人差があります。すぐ理解する子もいますが、時間がかかる子もいます。グループの中には活動のピークに差しかかつているグループもあれば、もうすでに遊びが終末になっているもあります。このいくつかのグループの活動を、一斉にやめさせてば、せっかく集中しているグループの子どもにはやる気がそがれてしまいます。親も教師も、切り替え時には子どどもの気持ちに無理させずに切り替えさせていくスキルや知恵を身につけることが求められます。子どもたちの活動や気持ちの状態を的確に把握することは、親や教師の一つのスキルなのです。家庭や保育園では、どうしても大人の都合で、時間通り進める流れになっています。大人に合わせることに過度に強要すれば、子どもの自立性を奪うことにものなりかねないことを理解することです。
 余談ですが、フィンランドでは「犬を飼っている人は子育てもうまい」と言います。お座り、伏せ、待てなどシンプルなルールを守らせることに慣れているからです。子どもに守らせるルールも、シンプルなものです。早寝早起き、朝食を取り、保育園や学校へ時間を守っていく習慣の形成になります。守らせることで大切なことは、統一性のある注意です。荒れている家庭や学校では、ダブルスタンダードが横行しています。これが横行すると、子ども達は不公平感を持つようになります。家庭の習慣を破って、保育園や学校から乱暴な言葉や行動を、持ち帰る子どもの姿を見かけます。家庭に不満があるときによく見られる光景です。学校の「○○ちゃん」のせいだという前に、家庭の状況を点検した方が良いかもしれない事例です。
 蛇足ですが、子ども達ががんばったり楽しんだりするには、体や心のエネルギーが満ちていないと難しいのです。家庭が円満であれば、このエネルギー補給は、万全ということになります。