早起き鳥 

【未明混沌】今日も必ずお元気で…!

rakuten

白鳥達よ!さあ殺してくれ...!

2014年04月07日 04時02分20秒 | 読書









ある朝、子家鴨は

自分が沢地の蒲の中に

倒れているのに気がついたのでした。


もうあたりがすっかりきれいな

春になっているのを知りました。

何もかも春の初めのみずみずしい

色できれいな眺めです。


このとき、近くの水草の茂みから

三羽の美しい白鳥が羽をそよがせながら、

滑らかな水の上を軽く泳いで

あらわれて来たのでした。


子家鴨はいつかの

あの可愛らしい鳥を思い出しました。

そしていつかの日よりももっと

悲しい気持ちになってしまいました。


「いっそ僕,あの立派な

鳥んとこに飛んでってやろうや」


と彼は叫びました。

「そうすりゃあいつ等は、

僕がこんなにみっともないくせして

自分達のそばに来るなんて

失敬だって僕を殺すに違いない。」


そこで子家鴨は急に水面に飛び下り、

美しい白鳥の方に,泳いでいきました。


「さあ殺してくれ。」



  「醜い家鴨の子」 アンデルセン 著

     





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長い長い時間ずっと

虐げられてきた子家鴨

クライマックスシーン

このシーン、なんど読んでも

涙が止まらない


ここに至るあまりにひどいイジメ

もうたまらないのである


クライマックスといっても

さほどたいしたシーンではないけれど

あまりにもひどすぎる今までの

イジメあり、パワハラあり

セクハラ、モラハラ、差別、虐待


何でもありのイジメのデパート

苦しんで来た子家鴨


最期はまさに自爆テロ

こんなにも切ない

クライマックスシーンは見た事がない


そして次の瞬間

自分自身がその最も美しい

白鳥である事を知るのである


このドラマは子供が読む絵本じゃなく

大人が読むベストセラー文芸作品



     早起き鳥








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