たった 一ぴき、
ねこに みむきも しない、
白い 美しい ねこが いました。
ねこは、白いねこの そばに いって
「おれは、100万回も しんだんだぜ!」
と いいました。
白いねこは、
「そう。」
と いったきりでした。
ねこは、すこし はらをたてました。
なにしろ、自分がだいすきでしたからね。
つぎの日も、つぎの日も
ねこは 白いねこの ところへ
いって、いいました。
「きみは、まだ 一回も
生きおわって いないんだろう。」
白いねこは、
「そう。」
と いったきりでした。
「100万回生きたねこ」 佐野洋子 著
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この物語のクライマックスシーン
ねこが出会う全てが
きらいだったのに
はじめて心動くものに
出会ったようである
それはしろいねこ
100万回生き死にを
経験して来た自分のことを
「それがどうしたの」
と言わんばかり
そんな白いねこに
こころひかれ始めたねこ
経験豊富なねこの目には
それはそれは美しいしろいねこ
でもその出会いは100万回
生きて来た値打ちがあったのかも
そして初めて自分以外のものを
好きになった瞬間
一回目に白いねこに
出会えたらよかったのに...!
早起き鳥
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