ある朝、子家鴨は
自分が沢地の蒲の中に
倒れているのに気がついたのでした。
もうあたりがすっかりきれいな
春になっているのを知りました。
何もかも春の初めのみずみずしい
色できれいな眺めです。
このとき、近くの水草の茂みから
三羽の美しい白鳥が羽をそよがせながら、
滑らかな水の上を軽く泳いで
あらわれて来たのでした。
子家鴨はいつかの
あの可愛らしい鳥を思い出しました。
そしていつかの日よりももっと
悲しい気持ちになってしまいました。
「いっそ僕,あの立派な
鳥んとこに飛んでってやろうや」
と彼は叫びました。
「そうすりゃあいつ等は、
僕がこんなにみっともないくせして
自分達のそばに来るなんて
失敬だって僕を殺すに違いない。」
そこで子家鴨は急に水面に飛び下り、
美しい白鳥の方に,泳いでいきました。
「さあ殺してくれ。」
「醜い家鴨の子」 アンデルセン 著
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長い長い時間ずっと
虐げられてきた子家鴨
クライマックスシーン
このシーン、なんど読んでも
涙が止まらない
ここに至るあまりにひどいイジメ
もうたまらないのである
クライマックスといっても
さほどたいしたシーンではないけれど
あまりにもひどすぎる今までの
イジメあり、パワハラあり
セクハラ、モラハラ、差別、虐待
何でもありのイジメのデパート
苦しんで来た子家鴨
最期はまさに自爆テロ
こんなにも切ない
クライマックスシーンは見た事がない
そして次の瞬間
自分自身がその最も美しい
白鳥である事を知るのである
このドラマは子供が読む絵本じゃなく
大人が読むベストセラー文芸作品
早起き鳥
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