トンネルの向こう側

暗いトンネルを彷徨い続けた結婚生活に終止符を打って8年。自由人兄ちゃんと天真爛漫あーちゃんとの暮らしを綴る日記

知りたくない

2006-10-26 20:12:08 | 元夫婦
ある朝 夫が仕事に出かけている間に友達と趣味の手作りをしていた
すると電話がなった

出てみると低い声の男の人で「○○さんはいますか?」と夫の名前を言った
男の人の後ろでは同じように電話を掛けている声が聞こえた

心が凍りついたように痛くなった
「今、仕事に行ってます」
「仕事ですかぁ。分かりました」と電話が切れた

異変に気がついて友達が「どうした?」と聞いた

「わかんない。男の人がお父さんいますかだって・・・」
「借金取りか?」と鋭い指摘をする
「まさか!」と言葉を濁した

昼を過ぎてまた同じ男の人から掛かってきた
「○○さんいますか?」
「さっきの方ですね。どちら様ですか?」
「■会社です」聞いたことのない会社だ
「どういうご用件ですか?」
「いえ。またかけます」と切れた

心が震えて止まらなかった
友達が「また同じ人?」と心配そうに聞いた
「うん。恐い。なんだろう。■会社だって」思わず本音を漏らしてしまった

友達は痺れを切らしたように「パソコンで調べてみなよ」と言った
友達に背中を押されるようにパソコンに名前を入れて検索してみた
金融会社だったら。怪しい会社だったら。。。
祈るように画面を見つめた

ヒットした
なんとセキュリティー兼用の探偵みたいな会社だった
「なにこれ?お父さん探偵でも雇ったのかな。ちっこ疑われてるの?」と友達

冗談!疑っているのは私の方だよと心で叫んだ
「なんだろうね。。。意味わかんないね」途方に暮れた
「旦那に聞いたほうが早いよ」と友達は笑いながら言った

そうだね。と言って夫にメールした
夫から電話が来て「あー!!ずっと前に探偵会社独立しませんかの資料請求したんだよ。今頃かよ!!」と大笑いで答えた

へなへなと緊張が緩んでいった

夫が研修で地方に出かけて行った
夫がいつもタバコを吸っている部屋を掃除していた
新聞を纏めていると一枚のメモが出てきた

チラッとみると見慣れない会社の名前と車の修理だと言って持って行った
お金と同じ代金が書いてあった

心臓が早鐘のようになって苦しくなった
車の修理はもう絶対嘘だと分かっていた
こうしてはっきりと疑惑が現れると私は平静を保てない

うろうろと家の中を歩き回り意を決してまたパソコンに会社の名前を入れてみた

ヒットした。
そこにはファッション会社の名前が書かれていた
そのホームページを良く見ると夫が行っている場所で営業スキルアップの講習会の案内が書かれていた

夫は自分のフランチャイズの講習会の他に別の講習会も受けるつもりだったのだろうか?
それならなぜ?修理代などと嘘をついたのだろうか?
本当にそのためのお金なのだろうか?

意味不明。。。
真実は夫のみが知っている
確かめる気がしなかった

昨日、電話が鳴った
ナンバーディスプレイに見慣れないナンバーがでた
私は鳴り続ける電話を見つめたまま受話器をとる事が出来なかった

「もう。何も知りたくない」そう思った

何も知らなければ心は穏やかでいられる
夫のタバコの部屋ももう入りたくなかった
用事があっても必要な物だけ取ったら急いで部屋をでた

何かを知ってもう振り回されたくない
何かを知ればたとえ小さなメモでも一喜一憂して私は心が潰れそうになる

もう耐えられない
それなら何も知らないほうがいい

知らずにいれば夫に笑顔で「お帰りなさい」も言える
怯えに負けて子供に当り散らす事もない

私はまだ強くない
知らずにいる事で何かが悪い方向に向かっていくのかもしれない
でも知ったとしても物事がいい方向に向かうとも思えない

私は知らずに流れるままに行き着くことを選ぶことにした
心穏やかに自立を目指したいと思った

今日も聞いてくれてありがとう







最新の画像もっと見る

8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ドキドキしました (ひま)
2006-10-26 23:09:59
読んでいて私までドキドキしちゃいました。



ご主人の事信じたいけど信じられない・・・

そんな気持ちが痛いほど伝わりました。



疑心暗鬼になってしまう・・・仕方の無い事ですよね。

今までが今までで・・何回も裏切られてきたから・・・



ご主人、早く帰って来られると良いですね。

ホッとできると良いですね。
あった。 (ルル)
2006-10-27 08:07:26
わたしも、メモとか発見しちゃってどうしようもなくなった事ありました。

ひとつ見つけると、まだあるんじゃないかと探っている自分もいて、

どんどん深みにはまっていくの。

知ってもいい事なんか何もなかった。

自分の気持ちだけがグラグラとして心が保てない。

難しい事だけど、嘘だと分かってても嘘が本当だと信じるしかないんだよね。
ダンナが (ねね)
2006-10-27 09:09:52
安心をくれないと不安定になっちゃうよね。私は寂しいことかもしれないけど元気を家族にわけ与える専門みたいな形にしてる。書くとちょっとイメージ暗いかもしれないけど。。。もちろん家庭にも癒されてるんだけど。。。私が無理せず穏やかで落ち着いていれば家族も安定してるのは確かなんよね。勘違いかもしれないけど今はそんな気持ちなんだよ。いつもありがとo(^-^)o
ひまさんへ (ちっこ)
2006-10-27 15:03:34
夫に対して疑うという癖がついてしまって

もうどんなに時間がたっても夫を信頼していた頃には戻れないと思います



それでも無事に研修から帰ってきて

楽しそうに話してくれる姿にどこか救われてしまう自分がいます



何も知らずにいられたら、こんな風にずっと笑っていられる、いつか恐ろしい結果が待っているかもしれないけれどその日まで笑っていられたらそれで良いじゃないかと思えてしまうのです



自分は自分でいつでもその時の準備を怠らず

夫を手放せるように心を強くしていきたいと思うのです



優しい言葉をかけてくださってありがとう

ルルさんへ (ちっこ)
2006-10-27 15:08:00
ルルさんの言うとおりです

ザワザワと心が騒ぎ出すと常識も理性も

どこかへ飛んでいってしまうのです



真実を知った時には既に心はボロボロなのです

信じようという気力すら残っていません

出来事事態がなかった事にしたいくらいです



何も聞きたくないし

何も考えたくない

ただ自分の事だけ頑張っていたい気持ちです



分かってもらえてとっても嬉しかったです

ありがとう

ねねさんへ (ちっこ)
2006-10-27 15:11:32
ねねさんには私の心が見えているのかなって思う事がいつもあります



私が真実を暴こうとムキになっていると家の中がギスギスとしていくのです



この家庭が何処まで続くのか分からないけれど

笑っていたい。少しでも穏やかでいたい。

そう思うのです



知らずにいれば夫にも心から笑顔を贈れるのです

その見返りももう期待する気もおきない

ただ自分が笑っていたいんです



きっと私もねねさんと同じ気持ちだと思います

ありがとう
そうそう! (メープル)
2006-10-28 08:58:00
私もね、1年前同じようなことありました。

http://happy.ap.teacup.com/maplebeniko/138.html

http://happy.ap.teacup.com/maplebeniko/139.html



結局、私のその行為(旦那行動をチェック)は、鬱のきっかけになりましたが、私自身に「誰のためにミーティング言ってるの?」というハイヤーパワーからのメッセージだったと今は思っています。



ちっこさんが、「自分」で「知りたくない」と感じたという事は、「成長」「回復」を感じました。私もちっこさんのように「自分はどうしたいのか?」をちゃんと感じていきたいです。

メープルさんへ (ちっこ)
2006-10-29 18:12:14
知りたくないと思ったことが「回復」と言ってもらってちょっとビックリしました



これって逃げに走っているのかな?とか

思ってしまっていましたから



知りたくないって思いも私自信のどうしたいかと言う気持ちに応えた事になるんですね。



気づかせていただきました

ありがとう

コメントを投稿