トンネルの向こう側

暗いトンネルを彷徨い続けた結婚生活に終止符を打って8年。自由人兄ちゃんと天真爛漫あーちゃんとの暮らしを綴る日記

怒りの問題 3

2006-08-08 14:31:05 | 共依存症
私はこんな嘘ばっかりつく父親やアルコールで問題ばかり起こす舅を見ていたら
子供にも影響が出るんじゃないかと心配していた
でも、自分を振り返って感じる事は
依存症の家族の連鎖は夫の依存症から子供へ連鎖するんじゃなくて
夫から妻へ、妻から子供へと連鎖していくんじゃないだろうか

息子が心に深い傷を負っていると知って凄く悩んだ(盗癖で書いてある)
悩んでいたけれど私は自分の怒りが間違って息子に向かっているとは思っていなかった

息子へのしつけが厳しすぎた事が原因だと感じていた
八つ当たりしている事に気がついていなかったのだ

「夫のような大人になって欲しくない」
「舅のような大人になったらどうしよう」と言う不安からつい厳しくしてしまった

自分が共依存症だと気がつき初めた頃だったので、息子をコントロールしようとする所もいけないんだと反省した

優しく、褒めて、大きなマスクをしてガミガミ指図せず、子供の声に耳を傾ける
そんな育児をしようと頑張った

息子は砂に水を染み込ませるように、元気になっていった
その事がとても嬉しかった反面、私の中の怒りは増大していった

いかに今まで心に溜め込み息子へその怒りを吐き出していたかを思い知らされた

でももう息子を傷つけたくない。その決心だけは揺らぎなかった
ブログを開設し自分の中に溜まっている怒りを文字にするようになっていった

相変わらず女の子は怒ってはロープでぶら下がる事を繰り返していた

夫の借金が発覚して私は強くなりたいと思った
ただ泣いて身の不運を嘆く自分を捨てたかった

夫の借金や今までの嘘を知ってもの凄く傷ついたけれど、怒りよりも自分を強くしたい思いでいっぱいだった

借金の整理もしてめどが立ち始めた先日の事

電話が鳴って出ると退職金が振り込まれた銀行からだった
「住宅ローンのお支払いを見直しませんか」といきなり言われた

「はあ?うちは住宅ローンはしてませんけど」と言うと
「失礼致しました」と切れた

私が「住宅ローンだって。変なの。うちは住宅ローンなんてしてないのにね」と言うと
夫が「住宅金融公庫の事じゃないの」と言った

私の頭の中にはローンという言葉でパニックになっていた

・・・なぜ借りてもいないのにそんな電話が来るんだろう・・・
今夫は金融公庫って言った?まさか金融公庫を借りているんじゃ・・・
頭に疑惑が湧くと止められなかった

急に黙りこくった私に夫は
「なによ!なんかあんのかよ!」と怒った

「納得いかない。何で銀行から住宅ローンの電話なんか掛かってくるの?」
「しらねーよ。退職金入ったから電話してきたんだろ!」
「だってうちは住宅ローンなんてしてないじゃない」

「しらねー!!!!電話でも何でも掛けて聞いてみろ!!!!」

私の中の女の子がゆっくりと起き上がり何かを叫ぼうとした瞬間

「納得いかないから聞いたんだよ。これからはあやふやにしないって言ったはずだよ」女の子が言う前に自分の口から言葉があふれた

「私はあなたを信用しない。そう言った筈だ。誤解なら誤解なりの説明をすればいいじゃないか。そうやって私が疑ってばかりいる卑しい人間みたいに
私の事を2度と見るな!
あなただって覚悟の上の筈だ。」

夫はいきなり隣の部屋へ行き自分の荷物をまとめ始めた
「お前はずっと我慢してきたって言いたいんだろ!俺が出て行けば収まるんだろ!」

「それが、あなたの結論なの?ちょっと時間が経ったからってすぐ信用を取り戻せるとか思っていたの?我慢してきたさ。どれだけ私に嘘ついて私を傷つけて来たのか分かる?私は止めない。あなたを疑う事を止めない。私だって疑い続けて暮らすのは辛い。
でもやり直すって決めたから私はそういう事も受け入れる覚悟だったさ。
あなただってそれくらい覚悟を決めていると思っていたよ!
出て行く気もない癖に人を試すような事するな!!!」


夫は静かに部屋を出て行った

後は涙が止まらなかった
夫の借金が発覚してから涙は流さないと決めていた
でも後から後からあふれて止まらなかった

十分くらいして夫が戻ってきて
「ごめん。住宅ローンなんて本当に知らないんだ。退職金で大きい額が入ったからきっと銀行のセールスみたいなものなんだと思う
電話して聞いてみても良いから。疑われて悲しかったんだ。
お前を卑しいなんて思っていないから・・」そう言った

「分かってくれれば良いよ。私はもう変わらないから。
疑問が湧けば何度でも説明を求めるつもりだから。」

「わかった・・。ちゃんと説明するから」

夫はちょっと頭冷やすと言ってタバコを買いに出て行った
気が抜けたようにそこから動けなかった

私はずっとこうやって怒りたかったんだそう思った
自分で自分の気持ちを伝える事ができた
たとえそれで夫婦が駄目になったとしても、たとえそれで夫がやけを起こしたとしても、それでも良いと思った
それで夫が出て行くことになっても後悔しない

だって言いたかった思いを伝える事が出来たのだから

いつもの様に心の中からギシギシという音が聞こえてきた
私はゆっくりと女の子の首からロープを解いた

もう良いよ。自分の怒りは自分で責任を持つから
だからもう良いよと女の子に呟いた
(終わり)


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6 コメント

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ホントいっぱい我慢してきたよね (ねね)
2006-08-08 16:07:19
でもダンナさん、話してわからない相手じゃないんだよね。おめでとう(って言っていいのかな?)なんか読んでてホントよかったねって思ったから。。。
一歩一歩 (ルル)
2006-08-08 21:52:11
確実に何かが変わってますよね。

旦那さんも、静かに話せば

冷静になって聞いてくれるのかも知れませんね。

たぶん・・・ (nao)
2006-08-09 06:01:35
いちばんホッとしたのは女の子かな。

ちっこさんの中の女の子はちっこさんの心のバランス

を保つのに必要な存在だったんだと思います。



感情を出す事って難しいです。

でも、それを受け止めてくれる人がいるのなら素直にぶつけたい。

そうしていく中でコントロールを覚え、感情論ではなく、会話が成立するようになるのかなって最近思います。



小さな女の子、お疲れ様。
ねねさんへ (ちっこ)
2006-08-09 10:28:12
夫に伝えられて自分でも良かったなって思います



今までも伝え続けてきた筈なんですけど一番言いたいことが言えて本当にスッキリしました



夫は結構ショックだった見たいですが・・・



ねねさん、いつもありがとう。
ルルさんへ (ちっこ)
2006-08-09 10:30:37
私を主語に持っていく伝え方をするようになってから夫に話が伝わるようになった気がします



でも今は夫がどう感じたかじゃなくて自分が

どう伝えられてそれで自分がどう感じる事が出来たかを大切にしたいなと思っています

naoさんへ (ちっこ)
2006-08-09 10:33:31
実は私も女の子を解放できてホッとしました

何年も当たり前のように心の中に住んでいた女の子



本当に今までありがとうっていう感じです



私も少しは進歩してるのかなと思いました

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