トンネルの向こう側

暗いトンネルを彷徨い続けた結婚生活に終止符を打って8年。自由人兄ちゃんと天真爛漫あーちゃんとの暮らしを綴る日記

嫌だった事

2008-01-22 21:36:22 | 元夫婦
会社の退社時刻が近づいて来た頃

「今日はケーキでも買って帰ろうかな」とふと思った。

『わぁ。何、買って来たの?ご飯食べてから?見るだけでも良い?』
小さな目をキラキラさせて子供達が喜ぶ顔が頭に浮かんで、
思わず口元が緩んだ。

そういえば元夫もよくシュークリームとか大福とか買ってきた。
子供達が喜んで駆け寄って行くと
「お母さんに聞いてからだ」と私をチラチラ見ていたのを思い出す。

元夫もこんな風にみんなの喜ぶ顔が見たいと思っていたのだろうか。

私はいつも無理に作り笑いをしていた。
だってそのお土産のお金はその朝に元夫がなんらかの言い訳で持ち出した
お金で買ってきたと知っていたから。

元夫はそういう人だった。
私からお金を無心してはそのお金で借金を払い、余ったお金でお土産を買ってくる。

それがあまりにもあからさまでとても嫌だったのを思い出す。

初めて元夫にお金を無心されたのは
結婚する前の事だった。

婚約も決まった頃夜遅くに電話がなった。
『大変だ。会社の鞄をなくしてしまった、明日中に5万用意しなくちゃいけないんだ。用意できるだろうか?』

今までそういう金銭トラブルに巻き込まれたことのなかった私は
すっかり動転してしまい、元夫に5万を工面したのだった。

お金はすぐ返すと言っていた。
でも次の日になっても、その次の日になっても返しにはこなかった。

そして何日かたって、私の誕生日に元夫はバラの花束を私の歳の数だけ買って持ってきたのだった。
バラは用意してもお金は返してはくれなかった。

複雑な気持ちで私はその花を受け取った。

それから何日たってもお金を返してくれる様子もなく
お金の事を聞くと
『だって、バラあげたじゃん。あれは高かったんだよーー(泣くまね)」をして
話をはぐらかそうとした。

「あのね、お金は困っているだろうと好意で用意したんだよ。
すぐに返すのが普通だと思うけど」と言うともの凄く不機嫌な顔をして
『分かったよ』と言ってお金をお財布から出した。

とても嫌な気持ちだった。

元夫にとって借りた時点でそのお金は元夫のものになってしまうのだろう。
だからどう使おうと自由だ。
そのお金でプレゼントを買ってやったんだから喜べ。そういう意味だったのだろうか。

最近、ふとした場面で元夫との出来事が鮮明に思い出される。
忘れていられるのは仕事をしている時と家で子供達と騒いでいる時だけ。

眠れば元夫が夢に出てくる。
『もう、止めない?』と家に上がりこんでなかなか帰ってくれない。

目が覚めて『もう、止めない』の意味を考える。

そして、「絶対、止めない」と声に出して起き上がる。
とても疲れる。

怒りの時も過ぎつつある。
思い出の洪水に押しつぶされそうな日々に突入している。

これも、全てを受け入れ、受け流していく為の過程なのだろうか。



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ご結婚前から兆候があったのですね。 (qtcrq102)
2008-01-22 22:51:39
ちょっとびっくりしました。本当にそのような人がいるなんて...。
シュークリーム等のお土産やバラを買う事で、自分の中の罪悪感を解消していたのかも知れませんね。喜んで貰うより、自分の中の罪悪感を消すのが優先だったんだと思います。
上手く表現できませんが...。

僕も思い出の洪水の中にもがき苦しんでいます。
僕の中にある自己破滅により、元妻の幸せや、子供達に父親のある家庭を奪ってしまった。
僕のブログにも夢の事を書きましたが、本当に辛いですね...。
ちっこさんとは立場が違うけど...

子供達とのささやかなひと時を大切に、心穏やかに暮らし日常を過すことで、過去を受け流して行けると思います。

すみません。

やはり上手く表現できません...。

ただ辛い気持ちわかります。









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Unknown (ほのはるまま)
2008-01-23 00:22:21
朝起きても、疲れているのは非常にしんどいですね。

嫌な思い出も、苦しい怒りも早く風化していけばいいですね。

お金って持ち主の人格までも変えてしまうだなぁ。って数年前から私も実感しています。

子供さんたちと楽しい事を沢山して素敵な思い出が心から溢れ出して嫌な思い出など流しだして下さいね。


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qtcrq102さんへ (ちっこ)
2008-01-23 18:21:55
そうですね。

元夫の中の罪悪感を和らげる為に
していたのかもしれません。

qtcrq102さんはお子さん達と離れてしまったけれど
こうしてご自分と向き合い、しっかりと歩もうとなさっている。
その姿はいつか子供達の心を温める事になると思います。

『お父さんも頑張っているんだな』って。。
遠くからでも愛情は沢山あげられると思います。

いつか「あんなこともあったなぁ」ってどんな
思いでも受け入れられるようになると良いですね。

お互いに頑張りましょうね。
気持ちを分かっていただいてありがとうございます。
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ほのはるままさんへ (ちっこ)
2008-01-23 18:28:50
夢ってリアルすぎて嫌ですよね。
目が覚めて『大丈夫、もうあの人はいない。ここは安全なんだ』って自分に言い聞かせる朝が何度もあります。

お金に振り回され続けていた私もまたお金によって
人格を支配されていたかもしれません。

変わってしまった生活が今は当たり前の毎日になったように、時間は流れて嫌な事も流れてしまうと良いなって思います

優しい言葉をありがとうございます。
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