トンネルの向こう側

暗いトンネルを彷徨い続けた結婚生活に終止符を打って8年。自由人兄ちゃんと天真爛漫あーちゃんとの暮らしを綴る日記

同じ血が流れている

2007-05-13 20:09:58 | 子供
「お兄ちゃんにはあの爺ちゃんの血とあの父親の血が流れているんだから、しっかり分からせておかないとあんたこれから大変だよ」
母は息子の話しになる時いつも元夫の家系の血の話をする

母は昔から血に拘る
私達兄弟が父と似たような行動を取ると
「あんた、父さんみたいになるよ。あんた達には父系の血が流れているんだから。」と脅かされた。
いつしか血という物が人生や人格を左右する大きな物だと感じるようになっていった

息子が産まれた頃。既に舅と元夫の依存症に悩まされていた私は
息子がそうなってはいけないと躍起になっていた

舅と夫の血が流れている
あの性格が受け継がれている。
依存体質に違いない。
幼い頃からしつけなければ。見張らなければ。

そうして息子をどんどん追い詰めていったのだった

最後に姑の財布からお金を盗んで私が息子と抱き合って泣いた日から
2年が経った。あれから息子はお小遣いの管理も出来るようになり
際限なく物を欲しがったりする事もなくなった

昨日実家に帰る途中、レンタルビデオ屋に立ち寄った
店内を廻っていると息子が来て
「お母さん。誕生日のプレゼント我慢するから、これ買って」と息子が
中古のゲームを差し出した

差し出したゲームソフトはそれ程高い物ではなかった。。。

「良いよ。」と言い掛けて止めた
誕生日のプレゼントを我慢するから前倒しで買ってと聞こえたのが嫌だった

元夫はいつも「俺の誕生日は特に何もいらないから、今、お小遣い頂戴!」が通年の事だった

4月の面会の時に子供達を送ってきた元夫が
「こどもの日はいらないからって言うから前倒しでプレゼント買ったから」と言った

確かに子供達は子供の日のプレゼントは欲しがらなかった
でもなんだかすっきりしなかった

欲しいものは前倒しで貰っても良いと息子は思ってしまったようだった
誕生日にはまだ少し日がある

「誕生日に買おうと決めていたのだからやっぱりお母さんは誕生日に
おめでとうって買ってあげたい。だから今は買わない」と息子に言った

「えー!?何で?誕生日はいらないんだよ。だから今買ってよ」

「ううん。お母さんは誕生日に買ってあげたい」
やり取りを見ていた母も
「そうだねー。誕生日に買ってもらったら」と言った

がっくりと肩を落として棚に戻しに行った
心配した母はオロオロと付いて行った

子供達が寝た後母は「やっぱりあの時はあれで良かったんだよね。なんか対して高くなかったし買ってやろうかって思ったけど変な癖がつくと為にならないもんね」

「私も買ってあげても良いかなって思ったけど誕生日はいらないから前倒しって言うのが嫌だったんだよね。あれって元夫の口癖だったからさ」

「そうか。やっぱり、あれで良かったんだよ。がっかりされると可哀想だけど
元夫みたいになったら困るからねー。教えるところは教えないと」と何度も母は頷いた

昔、元夫のようにならない為にこうしなきゃ
こう教えなきゃ。と思っていた頃を思い出す

子育ても元夫に囚われると過剰に反応しすぎて息子を押さえつけすぎてしまう。
もう、元夫の呪縛には囚われたくない。

元夫のようになったら困るから買わないんじゃない、私は誕生日に買ってあげたかった。
だから今は買わない。そう自分に言い聞かせた

息子は「誕生日には絶対買ってね」と言った
「もちろんだよ!おめでとうって渡すからね。楽しみにしててね」

息子はちょっと不満そうだったが「じゃあ、まってるね」と言った

私はゲームソフトともうひとつおまけもつけてあげようと思った。

子育ては難しい。
依存症の父を持つから難しいんじゃない
お兄ちゃんもあーちゃんも他の子供達と同じように
いろいろな環境の山を越え谷を越えていくのだ

だから血なんか関係ない。
私はそう思いたい。

今日も聞いてくれてありがとう


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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
うんうん(^-^) (ねね)
2007-05-13 22:32:18
ついつい相手に合わせすぎちゃうもんね。おこづかい貯めて買う習慣、いいことだと思うよ(・_・昔は当たり前だったよね。親がまったくきく耳持ってなかったっていうか。。。そんなにお金もないし、物もこんなにあふれてなくて。。。うちの場合はお年玉の使い道は自由に許してるかな。(←すでに甘い?)長男が趣味の音楽関係でいつも足りない、長女は貯めるのが趣味(時々、欲しくもないもの長男に言い包められて買ったりしてる)、次女はとりあえず手に入れることが目的みたいでどこ行っても買う買うって言いながら迷ってなかなか決められなくてホントに欲しいのか?ってものを買う。そういう姿って人生の縮図っぽいよね(^-^;)どんな大人になるか心配だけど楽しみでもあるんよね~(^-^)
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そうですね…^^ (fuifui)
2007-05-14 00:31:25
ちっこさん、こんばんは。
ちっこさんの文章読んで
その通りだな…って思いました。

血が関係してるんじゃないですよね。
やっぱり育つ環境だと思います。
うんうん。
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価値観 (acmirai)
2007-05-14 07:41:09
 血筋だとか遺伝だとかって、後付の言い訳っぽくて
何だか違和感感じませんか?

 もう子育ては終わっているからこそ後悔矢反省の意味でわかったことがあるんです。
 プレゼントの意味。
もちろん、欲しいものをあげるのが理想だけれど、
「おめでとう」の気持ちがメインなのであって、モノは二の次。
 お祝いしたいほうの気持ちとか、日にちのこだわり、タイミングも含めてのプレゼントだと思います。
 欲しいものを聞いてあげる合理性も一理あるけど、
「モノより思い出」がベースにあるべきだったな、と。うちだけかもしれないけど。

 今回、ちっこさんが筋を通したことは、すごく意味のあることだと思いました。
 お祝いって、義理でも義務でもない。
「おめでとう」が大事なんですものね。
 
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私も (ひらりん)
2007-05-14 17:28:06
いやぁ~な所が似ていると、どうしても「血」とか、「遺伝」のせいかと暗澹としてしまいます。
そうすると、それを断ち切りたくて、必要以上に息子を叱ってしまいます。
良くないと分かっていても、元夫みたいになるんじゃないか。という恐れの方が大きいんですよね。
いけない、いけない。
ちっこさんを見習って、私も反省します。。。
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人間の性格は・・ (aiai)
2007-05-14 17:36:42
「20%の素質と、80%の外的環境でできる。」
「わがままな子は、親がつくる。」

教育学を専攻しましたけれど、そう習いました。
その通りだと思います!
習わなくても、ちゃんとこれまでの経験でわかっているちっこさんは、偉いゾ!
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誕生日 (aiai)
2007-05-14 17:40:05
昔、永六輔さんが、淀川長治さんに「お誕生日のお祝いをしよう。」と言ったら、淀川さんが、「誕生日は、お祝いをしてもらう日ではありません。母親に『産んでくれてありがとう』と、感謝する日です。」と言われた、と書いていました。

こういうことを言える人間に育てた母親は、どうやって育てたのだろう?と思いました。
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ねねさんへ (ちっこ)
2007-05-14 22:24:07
ねねさんのお子さん達のお話とても楽しいですね
長男さんも長女さんも次女さんもそれぞれ違う形に見えるけどきっとそれぞれぶつかり合う部分が削れて
きっと治まっていくんでしょうね

うちの息子も試行錯誤。七転八倒しながら
ようやくここまで来たって感じです

よくここまで自分自身を見つめ向き合ってくれたと
今は息子を尊敬しています

息子もまだまだこれからいろんな角にぶつかっていくと思うけど見守ることもとても楽しいと感じるようになりました

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fuifuiさんへ (ちっこ)
2007-05-14 22:33:31
子供って本当に純粋ですよね
幼い息子に「お爺ちゃんみたいにお酒の止められない人になっちゃうんだよ」と脅かし続けた事を本当に反省してます

反面教師って言葉があるけれど、それって荒治療の子育てですよね
一か八かみたいな。。。

元夫にはぜひ子供達に恥ずかしくない背中を見せ続けて欲しいです。
私も恥ずかしくない背中を見せ続けなくちゃと気持ちを新たにいたしました。
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acmiraiさんへ (ちっこ)
2007-05-14 22:40:45
「物より思い出」
その通りですよね。

誕生日の思い出として息子の心に残ってくれる方が
私も嬉しいです

息子に私の「おめでとう」が伝わると良いなって感じます
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ひらりんさんへ (ちっこ)
2007-05-14 22:44:08
その気持ちすごく分かりますよ。

その気持ちに縛られすぎて大失敗しましたから。。。
息子には申し訳なかったと思う気持ちでいっぱいです。

こうやって元夫と似たような言動に反応しているところがまだまだ抜け切れていないところです。

元夫と息子を切り離して子育てをしたいなって思っています
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