トンネルの向こう側

暗いトンネルを彷徨い続けた結婚生活に終止符を打って8年。自由人兄ちゃんと天真爛漫あーちゃんとの暮らしを綴る日記

娘の卒業

2006-05-31 11:23:10 | 子供
娘が産まれた時ジャイアンツが優勝した
その時新聞屋さんがくれた優勝記念タオルを娘はこよなく愛した

どこへ行くにも、どんな時もそれは娘の安定剤となった

娘は人見知りが酷く特に弟のお嫁さんには全く駄目だった
「あーちゃーん」とお嫁さんが呼ぼうものなら
一目散にジャイアンツのタオルへ駆け寄り顔をうずめ必死に心を落ち着かせようとした

寝るときも放せない
寝ていても手元から離れると
「ジャイアンツー!ジャイアンツー!」と呼んで起きた

私が居ない時もこのタオルがあれば心配なかった

なんと言ってもジャイアンツの優勝タオルだからそう簡単には手に入らない
大切に大切に扱った

娘が1才になり2才になりタオルは透けて薄くなり向こうが見えるほどになってきた
所々に穴が開き娘がそこに指を入れて遊んだりするから糸はほつれボロ雑巾のようになっていった

最後は洗濯機では恐くて洗えず私のシルク洗いで手洗いする始末

それでもこれが無くなったら娘はどうなってしまうのだろうと危機感で一杯だった

3才を過ぎたある日
寝る前にジャイアンツを探したけれど見つからない
娘は布団の中でもぞもぞとしていて探す風でもない

押入れを閉めようと下を見るとお気に入りの猫のぬいぐるみにジャイアンツが掛けられていた

「あーちゃん。ジャイアンツこんな所にあるよ。」と声を掛けると
「ねこちゃんにあげたの」と言う

「えー!ジャイアンツいらなくなったんだ」と驚いて言うと
「いるよ。ねこちゃんにあげたの」とぬいぐるみを枕元に持ってきてタオルを掛けなおした

その日から自分は布団で。猫ちゃんは枕元でジャイアンツにくるまって置いて寝ている
昨日久しぶりにジャイアンツに包んだねこちゃんを抱いて遊んでいた

「いい子ね。」と言いながらねこちゃんを寝かせようとして前の癖で
ジャイアンツをちょっと鼻に押し付けクンクンと匂いをかいだ
するといきなり

「くっせー!」と言ってジャイアンツのタオルを投げた
そして慌てて「あー。ごめんごめんジャイアンツ」と言って拾い上げまたネコちゃんを包んだ

可笑しくて一通り笑ったあと娘がジャイアンツのタオルを卒業したんだなと
感慨深くなってちょっと泣けた

どんな時も「ジャイアンツー」と言って持って歩いてなくなると必死で探した
娘はちゃんと手放すことが出来たんだな
親の私はちっとも手放すことを習得できないと言うのに
わずか3歳の娘はちゃんと卒業をした

偉いぞ!あーちゃん!
お母さんも見習って拘りを手放す事を学ばなくちゃね

それにしても穴が開いてボロボロになる前に手放せて本当に良かった
あのまま使っていたら高級品洗いで洗濯屋に出していたかも・・・・




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2 コメント

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可愛い~ (ねこ)
2006-05-31 15:07:39
娘さんの様子を想像して、和んでしまいました。

うちの子達は、ライナスの毛布的なものはなかったので、そういう苦労もありませんでしたが、大人になっても手放せない人もいるみたいですね。



うちの4歳の息子は、私の肘が大好きで、肘を触りながら、チュッチュの口になっています。

冷たい時の方気持ちいいらしいです(笑)

小学校に入ったら辞めるらしいですが、時々、爪でこすれて痛いのです。



最初は、保育園の先生やおばあちゃんにもしていたのですが、それは卒業。

残るは私のみ。

辞めた時は、私のほうが寂しかったりして。



和ませてくださってありがとうございます。

>お母さんも見習って拘りを手放す事を学ばなくちゃね

私も……
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ねこさんへ (ちっこ)
2006-06-01 18:02:37
ねこさんのひざもさわり心地がいいんでしょうか

可愛いですね



子供の成長を見るときいろいろ学ぶことがたくさんあります

大人になるとなかなかできない事が子供は凄く簡単にやってのけるんですよね



「ごめんなさい」や「ありがとう」も子供の方がずっと素直で人付き合いが上手かったりします

私も子供の頃はきっとこうだった筈なのに

いつの間にかずれてしまいました



子供に教えられてばかりです

和んでいただけて良かったです



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