トンネルの向こう側

暗いトンネルを彷徨い続けた結婚生活に終止符を打って8年。自由人兄ちゃんと天真爛漫あーちゃんとの暮らしを綴る日記

刺激

2007-09-02 19:14:22 | 
私は刺激を求めて彷徨い歩く。

子供の頃から、全てが無だった気がする。
誰も私に刺激を与えない。

楽しい事も悲しい事もない。
寂しいという感情だけがいつも渦巻いていた。

誰も私に気がつかない。
大声で泣いても誰も振り向かない。

地団駄を踏んで怒っても誰も相手にしない。

まるで生活に色がなかった。

誕生日も誰も祝わない。
姉の誕生日も知らない。
弟の誕生日も知らない。
誕生日を祝う事を知ったのは小学校に上がってから。

友達が誕生日の次の日に自慢げにプレゼントを見せた。
その時初めて誕生日を祝うのだと知った。

私は自分の誕生日も知らなかった。
毎年自分の誕生日に母に「今日は何の日か知ってる?」と聞くと
「さぁ?何の日だっけ」と言われた。

誰も私におめでとうとは言わなかった。
私も誰の誕生日にもおめでとうとは言わなかった。

クリスマスもない。
サンタクロースはうちには来ない。
サンタクロースと言う存在すら小学校に上がるまで知らなかった。

お雛様もなかった。
友達の家の五段飾りのお雛様が綺麗で、可愛くて何度も何度も見に行った。

楽しい刺激など何もなかった。

毎日恐怖に怯えるわけでもなかった。
父は恐い存在だった。
何時怒り出すか分からなかった。

でもその殆どは無視だった。
私達兄弟は部屋の片隅でジッと静かにしている限り
怒られる事はなかった。

父が帰ってきたら布団にもぐって寝るだけだった。

どんなに学校や友達の悩みを抱えても相談する人はいなかった。
相談しても母の背中が振り向く事はなかった。

自分で解決しなきゃ。
頼れるのは自分だけ。

泣いたところで誰も気がつかない。
遠くで「ちっこは何を泣いてるの?」と聞こえる時はまだマシ。
様子を見に来て「どうしたの?」と聞いてくれる事は一度もなかった。

ただ、虚しく、自分は無用の存在に思えた。
刺激が欲しい。
自分が活躍する場所が欲しい。

生きている意味が知りたい。
親にすら誕生日を覚えてもらえない自分。
抱かれた記憶も、膝に乗った記憶もない。

なぜ生まれた?
どうして自分はこの世に生まれたのだ?

ずっと、ずっと想っていた。
「神様、なぜですか?なぜ私はここにいるのですか?」
何度も真っ暗な空に聞いた。

悲しくもない。
苦しくもない。
楽しくもない。

だから私の感情は飢えていた。

心のそこから怒りたい。
心のそこから泣いてみたい。
心のそこから喜んでみたい。

そうして、私は夫と出会った。
夫との生活はジェットコースターのようだった。

苦しいと言いながら満足していたのだ。

今、夫を失って私は新たな刺激を求めだした。
だから、毎日がこんなに苦しいのだと知った。

穏やかな毎日は私に恐怖を呼び起こさせる。
駆り立てられる渇望感は私を蝕んでいくだろう。

心の奥底に深く深く沈んでいた扉が今開いた。

今日も私の話を聞いてくれてありがとう









最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
同じ! (メープル)
2007-09-02 22:59:12
私も同じです。
刺激大好き。ジェットコースター(そのものは高所恐怖症だから嫌いだけど)みたいな生活も大好き。
いつも私は「今日こんな変な人に会った!」とおもしろおかしく話すくらい、変な人と事に遭遇しました。それって私が刺激を求めていたからなんですよね。
でも、それにも疲れた今日この頃。

刺激のない人生を歩く自由も私にはあるんだと
最近気がつきました。
返信する
Unknown (ウメ)
2007-09-04 00:16:45
ちっこさんこんばんは

ちっこさんは小さい頃からずっと
悲しみも寂しさも怒りも我慢して
感じないようにして
自分を守ってきたのではないかと思います。
感じないように、自分を出さないように
意見を言わないようにすることが
ちっこさんを守る術だったのだと思います。

私もそんなところがありました。
以前はいつも「面白いことないかな~」というのが
口癖だったときもありました。
平凡な人生はイヤだ、と思っていました。
その最たるものが元夫との結婚生活でした。
他人に振り回され心砕くことの刺激…。
おかげですっかり疲れ果てましたが(笑)。

ちっこさん、子どもの頃、自分でしたかったこと
たくさんしてみてはいかがですか?
ちっこさんのお子さんと一緒に。
そして時にはママ友と飲みに行ったり
カラオケで思いっきり大声出したり
職場でも自分の気持ちを伝えてみたり
いろんなことにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
ちっこさん、今からいろんなことできますよ!

ちっこさん、もうご自身を責めることはないと思います。
こうして毎日生きることは大変なことです。
生きているだけですごいことなんです。
私はいつも自分にそう語りかけています。
そうやって歩いています。







返信する
メープルさんへ (ちっこ)
2007-09-04 18:17:33
結婚した時から本当にジェットコースターのような日々。

穏やかに暮らしたい。
静かに暮らした。
そう思う毎日。

でも本当は事件が起こる度に、自分は生きている実感を得ていたのだと思います。

だからこそ手放せなかったのかもしれません。
それに気がついた今、私はどうあるべきかを
見つめています。

返信する
ウメさんへ (ちっこ)
2007-09-04 18:33:36
「面白い事ないかなぁ」って私もよく言ってました。

自分の感情の出し方が未だに分からないのです。
笑う事も泣くこともいつも感情を出す前にストップがかかります。

我を忘れてはしゃいだ後はいつも罪悪感に襲われます。

自分の生き辛い部分がようやく見えた気がします。
感情の出し方も私には練習が必要なようです。

ここからが一歩かもしれません。
楽しい事を罪悪感を感じずに楽しめるようになりたいです。
返信する
Unknown (batuichi)
2007-09-09 00:41:25
私も離婚経験があります。

離婚して半年しか経っていませんが、主婦のときにはできなかったパーマーや化粧。
でもそんなもので気は紛れません。

もうあの日々は還って来ない。辛いこともありました。苦しいことも沢山されました。

お姑さんにも上手く言葉が伝えられずいじめられ誤解されました。

子供の流産がきっかけで離婚しました。

あの時弱かった自分。何より許せないのは自分自身。

私も責めてしまいます。
返信する
batuichiさんへ (ちっこ)
2007-09-09 10:41:42
初めまして。

私も離婚して5ヶ月が過ぎたところです。
自分を責めてしまう気持ちよく分かります。

ようやく「仕方なかった。自分にはこれしかなかった」と自分を許してあげられるようになりました。

batuichiさんもきっとそこにいたら心が壊されてしまっていたのではないでしょうか。

自分を壊してまで我慢し続ける事は、けっして強い事ではないと感じます。

離婚を決意されるにも沢山の涙を流した事だと察します。
もうやるだけやったんですよ。
限界だった。

苦しみながらも一歩踏み出した自分を褒めて、
「良くやったね」と労ってあげて欲しいと感じました。



返信する

コメントを投稿