トンネルの向こう側

暗いトンネルを彷徨い続けた結婚生活に終止符を打って8年。自由人兄ちゃんと天真爛漫あーちゃんとの暮らしを綴る日記

2006-03-06 17:40:10 | 元夫婦
家に着いて夫に
「カード使用中止になっていたよ。心当たりあるよね
私には聞く権利があるし、あなたには説明する義務があるよね」と一気に言った

夫は目がみるみる真っ赤になった
しばらく黙っていた。なんて言おう。本当の事を言おうか
どう誤魔化そうか葛藤しているようだった

私は待った。
「先月、飲みに行って・・・。ボッタクリバーに捕まって
一緒に行った人の分を立て替えた・・・。それを払ったら限度額一杯になって・・・」

すぐ分かった。いつもの俺は巻き込まれて被害者になったんだという言い分け・・
人の分を立て替えたからそれはいずれ戻ってくるからという言い逃れ
それが戻ってきたことなど一度だってない

いつもはそれでじゃあ戻ってくるんだよねで話が終わって
何ヶ月も何ヶ月も戻ってこない事に苛々して結局嘘だったと自分自身を納得させるしかなかった

でももうそんな話は真っ平だった
「その話は全然つじつまが合ってないよ。いつもカードを持ち歩かない人が
ボッタクリバーに行ってカードで立て替えるなんてありえない。」

夫はしばらく考えて「実はそれは嘘です。本当は現金が欲しくてカードでブランドバックを購入して質屋で売ってお金に変えました。
現金は前に言った工場の不良債権の穴埋めに使いました」

前にもう借金は絶対にしないと約束した(十四番目の好きな人で書いてある)
夫はそれから借金をしていない。

その代わりに家のお金をこっそり持ち出して
いつまでたっても自分の保身のためにお金を使うことが止められない

そしていつだってその場限りの問題解決が新たな問題を生んで
それを隠し切れなくて問題が大きくなってしまう

「私さ。もういいかなって思うんだよね。もうさ。付いていけないって言うかさ。」

夫は身を硬くしたまま動かない

夫が問題解決にお金に困り、でも私に言っても「またお金で解決するの?」と言われるのが嫌で苦肉の策でブランドバック購入、即質屋の姿が目に浮かんだ

「お父さんさ、本当に馬鹿だよ。ちゃんと真ん中歩いて問題に正面から向かい合ったならこんなに大きくなったりしないのに結局何とか逃れよう。逃げようってそればっかり考えて
お父さん、酒に逃げて自分と向き合わない舅とちっとも違わないよ。同じじゃない。
上っ面ばっかり塗り替えて、表面だけ繕って
それで結局周りを傷つけて独りぼっちになったあの舅と同じだよ
いい加減自分は弱くて情けないところがあるって気がつきなよ

そしてそれを受け入れなよ。誰だって弱いんだよ。
自分でそれを守ろうとして全てを壊していることに気がつきなよ

私が舅を助けられなかったように、お父さんも助けてあげられない。
お父さん自信が気がつかなきゃ駄目なんだよ
自分が何者なのかを知りなよ」

夫はただ俯いていた

「最初に私に話してくれたならこんな風に私を傷つけることにならないって
どうして気がつかないんだろう。
結局あなたは私の事など最初っから信じちゃいないんだよ。」

「そんな事ない・・」
「いや。そうさ。こうやって話してみればたいした事じゃない
良くある話なのに自分でややこしくしてるんだよ。そうは思わないかい?」

「で。どうしたいの?」と聞いた
「俺はやり直したい」

もう言える事は全て言った気がした
私にばれたくない。
その想いでひたすら走り回った夫の姿が目に浮かぶ

それはあまりに悲しく滑稽な姿だった
夫は誤魔化さず真実を告げてくれた。それだけで十分な気がした

でも私は本当の意味で夫を手放すことが出来るような気がする
舅を手放した時のように
実母を手放した時のように

私は夫に対して底についたと感じる

夫へのしがみつきの呪縛が解けたと言うべきかも知れない
私は愛情がないまま結婚した事の後ろめたさをずっと感じて今まで来た

それを埋めるために必要以上に家族の形に拘った
夫婦が愛し合ってる振りをして、お互いが思いやっている振りをして
家族とはこうでなければいけないと思い込んでいた

夫は夫。私は私。
この人がいなければ生きていけないなど私の思い込みなのだ
私はこの人がいなくても生きていける

だから自分の道を進んでいける

今私の心はすごく落ち着いている
なんの音も聞こえない
涙も出てこない

あの日姑が出て行って自分が共依存症だと知った時
泣き暮れていた涙が止まった

舅がアルコール依存症になって混乱に巻き込まれて泣きながら「もう、飲むのを止めて」と叫んでいた。
その時も疲れ果て自分にはもう何もできる事がないと悟った時も涙が止まった

あの時と同じ感情が私の中にある


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2 コメント

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我が道 (nao)
2006-03-07 04:25:27
ご主人への依存から脱け出せたとゆうことではないのでしょうか?



今回の事、力を合わせて頑張ろうと決めたちっこさんにとって、ご主人のとった行動はショックだったでしょう。

でも、結果的に個々の人間だとゆう答えに辿り着けたのは大きな収穫のような気がします。



この先、ちっこさんがどうゆう方向に進むかは分かりませんが、陰ながら応援してます。
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naoさんへ (ちっこ)
2006-03-07 08:39:29
ショックというより「あー終わったな」って感じでした



>結果的に個々の人間だとゆう答えに辿り着けたのは大きな収穫のような気がします。



本当にそう思います

今、気がついたという感じです



これは普通の人なら誰でも最初から持っている

境界線なんだと思います

でも私は今その境界線に気がついたんです



はっきりと見えました

心で分かっていても実際にそこまで行き着かなければ分からない物だったんだと思いました



naoさんのコメント嬉しかったです

ありがとう



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