トンネルの向こう側

暗いトンネルを彷徨い続けた結婚生活に終止符を打って8年。自由人兄ちゃんと天真爛漫あーちゃんとの暮らしを綴る日記

「好きにすれば」という虐待

2005-11-17 08:50:00 | 元夫婦
夫は6才の時に妹を亡くしている
小児がんだったという
とても賢くて、「この子はいったいどれ程偉くなるのだろうかと思った。町を歩けばかわいいですね。写真を撮らせてください」と道行く人にいわれ、とにかく自慢の娘だったらしい

その娘が亡くなって姑は泣き暮れたという
妹を亡くして夫も悲しかったという。
でも家に帰るといつも母親が泣いていた。

ある日、そんな母に笑って欲しくておどけて見せたそうだ
すると姑は「妹が死んだのに何、ふざけてるんだ」と怒鳴られたらしい
それからあまり口を効かずに静かにしていると、酔った父親が「お前まで暗い顔するな」と殴られたらしい

何をしても怒られるので夫は両親の前では膝に顔を隠すようになった
だれにも表情を見られないようにしたのだ

今でも夫はだれかの顔をみて話すことをしない
私がいる時は私の顔をひたすら見て話すのである
これで良いか?これで良いか?というように目で訴えるのである

義理両親達はよく家族で何かを決める時に「好きにしなさい」と言う

たとえば大晦日、実家で食べる料理はすき焼きと決まっていた。でも、夫はすき焼きが嫌いなので「今年は違うのにしたいな」と行く前に言うので義理両親に「今年はすき焼きじゃない別のにしませんか」と言うと「好きにしなさい」と言う。それで夫が寿司は?とか焼肉は?とか言っても両親はあーだこーだと文句をつけるのだ

「じゃあ、何が食いたいんだよ」と言うと「好きにしなさい」とすごい形相で睨みつけるのである。私の目の中に答えが隠されているといわんばかりに・・・
結局すき焼きになるのである

夫はこうやって「好きにしなさい」の言葉の裏を常に読まなければいけなかったの
だ。表情を読み取って、両親の望む答えを言わなければいけなかったのだ
それだって、前はこの答えで怒られたから、次はこっちの答えと変えてみても、親たちはその時の気分で怒るので、結局正解はどこにもありはしなかったのだ

最近夫は息子に対して、自分の思うように返事をしないと「好きにすればいいだろ」と言う。そして息子のやりたいようにすると、すごい目で見るのだ。その目は姑そっくりである。その目を見ると息子は脅えたような顔をする。息子も夫の目の中の答えを見つけようとするようになった

とても悲しい事である
だから「「好きにすれば」ってお父さんが言う時って「俺の言うとおりにしろ」っていう意味だよね」と単刀直入に言ってやる
夫はそれ以上何も言わなくなる
私もその先は言わない。
自分で考えて欲しいからだ

「好きにすれば」本当にいやな言葉である
だから私が夫に「好きにすれば」と言う時、「どんな選択をしても賛成です、安心して、お父さんの好きなようにやってください」と言う様にしている

夫の受けた、「好きにすれば」という虐待は深い、深い傷となっている。



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2 コメント

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Unknown (ヤンマー)
2005-11-18 04:01:02
御主人さんのもがき、苦しんでいる思いが、ぐさっと突き刺さるようです。



きついです。そしてけなげな姿が悲しくなります。



ご主人はちっこさんと結ばれることで、心からの安らぎを得ようとしているのでしょうね。

ちっこさんの学ばれていることで、御主人さんも間接的に気付きの機会となっているのだと思います。



お二人で、このように生い立ちや思いを共有できることが何よりです。



私は主人に言えること、そして今なお、言えない事色々です。



話すは手放す・離すの意味合いをあるそうですね(越智先生曰く)

夫婦で解放に向けて、歩まれている姿、非常に励みになります。



ちっこさんのブログを読むことで、ヤンマーも心の整理ができています。

ありがとうございます。



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ヤンマーさんへ (ちっこ)
2005-11-18 12:14:45
いつもありがとうございます



話すは手放す。いいですね。私もその通りだと思います



夫にとってはめちゃくちゃ、進入されたり、突き放されたりと迷惑この上ないと思いますが



衝突する前に一呼吸おけるようになったのは進歩だと思います



ヤンマーさんのお話も私に大きな大きな気づきを与えてくれています

感謝です
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