(CNN) 西暦79年のベスビオ火山噴火で焼け焦げ、広げようとすると崩れてしまう状態になった古代の巻物数百巻のうちの1巻について、現在科学者らが内容の解読に挑んでいる。
英オックスフォード大学のボドリアン図書館に保管されているこの巻物は「ヘルクラネウムの巻物」と呼ばれる文書の一部。解読を促進するコンペ「ベスビオ火山チャレンジ」の一環として仮想的に広げられる5巻目の巻物となる。ユリウス・カエサルの義父の自宅から回収されたと考えられているこの文書は、古代のローマとギリシャに関する新たな情報の宝庫とされる。<中略>
巻物を仮想的に平らにした上で、黒いインクの文字と炭化した紙の表面とを区別することが重要な課題になるという。それによりギリシャ語とラテン語の文面が判読可能になる。2000文字以上が判読(解読)可能とのこと。
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これは、すごい。
文としての解釈はまだだが、少なくとも文字は判別できる。
2月初旬のCNN.jpに掲載されたニュース。翻訳記事なのでオリジナルを探して、読んでみた。記事には炭化した巻物の写真が出ていた。木の年輪のようにハッキリと巻物の状態で炭化している。それを巻いた状態でスキャンし、仮想的に広げて平面にする。紙面の濃淡、つまり文字の書かれている部分とそうでない部分を峻別できたことになる。
「星を継ぐもの」(ジェイムズ・P・ホーガン著,1980年)を思いだした。作中に『ニュートリノを使用して物質を透過撮影できる「トライマグニスコープ」』というものが出てくる。この装置が作中で可能にしていることと、ベスビオ火山チャレンジでなされたことが同じなのだ。
なお、巻物はパピルスである。
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「現実がSFに追いついた」の方が適切かな。