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秋入学、総合大5割が前向き

2012-02-09 05:19:40 | 教師の仕事 2011

 ...国際化期待、資格系は慎重

 2012.01.23、「東京大学、秋入学に全面移行」の続き。

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 6日の時事ドッドコムに出ていた。東大が声をかけた大学以外の、(国公立)主要37大学の動向を時事通信社が調べた。
 総合大23大学の中で11大学が導入に「賛成」「前向きに検討する」と回答。
 医歯薬、教職系14大学は総じて慎重な姿勢。

 この二つを足すと37大学ということなのだろう。

 医歯薬は国家試験の時期の問題がはっきりしなければ、別の言い方をすれば、少なくとも年2度にしてもらわなければ、どうにもならないから慎重になるのはあたりまえだ。教職系も義務教育諸学校(教諭)採用時期(学校年度)が、4月を中心に動いている以上、これも動きが取れない。

 「賛成」「前向きな大学」としては、以下の11大学が出ていた。
  お茶の水女子  東京外国語  横浜国立  金沢
  青山学院  国際基督教  中央  明治  南山  関西  立命館

 そうじゃない26大学はどこなんだろう。

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 東大の構想(と、いえるもの)がでて、1ヶ月たっていない。1月18日以降、新聞・通信社な様々な調査が報道されている。
 最初のうちの、高校教師から見るとあんまり練れていない、「東大」「秋入学」「国際化」という三題噺のような記事は減りつつある。この問題は冷静な検討が求められることは当然である。

 前にも書いたとおり、東大がいくら東大でも、日本という社会の中に東大もある以上、日本という社会が変わらなくては東大も変わることはできない。そして東大がどれほど国際化により競争力をつけようと指向しても、日本という社会から完全に離脱することはあり得ない。それでは日本の大学ではない。日本の大学でなくてもかまわないと言うのならば、それはそれでかまわないが、実際問題無理である。

 朝日新聞のウェブサイトにこんな記事が出ていた。2月1日の『ギャップターム問題の先にあるもの 東大秋入学の行方(3)』である。一部引用する。

 ...実現した場合、対象となる学生は早ければあと5年前後で東大に入学する。さらに5年後の卒業といえば、いまから10年ほど後になる。その学生たちが本当にたくましい人材になるかどうかは保証の限りではない。雲をつかむような話である。ただ大学も含めて行き詰まり、停滞感がある現実を何とかしたいという思いが秋入学への共感の根底にある。

 当事者である東大や追随するかもしれないほかの大学が、現実的な事務作業や議論の整理に必死であることは否定しない。だが、情緒的にみれば秋入学を取り巻く社会の空気には将来へのあこがれがあるのではないか。いってみれば映画「三丁目の夕日」シリーズにみられるノスタルジーとは逆のベクトルで、将来が美しく、こうあってほしいという願いともいえるものだ。当事者以外には、痛みや切迫感は伴いにくい。秋入学を語るとき、厳しい反対異論が出ないことにはそんな要素もある気がしてならない。

 しかし時間がたつにしたがって、具体的な計画や対策の中身が節目ごとに問われ、やがては現実的な論点が山のように出てくるはずだ。

 朝日新聞らしい書き方だ。嫌いな人もいる論調だろう。でも、2段落目以降は相当高いハードルであることを示している。まだ、まだまだ、まだまだまだ、様々な検討準備が必要である。
 現在多くの大学で春秋年2回の入学が実施されている。しかし、どんなにがんばっても、全部の大学が秋入学一本化は無理である。秋入学だけの大学と4月入学の大学と併存する日本になるのかどうか。なったとすると、仮にその時に自分の勤務校が秋入学のみの大学への進学者がほとんどいなくても、自分の仕事には何らかの影響が間違いなくでてくる。東大の秋入学への移行予定は、少なくとも僕の定年退職よりも前なのだ。丁寧な論議が必要である。

 まだ、まだまだ、まだまだまだ、ニュースを追いかけ、記事を読もうと思う。

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 引用元:朝日新聞デジタル:山上浩二郎の大学取れたて便
 (2月9日現在、記事を読むことができる。)

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