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ひらいて

2021-10-27 04:00:00 | 全英連参加者 2021

「ひらいて」ポスタービジュアル 成績優秀で明朗快活な高校3年生の木村愛(山田杏奈)。校内きっての人気者である彼女は、地味で寡黙でありながらも聡明さと謎めいた雰囲気を漂わせる同級生の西村たとえ(作間龍斗)に惹かれていた。そんな折、彼が大事そうに手紙を読んでいるのを見かけ、愛はそれを盗み読みしてしまう。手紙を差し出したのは、糖尿病の持病を抱える地味な新藤美雪(芋生悠)だった。二人が交際しているのを知って、言いようの感情に駆られる愛。彼女はたとえへの恋心を隠し、美雪に近づいていく。

 期待の女優さん、山田杏奈さんの主演作。初主演ではないが、彼女が出ている作品は初鑑賞になる。


 優等生で可愛い(とみられている)人気者の木村愛。彼女はたとえを恋人から奪い取るため、かなり強烈な方法で暴走する。物語は三角関係だけにとどまらない方向へと進む。

 ここまで暴走する高校3年生はいるのかな
 木村愛を見ていて考えた。地方都市(明確な設定はなさそうだけど、何となく静岡県ぽい)受験期の高校3年生。成績優秀明朗快活な女子。先生の立場で見ると、あまり心配のいらなそうな生徒。だけど心は外には見えてこない、人間はだれでもよく言えば自我、悪い言い方をすると深い闇のようなものを持っている。年齢、性別は関係ない。みんな同じである。
 高校生ならば高校という枠の中で、日々友人間、クラス単位でのいざこざとは言わないけど、様々なやりとりの中で窮屈な思いをしている。愛もそんな生徒。そしてそれが普段の生活(勉強、部活動等々)ならばどうにかやり過ごせても、恋愛感情になると...
 正直ここまで暴走する高校3年生はイメージしにくい。でも、ここまで暴走する人間はいる気がした。

 木村愛の目の印象
 暗く、空虚な感じがした。主人公の心の闇の深さ、孤独、満たされたい感、強欲さを如実に表している。ものがたりが進むと、それを西村や美雪に見透かされていく。演じる山田さんは、目の印象が強い(目力の強い)女優さん。その人があんな目をした。印象は強烈だ。


 山田杏奈 as 木村愛
 初めてスクリーンのど真ん中で、山田さんを見ることができた。鑑賞第1作としてはかなり強烈な役。
 山田さんは今年二十歳、映画評では「体当たりの演技」と出ていた。確かに木村愛は、同世代の女優(浜辺美波が同学年、森七菜、清原果耶が1歳下)は、なかなか受けなさそうな難役だろう。
 ものがたりが進むにつれてだんだん壊れていく様子。邪気のような強い印象を受けた。今年初め、「2021年ブレーク必至」で取り上げた彼女、年内にもう1本作品が公開予定。楽しみだ。

 芋生悠(いもう はるか)as 新藤美雪
 「2018年ネクストブレイク候補」で取り上げたのがが3年半前。やっとスクリーンで見ることができた。木村愛もそうだが、新藤美雪も難しい役柄である。

 作間龍斗 as 西村たとえ
 HiHiJetsのメンバー(ジャニーズ)という予備知識すらない。かなり問題のある家庭環境の、何か受け身の少年を演じている。「僕らのごはんは明日で待ってる」で葉山亮太役の中島裕翔さん(Hey! Say! JUMP)を見たときと同じく、スクリーンに登場したままに見ることができた。何かいい感じである。


 公開時のインタビューの記事を読むと、山田さんも木村愛を「近くにいてほしくないキャラクター」と述べているようだ。その強い存在が、恋愛・学園青春映画の枠を破壊している。本作の特色だと思う。

 綿矢りさ原作の映画化作品を見たのは「勝手にふるえてろ」と本作だけだが、2作とも主人公の暴走が印象的だ。僕だけだろうか。
 (文中一部敬称略)

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