ハーダァ ザン アイヴ ィクスベクティッド!
Harder than I've expected!
A humble businessman with a buried past seeks justice when his daughter is killed in an act of terrorism. A cat-and-mouse conflict ensues with a government official, whose past may hold clues to the killers' identities.(IMDb)
クァン・ノク・ミン(ジャッキー・チェン)は、特殊部隊に所属していた過去を封印し、ロンドンでレストランを経営していた。高校生になる娘の成長を見守っていたが、彼女は無差別テロによって命を落としてしまう。憤怒に駆られた彼は、特殊部隊時代に培ったスキルを駆使して犯人を捜し出し、リベンジしようと決意する。調査を進めていくと、北アイルランドの副首相リーアム・ヘネシー(ピアース・ブロスナン)の存在が浮かび上がる。(MOVIX)
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久しぶりにジャッキーをスクリーンで見たい。
IMDbの作品紹介にもあるようにhumbleな主人公を不幸のどん底に突き落とし、復讐者にしたのは誰か。ジャッキーは昔のようにアクションができないだろう、それなりに体型も変化している。そのジャッキーが不幸のどん底の主人公をどう演じるか。そんなことを考え、劇場に出かけた。
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クァン・ノク・ミン
クァンは娘を無差別テロで殺された。当初は呆然とし、魂が抜けたようになる。経営するレストランも手放そうとする。
彼はTVで北アイルランド副首相のヘネシーが、テロについてインタビューを受けるのを見た。ヘネシーは元過激派で刑事罰も受けた人物。直感か、それとも言いがかりか、クァンは彼に接触を図り、犯人の名前を聞き出そうとする。
クァン強引に面会に出向き、どうにか直接話すことができた。当然のようにヘネシーは、実行犯のことを知らないと答える。クァンは納得しない。彼は自分の娘に起きたことと同じ方法で、知らないと言うヘネシーに圧力をかけ始める。復讐心が彼をかき立て、狂わせていく。
・・・クァンもテロリスト化する。ストーカーのようでもある。
執ようにテロリストの名前を求めて、ヘネシーに攻撃を仕掛けるクァン。決して悲劇の父親像で納まるものではない。
リーアム・ヘネシー
あのピアーズ・ブロスナンが演じている。彼は5代目007を演じた俳優である。トレイラー、ポスターを見てもわからなかった。
ヘネシーは予告編を見る限りもの凄くいやなヤツである。でも、作品を半分以上見ても、ホントに黒幕なのか、それとも組織内の反乱分子を抑えられない、元活動家の政治家に人物なのかわからない。見ていて「おまえ、どこまで知ってるんだよ」と、言いたくなるようなキャラクターである。ただ、終盤にかけてクァンに追い詰められ徐々に本性がでてくる。
・・・叩けばなんとやらの人物なのだ。
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アクション抑え気味
鑑賞前アクションシーンはないのかなと考えていたが、そうではなかった。はっきりしているのは、かなり意図的にアクションシーンを少なめにしていること。クァンは特殊部隊出身者ではあるが、年齢的にも圧倒的、超人的強さはないという設定である。それでもなんとか闘う。そこに着目させたい演出である。
ただ、いざ動き始めると、ジャッキーはすごい。すごさはやはり見ていてどきどきした。
かなりひどい差別用語
チャイナマン(Chinaman,Chineseではない)
主人公クァンをヘネシーたちがこう呼んでいた。英米など、英語を主たる共通語とする国を中心に使われている。中国人を指す呼び方。本来は蔑称ではないとされるが、本作では間違いなく差別用語的。
ブリット(Brit)
北アイルランドの(元)過激派の人物が、イングランド人(イギリス人)を罵る時にこう言っていた。
本作は原題が、「ザ・フォーリナー(The Foreigner)」である。劇中クァンは1984年からイギリス人であると述べていた。30年以上経過している。それでも彼はイングランドでもアイルランドでも、「フォーリナー(=よそ者)」なのである。使われている用語を見ると、かなりきついものがたり設定である。
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さて、ヘネシーの運命は。
クァンの爆破テロ集団への復讐は、かなうのか。
クァンの残された人生の行方は。
全部書くと完全にネタばらしになるので、このあたりでお終い。
なお、ジャッキー映画でおなじみ(?)の、エンドロールのNG集。本作はありません。