「この急須と同じ色の茶碗ってないんですか?」
「紫砂(しさ)の茶壺(ちゃこ)が欲しいのね」
「この褐色のやつ」
「こういう陶器はもう作ってないから無いわね」
「え?作ってないんですか」
「匂いが付くでしょ。だから、いまは磁器が多いのよ」
江蘇省(こうそしょう)・宜興(ぎこう)で明の時代から作られてきた茶壺(ちゃこ)。
特に紫砂(しさ)と呼ばれる土を用いた紫砂茶壺は、中国の人々に愛されてきた。
粒子が細かいので、かたちをつくりやすい土だ。鉄分が多く、焼きあがったものは赤から褐色、黒などの色調を帯びる。
また、無釉ゆえに、使うほどに艶と深みが出てくるのも特徴。
日本でも室町時代から宜興の茶壺が輸入され、その後手型の茶壺は日本の茶注の手本にもなり各産地で作られた。
江戸時代には、横手の茶注も作られるようになった。
茶壺の肌を美しくするため使い込んでいくことを、茶壺を育てる“養壺(やんふう)”という。
古来焼締の無釉の茶器はお茶を美味しくすると言われ、中国の宜興の茶壺、万古焼、常滑焼の急須が代表的なものだ。
日ごろのお茶のシーンで、万古焼、常滑焼の急須も、目にすることが少なくなってきた。
それがいいのか悪いのか、いまはわからない。
”七杯(しちはい) 未(いま)だ喫(きっ)せずして 仙源(せんげん)を覘(うかが)わん”
・・・小さい茶碗だから7杯いけるかも。
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