・・・心に傷や痛みのある人にはわかるだろう
先日、とあるダイビングショップのツアーで。
ゲストの中に、ぼくと視線を合わせようとはしない若い女性がいた。
視線の先は、常に手にした水中カメラのハウジング。
この日の富戸のダイビングで言葉を交わせたのは、一足先にダイビングを終えたぼくが、エキジットして機材を片付けていたチームのウエイトをまとめて運ぼうとしていた時だけだった。
ウエイトを重そうに持ち上げたぼくに
「ウエイトは軽トラで運ぶから・・・」
と彼女。それでも、彼女はぼくに視線を向けることはなかった。
ひょっとしたら、彼女は軽度の強迫神経質症じゃないかと思えた。
一緒のチームじゃなかったので、彼女の水中での様子はわからない。
ただ感動したのは、他のみんなが昼食を食べ始めても、インストラクターが一人でぐずぐずなんだかやっている。
そこへ、着替えに遅れた彼女がやって来て、はじめてインストラクターはお弁当の昼食を一緒に食べ始めたのだ。
・・・さりげなく、気を使っていることを悟られず、普通に接すること。
水中では言葉によるコミュニケーションが取れないから、事のほかアイコンタクトが重要になる。
視線恐怖症におびえる彼女がダイビングを続けられるのは、普通に接してくれるインストラクターがいてくれるからに違いない。
宮崎監督は「もののけ姫」で、共生することの難しさを描いた。
そしてラストでは、もののけ姫に対して「きみは山に帰れ、私はあの村に残る」とアシタカに言わせた。
アニメファンには不評のラストだが、宮崎監督の言いたかったことが痛いほどわかる、心に残るラストだった。
”わからぬ。だがともに生きる事はできる
どうやって生きるのだ。サンとともに人間と戦うというのか
違う。それでは憎しみを増やすだけだ
小僧。もうお前にできる事は何もない。お前はじきに痣に食い殺される身だ。夜明けとともにここを立ち去れ”
・・・せっかくの屋久島だ。もう少し、共生の話を書いていこう。。
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