朝井まかての時代小説を初めて読んだ。
宇江佐 真理さんの本は、かなり読んだので、この辺りで、
違う作家のものをと思っていたので、良いタイミングだった。
宇江佐ワールドは、心地良かった。サラサラと淀みなく読めるものだから
読み終えるのが早い。それが、難点と言えば難点かもしれない。
が、疲れを取るには良い。
さて、朝井まかての「花競べ」。
江戸時代、若い種苗家夫婦の物語。草花木が好きな人には面白いかも。
まかてさん、かなり、園芸好きなのか、それとも、勉強家なのか。
巻末に、たくさんの関連参考文献が載っていた。
物語の中で、幾つかのキーとなる植物が出てくる。
桜草に続いて、第2章に登場したのは、「紫式部」「小紫」
この花は、とってもイイんです‼︎ 私の好きな花なので。
そして、アメリカ(カリフォルニア)でも、日本でも、そんなには見かけない花。
ところが、です。思わぬ所に咲いていました。
私の長崎の実家でありまする。
私の帰国は、大抵は、12月。仕事がオフシーズンなので、どうしても、この季節。
しかし、唯一例外として、9月中旬頃帰ったことがありました。
その時、たくさんの紫色の実をつけた「小紫」を、庭先で発見‼︎
(2016年9月23日、長崎市桜馬場町)
まかてさんの描写では、こうなっています。(「花競べ」より抜粋)
、、それは新次が1年ほど前の秋、山から採取してきた低木だった。秋の山は、
真弓、七竃、梅擬など、赤か赤黄色の実をつける木がほとんどである。
ところがその中に珍しい色の実をつけて揺れている枝が見え、新次は息を呑んだ
のだった。、、(中略) 粗末な衣を脱ぎ捨てるように何本もの枝が根元から吹き出して
おり、優美な弓状にしなっていた。葉は枝に相対してついており、その葉元には
びっしりと薄緑の実がついている。、、、(中略) 秋になると、実が夕空のような
青から紫に染まって、それは見事だ。