彦四郎の中国生活

中国滞在記

日本語という言語も中国で教えて10年余り、すっかり高齢のおじいちゃん先生になったが➊—学生たちの授業に対する感想は‥➀

2024-06-19 10:25:24 | 滞在記

 一昨日6月17日(月)、3回生の「日本文化名編選読」の授業で、今学期(今学年)の大学での担当授業が全て終了した。来週は担当諸教科の期末試験を実施する予定となっている。そして、7月2日までに今学期の担当教科の学生成績などの期末諸資料を作成し大学側に提出、7月3日には日本に帰国することとなる。そして、中国赴任11年目が終了する。

 2013年9月から中国の福建省の二つの大学(福建師範大学と閩江大学)に赴任して、これまでに約1250人余り(実数)の中国人学生たちに日本語教育関連教科や日本学関連教科に関するさまざまな教科の授業をし、そのうち約120人余りがこの10年間余りで、日本の大学院生や交換留学生などとして、日本の大学に留学してきている。

 昨年2023年9月から、2回生たちの日本語教育関連教科「日本語会話3」「日本語会話4」を1年間担当し、その授業は先週6月13日(木)に終了した。全60回余りの授業であった。(※日本語学科2回生は、1クラス15人で2クラスある。)

 使用する教科書は、『総合日本語第二巻』(日本語会話3)と『総合日本語第三巻』(日本語会話4)。(※いずれも「北京大学出版社」) この教科書の各課の、前半部分を中国人教員が週に3回余り担当し、後半部分の文型練習や会話練習を日本人教員である私が週に2回余り担当するという授業だった。

 この2回生たちには、10月下旬より「日本語情景劇」の指導も行うこととなり、2023年12月30日(土)に発表会を行った。(※新型コロナウイルス感染問題のため、2020年度より3年間行われていなかったので、4年ぶりの復活となった。)  最終授業日の6月13日に、「日語会話3・日語会話4」の授業についての感想を学生たちに書いてもらった。全員が、この授業について高い評価をしてくれていたので、私の中国生活の励みにもなった。以下、彼らの感想のいくつかを次号、次々号にわたって紹介しておきます。(※原文ママ)

 この教科を担当して10年余りになり、すっかりと高齢者のおじいちゃん先生になりましたが、年々、授業内容は豊かになってきたようにも思います。

〇黄雅婧—寺坂先生の授業は、日本語の会話が楽しくなりました。教室の中で日本の文化について多くの絵と知識の説明を理解して、また多くの中国と日本の文化の違いを理解して、私は多くの知識を学びました。寺坂先生は、私たちが下手な日本語を話しても、いろいろな形で会話をして、私たちの意味を理解してくれます。話せない言葉も、積極的に提示して、完璧に話せるように導いてくれます。とても感謝しています。

 この一年間の日本語の会話の授業の中で、私たちは情景劇の演技や弁論大会などの多くの形式の日本語の会話を行いました。私もだんだん日本語で何かを表現することが好きになりました。私の日本語の会話はまだまだ下手ですが、この授業が好きです。最後に寺坂先生の汗を流して教えてくれたことに対する感謝を表したいです。次の年の会話授業の先生が変わるかどうか分からないですが、ここで先生の私たちに対する助けと配慮を感謝します。

〇劉菲—「日語会話3・4」の授業は、全ての授業の中で面白い授業の一つだと思います。この授業には先生と学生のインタラクティブ性が多く、面白さ、活動形式の多様性などの特徴がある。この過程で、私の会話力がつく。教科書の知識と結びつけて、自分の言語に変換することができて、この授業は本当に重要です。学習の交流につれて、同級生同士の関係もますます良くなってきた。

 寺坂先生は私たちにいつもやさしくで、笑い声の中でこの勉強の時間を過ごしてくださったことにも感謝しています。

〇譚佳雪—お世話になりました。この1年間の学習生活の間に、先生がいろいろと助けてくれて、ありがとうございました。光陰矢の如し。もうすぐ三年生になります。来年はまた先生の授業があってほしいです。先生の授業は雰囲気が楽で、授業の内容はほかの先生より易しくて、おもしろいと思います。言語学習者にとって、外国語を流暢に話すことが一番難しいものだ。

 1年間の学習を通じて、私の口語能力が少し向上し、自然になりました。生かすほどではありませんが、これから頑張ります。

※次号に続く

■京都市にある立命館大学大学院に入学したのは、私が57歳の時だった。以後、定年までの3年間余り、京都府の学校に勤務しながら、大学院生活も送ることとなった。立命館大学大学院の言語教育情報研究科では、中国や台湾からの留学生もけっこう多かった。(※若い彼らとは同級生となった。) そして、「日本語とはどんな言語なのか」ということを学び、修士論文では、日本語の特徴の一つである助詞に関してのことで、「日本語助詞の習得と会話能力の関連性」について調査研究する論文を書いた。

その大学院修士課程での学びや研究も、中国の大学での授業の基礎として役には立っているが、でも、この「日本語会話」の授業なども、その授業内容のレベル向上などは、10年間余りの、年々の工夫の積み重ねだったようにも思う。(※大学院の講義内容は、そのほとんどが研究に関する基礎理論編であり、授業などの実践編的な講義はほとんどなかった。しかし、その基礎理論は、具体的な会話授業を作る上での役にはかなり立っている。つまり、「日本語とはどんな言語なのか」が、大学院で学べたことは大きい。)

 

 

 

 


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