彦四郎の中国生活

中国滞在記

ロシアによるウクライナ侵略戦争が始まって7カ月❸—ついに「国民動員令」「ウクライナ4州のロシア併合」宣言

2022-10-01 11:51:45 | 滞在記

 9月14日~16日にかけて開催された上海条約機構(SCO)での、中国・インドや各国首脳との会談で、「それらの国々のロシア離れ」「ロシアと距離を取ろうとしている」ことを実感したロシア・プーチン大統領はロシアに帰国。ウクライナ軍の反転攻勢を押しとどめ、戦況を転換するためにも、ロシア国内のプーチン支持・特別軍事作戦支持の世論を維持するためにも、「ロシア国内の予備兵登録者」への動員令を9月21日に発表した。

 この動員令に対し、「この半年以上にわたるロシア軍のウクライナへの進軍、これは単なる特別軍事行動ではなく、実際には戦争なのではありませんか…」と改めてその真相がわかってきたロシア人も増えてきたようだ‥。ロシア国営放送の親プーチンの司会者の一人は、9月25日の放送で、今回の動員令でいろいろ起きている問題に対する疑問を投げかけていたとも報じられていた。(ただ、プーチン大統領への直接の批判はしていない。)

 9月22日付朝日新聞には、「ロシア 予備兵30万人招集へ―プーチン氏"部分的動員令"―欧米批判"核使用の可能性示唆"」「プーチン氏は追い込まれ 対決強調 世論の反発懸念か」などの見出し記事。9月23日付「日刊ゲンダイ」には、「焦るプーチン ついに最後のカードを切った—著しい戦力不足」などの見出し記事。

 その後、「30万人ではなく100万人規模の動員招集」が行われる可能性が高いことも指摘され、ロシア国内はさらに大きな不安に包まれるようになる。

 このプーチンの動員令に先立つ9月中旬、ロシア国内で大きな人気のある歌手(「百万本のバラ」を歌った歌手)が、反戦宣言を行った。9月21日付朝日新聞には、「ロシアの人気歌手"反戦宣言"―"百万本のバラ"の人気歌手 司会者の夫とともに」の見出し記事。 

 この動員令発令を知ったロシア国内では、40余りの都市で「動員令」に対する抗議デモが起こり、2000人以上が警察に拘束されたとの報道。

 ロシア国内から隣国のフィンランドやジョージア、カザフスタンなどへ脱出する人々が多く出ることとなっている。

 9月28日には、ロシア政府は2500万人いるとされるロシア軍予備兵登録者の国外出国を禁止する法令を出すこととなったが、現在でもその国外脱出は止まっていない。すでに航空機や自家用車、徒歩などで国外脱出したロシア人はどのくらいになっているのだろう‥。このウクライナ侵略に疑問をもっている人ならばなおさら、この戦争に兵士として戦地に行くことに強い抵抗を覚えて、徴兵に参加するより国外に逃れる気持ちは無理もない。

 9月24日付「夕刊フジ」には、「プーチン30万人動員令失敗、露国民大脱出」「戦場には行きたくない―ロシア国民大脱出—プーチン動員令で墓穴」などの見出し記事。

 そして、9月24日付朝日新聞には、「ロシア 占領下、住民投票強行」、同日付京都新聞には、「親ロシア派"住民投票強行—4州ロシア編入急ぐ」などの見出し記事。9月24日付産経新聞には、「露編入 住民投票強行 ウクライナ4州」などの見出し記事。

 9月28日付朝日新聞には、「ロシア、併合宣言へ―占領地での住民投票が終了」「ロシア色の街—恐怖と諦め」などの見出し記事。29日付同紙には、「ロシア編入"9割が賛成" 4州の住民投票 親ロシア派が主張」「ロシアの核の脅しが激化―領土攻撃すれば反撃」、30日同紙には、「ロシア"併合署名へ"―今日、ウクライナ東・南部」などの見出し記事。

 9月末日時点で、ロシアによるウクライナ侵略戦争で、ロシアによる「編入住民投票」を強行した4州のうち、東部のドネツク州は約50%、南部のサポリージャ州は約30%がウクライナ軍によって奪還維持されている地域だ。そんな状況の中でなりふりかまわず強行した「ロシアへの編入を問う住民投票」であり、9割賛成というのもまったく虚偽の正当性ゼロのものであったことが、明らかにもなっている。「盗人猛々(ぬすっとたけだけ)しい」とはこのことだが‥。

 ロシアのプーチン大統領、そしてロシアの報道官は、今後、「自国の領土となったドネツク州などの全域掌握のための祖国防衛の戦いを行う」と宣言。また、この新たに自国となった地にウクライナ軍が攻撃をすれば、祖国防衛のためにあらゆる選択をもって反撃するなと、核兵器の使用も示唆した。

 

 

 

 

 

 

 


コメントを投稿