彦四郎の中国生活

中国滞在記

寅年の初詣に虎を見に行く➊雪景色の鞍馬山に登る―阿吽(あうん)の虎、四体鎮座

2022-01-04 08:22:38 | 滞在記

 今年の十二支は寅年(とらどし)。京都の神社や寺で、狛犬(こまいぬ)ではなく狛虎(こまとら)が鎮座している最も有名なところとしては、京都の町の北方にある鞍馬寺。今年の私の初詣は、この鞍馬寺から始めることとなった。虎と雪景色が見たくなったからだ。

 京阪電鉄の終点「出町柳駅」には、京福電鉄(叡電)の駅が隣接していて、ここから二両編成の叡電に乗って25分ほどで、終点の「鞍馬駅」に着く。この叡電の鞍馬線は、2020年7月上旬の台風時の大雨で「貴船口駅」付近200mの線路区間に渡り山の土砂崩れが発生し、長く運休(市原-鞍馬間)となっていた。そして、1年と2カ月間の修復工事により、昨年2021年9月中旬にようやく全線が開通した。

 一昨日の1月2日、鞍馬寺に向かった。貴船口に電車が近づくと、あたりは雪が積もっていた。終点の鞍馬駅あたりも白い銀世界。この冬、初めて見る雪景色だった。駅舎の前にある天狗像の長く赤い鼻にも雪が積もっていた。この日、天気も良いので、たくさんの人が参拝に訪れていた。

 駅からほど近い鞍馬寺の仁王門(山門)の前の左右に、二体の虎の像が鎮座していた。一体は阿吽(あうん)の「阿(あ)」、大きな口を開けて咆哮(ほうこう)[吠えている]している。対(つい)のもう一体は阿吽の「吽(うん)」、口を閉じている。堂々たる「阿吽」の「虎」の石像だ。

 仁王門からはつづら折りの山道の参道が延々と続く。歩いてゆっくり登れば30分ほどで本堂に着くことができるが、この日は積雪が参道の地道に残り、凍結もしているので、初めて山頂近くまで登るケーブルカーを使うことにした。たくさんの参拝者が、ケーブルカー乗り場に並んでいた。「30分待ち」の看板がかかる。

 ようやくケーブルカーに乗って本堂近くまでくると、けっこう積雪があった。多宝塔下の山道を本堂に向かう。山々の景色が美しい。

 本堂の裏山をさらに登れば、奥の院や木の根道へと続く。牛若丸(源義経)の修行の場伝説のところだ。その木の根道を下ると貴船に至る。本堂の前の左右、ここにも虎の阿吽像がある。左は吽像。

 右は口を開けて咆哮する阿像。吽像の横には、「虎石」が置かれていた。

 ここ鞍馬寺は、中国から渡来した中国僧・鑑真の高弟である鑑禎により770年に創建され、毘沙門天が本尊として祀られた。その後、千手観世音菩薩と護法魔王が祀られ、「三身一体尊天」として信仰されている。毘沙門天の使いの動物は「虎」。このため、ここ鞍馬寺の仁王門前や本堂前虎の像が鎮座している。

 山を下る時、凍結や積雪のある参道山道は危ないので、ケーブルカーを使って下りようと思ったが、たくさんの人が並んでいた。このため慎重に参道の山道を下ることにした。仁王門が近づくころ、由岐神社が見えてきた。樹齢800年の杉の大木が数本。この神社は毎年10月に執り行われる奇祭「鞍馬の火祭」の神社。

   麓のケーブル―カー乗り場にはたくさんの人が乗車を待っていて、「60分待ち時間」の看板が。もう時刻は3時半になってきている。あと1時間で日暮れとなりそうだ。


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