彦四郎の中国生活

中国滞在記

中国、2024年4月~6月、日本の4つのアニメ映画がヒット上映—季節の樹木花やさまざまな果物

2024-06-11 18:36:39 | 滞在記

 6月上旬、「芒種(ぼうしゅ)」の季節の、亜熱帯地方・中国福建省。閩江大学構内で、山丹花(さんだんか)という名の赤い花が咲いている。この花は、沖縄の県花の一つ(※他に、デェイゴとオオゴチョウ)。

 5月下旬頃から大学構内の何箇所かで、その木の近くを通ると、得(え)も言われぬ、ほのかで高貴な香りに包まれる樹木がある。高木の、その樹木をよく見上げると、白く細長い花がたくさんある。何という名前の樹木花なのだろう?日本の本州では見たこともない樹木花なので、おそらく亜熱帯樹木なのだろうが、インターネットで何度調べてみても見つからない。もし、知っている人がいたら、教えてほしい。その名を知りたくなる樹木花。(※福州市内の街路樹などにもこの樹木花が香るところもある。)

 私が暮らすアパートの部屋にも、この季節に窓を開けると、その樹木花のほのかな香りが漂ってくる。向こうのアパート棟との間に、3本の高いこの樹木がある。

 中国は果物の種類がとても豊富で、そして、とても安い。5月中旬頃からスイカやウリやパイナップルが出回ってくる。そして、6月に入ると、ライチや山桃(ヤマモモ)もたくさん売られるようになる。ヤマモモは中国南部や西日本が原産の地。中国名は「楊梅(ヤンメイ)」。葉っぱが細長く柳の葉をイメージさせることからこの名となったようだ。(※つま楊枝[ようじ]はもともとは柳の枝から作られた。そして漢字は「楊枝」と表記される。) ライチの原産地は中国南部。

 この季節、「ドリアン」もたくさん売られている。日本のテレビ報道で最近、「中国、空前のドリアンブーム」と報道されていた。私は一度だけ、人に勧められて食べてみたことがあったが、二度と食べようとは思わなかったのがこのドリアンだ。強烈な匂い?臭い?があるので、バス内や地下鉄なとへの持ち込みは禁止されている果物。中国南部の亜熱帯、東南アジアの熱帯が原産地。好きな人は"はまる"ようで、学生たちに聞いてみたら、好きな人は3分の2、嫌いは3分の1に分かれていた。

■私はこの季節、「①パイナップル、②ウリ、③ブドウ、④スイカ、⑤ライチ、⑥ヤマモモ」などを買って、冷蔵庫に入れて、毎日、何かの果物を食べている。

 6月9日(日)の午後、アパート近くのバス停からバスに乗り15分ほどのところにある「倉山万達広場」という巨大ショッピングモール。このショッピングモールには、日本の「無印商品店」もあり、コンビニの「セブンイレブン」や「ニトリ」「ユニクロ」なども近くにある。

 このモール街の映画館で、今上映されている映画の案内看板には、次の日本のアニメーション映画が4作品が大きく掲げられていた。宮崎駿監督の「君たちはどういきるか」「ハウルの動く城」、「スパイ・ファミリー」、「ドラえもん」、そして「ハイキュウ」。

 この4月上旬から6月上旬までの約2カ月間、中国で日本のアニメ映画が躍進している。4月3日、中国公開の宮崎駿監督作品「君たちはどう生きるか」の4月の興行収入は7億元(約150億円)、4月の興収ランキングで首位となり、6月11日現在も映画館でロングラン上映が行われている。(※「君たちはどう生きるか」は、2024年3月、「米アカデミー賞の長編アニメ賞」を受賞した。日本では今年になり公開されたが、日本での興行収入は約90億円とそれほど高くはならなかった。日本より、欧米や中国で評価の高い作品となっている。)

 5月1日から始まった中国の「労働節」5連休での映画興行収入。日本のアニメ映画「スパイ・ファミリー(2024劇場版)」が4位、宮崎駿監督の「ハウルの動く城」が5位に入った。また、6月1日は「中国の子供の日」。5月31日に中国で公開された「映画ドラえもん(2024劇場版)—のび太の地球交響楽」は、6月1日の興行収入は首位となっていた。(※「スパイ・ファミリー」はこの1年間、特に中国の若者層に大人気で、中国の便利店(コンビニ)などでも、キャラクターの絵がプリントされたお菓子などやコーヒーショップのキャラクター印刷のカップがよく売られている。)

 いつもは厳しい日本批判が目立つ中国共産党機関紙「人民日報」系の「環球時報」は、4月中旬に、「かって一人勝ちだった米国映画も熱気を失ったようで、宮崎作品に代表される日本アニメがますます中国の観客に受けている」と論評している。

 6月9日、万達広場ショッピングモームに行った際、「無印商品」店に、男性用の夏向きの伝統的なセンスの入った、着てみたい中華服があった。値段は300元(約6000円)ほど。近くのバス停でバス待ちの若い女性。涼しげな水色のチーパオ(チャイナドレス)を着ていた。最近、中国では漢服などのセンスの入った伝統的な服を着ている人が増えているが、このチャイナドレスを着ている若い女性も、時々見られるようになってきている。

■6月15日から中国で公開が始まる日本のアニメ映画(劇場版)「ハイキュウ」。中国での映画名は「排球少年」となっていた。このアニメは日本の漫画雑誌『少年ジャンプ』で掲載された漫画をアニメ化したものだ。6月9日に万達広場ショッピングモールに行った際には、「排球少年」グッズコーナーの店さえも見られた。

 日本の宮城県立高校である「烏野高校」男子バレーボール部が、春の高校バレー全国大会(春高バレー)への出場、そして全国大会での試合を目指していく「青春ドラマ」。

 日本アニメ「スラムダング」は高校バスケットボールクラブが描かれ、中国でも大ヒットした。中国で盛んな若者(男子)たちのNO1スポーツはバスケットボールということもあり中国でも大人気のアニメ作品となった。そして、今度は、バレーボール(排球)の世界だ。日本男子バレーボール代表チームの石川選手や高橋藍選手などは、中国の若い女性の中でも人気がけっこう高いことも、この「排球少年」が上映公開される背景にあるのかと思う。

   4日後の6月15日に公開が始まって、どれくらいの中国人観客を集めることができるだろうか‥。楽しみだ。