彦四郎の中国生活

中国滞在記

留学生たちの国際学生交流会「縁起閩院・四海一家」―5000人あまりの1回生たちの軍事訓練始まる

2019-12-19 20:49:24 | 滞在記

 12月16日(月)、10時30分から始まる3回生たちとの「日本概論」の授業のため、アパートを8時30分ころに出る。アパートのある団地の道路を「移動金物屋」さんのおじさんが乗る電動バイクがゆっくり走っていた。バイクには日用品がずらっと展示されている。エプロン・洗濯ばさみ・ネズミ捕りなどなど。おばあさんに声をかけられて、止まって商売を始めていた。

 大学正門に入り、10分ほど歩いて研究室に向かう途中、「1・2・3・4(イーアルサンスー、イーアルサンス!)」の大きな掛け声が響いてきた。この日から1週間の予定で1回生たち約5000人の「軍事訓練」が開始されていたのだった。大学構内の3箇所余りの場所で軍事訓練は終日行われ、最終日には第一グラウンドで、全員が集まって各学部の行進演技が行われる。

 指導している教官たちは中国人民解放軍関係の兵士たち。研究室のある建物の7階の部屋からも、軍事訓練のようすが見える。中国では、全国的に小中高校、大学で、発達段階に応じた軍事訓練が毎年行われる。(※大学では1週間から2週間あまり。新入生が入学する9月に2週間ほど行われていたが、2016年ごろから、期間も短縮され1週間に。時期も猛暑の9月ではなく12月になった。)

 授業に向かう前に小グラウンドのバレーボールやテニスコートがある場所での訓練をしばらく眺めていた。寮から学生たちが乗ってきているレンタル自転車が壮観なくらいずらりと並んでいた。

 訓練の初日とあって、行進のようすも 学生達の引き締まった表情はあまり見られない。うまくできなくて照れ笑いの表情が目立つ。これが1週間ほどの訓練を受けて顔も引き締まってくる。行進の足の上げ下げや手の動きなどは、中国・北朝鮮・ロシアなどの兵士の行進特有の形式のもので、メリハリがある行進形式だ。途中で全員が手や腕や足をそろえて止めたりするリアクションが特徴だ。この日の気温はこの時期では珍しく30℃超えの猛暑日となった。早朝の気温は12℃と高く、日中の最高気温は33℃となった。

 12月18日(水)、この日は朝から10℃を下回るかなり寒い 底冷えのする曇天の一日となった。この日は午前8時30分から4時間連続の2回生たちとの「日本語会話3」の授業日。授業が終わり近くの第一食堂で急ぎ昼食をとり、12時40分から14時前まで、担当している4回生7人の卒業論文ゼミ指導を行った。7人全員が自分の「卒論」についてPP(パワーポイント)使用でそれぞれが説明する。

 ゼミを終えて、教室のある教学楼群の建物から大学正門に向かうためレンタル自転車に乗りかけた時、広場にたくさんのテントブースや舞台が設置されていて、人が集まっていたので、そこに行ってみた。この日の2時半から始まる「縁起閩院 四海一家」と題された「留学生たちの国際学生交流」の会場だった。大学外事所の鄭副所長たちなども会場に来ていた。「あと20分くらいで始まりますが、今からリハーサルですよ」と鄭さん。東アジア、東南アジア、中央アジア、アフリカ、中東などの地域エリアごとのテントブースが並んでいた。

 留学生たちは中央アジア・東アジア・東南アジア・中東・アフリカから来ている学生達が多い。特に、ここ1年ほどは中央アジアの国々からの留学生たちが急増している。「中国語」の習得目的が主なものだ。留学年月は6カ月間から3年間など、さまざまだ。

 女性の留学生たちの中に、はそれぞれの国の民族衣装を身に着けている学生もいた。ベトナムのアオザイ、韓国・北朝鮮のチョゴリ、モンゴルやミャンマー、フィリピンやインドネシア、ミャンマーや中央アジア、アフリカなどの民族衣装姿が見られた。リハーサルのようすをしばらく眺めて ここを後にして 研究室のある建物に向かう。

 大学構内の水辺に架かる石橋付近。香港の紋章にもなっている亜熱帯の「バウヒニア」の花が散り下に絨毯(じゅうたん)のように広がっている。

 正門近くの針葉樹林の林の中に入ってみた。茶色となって枯れて落ちた葉がここも絨毯のようになっている。そして亜熱帯の芋科の植物の緑の大きな葉っぱが点在する風景。亜熱帯の植物と亜寒帯の植物がともにあるちょっと不思議な光景だ。

 大学正門ちかくのバス停でバスを待つ。背中にリュックサックを背負っている地方から来ているらしい人たちがバス停に。中国という国では、服装や持ち物のようすからしても、様々な階層、地方と都市が混在する、一様ではない人々が見られる。