お知らせ
■来月からこのサイトをMITIS(水野通訳翻訳研究所)ブログに変更します。研究所の活動内容は、研究会開催、公開講演会等の開催、出版活動(年報やOccasional Papers等)を予定しています。研究所のウェブサイトは別になります。詳しくは徐々にお知らせしていきます。
■『同時通訳の理論:認知的制約と訳出方略』(朝日出版社)。詳しくはこちらをごらん下さい。
■『日本の翻訳論』(法政大学出版局)。詳しくはこちらをごらん下さい。
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Facebookはこちらです。
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■日本通訳翻訳学会関東支部では、第56回例会を《「順送りの訳」研究プロジェクト公開研究会 理論化に向けた二つの軸》として、オンラインにて開催いたします。
詳細については下記をご参照ください。
皆さまふるってのご参加をお待ちいたします。 日本通訳翻訳学会関東支部長 北代美和子
■「順送りの訳」研究プロジェクト公開研究会 理論化に向けた二つの軸
【日時】7月4日(土)14:00-17:00
【開催方法】Zoom https://zoom.us/j/99326782237
ミーティングID: 993 2678 2237
パスワード: 067527
【発表1】言語コミュニケーションは何で支えるのか (14:00-15:00)
【発表者】船山仲他(神戸市外国語大学名誉教授)
【発表要旨】 通翻訳のプロセスを構成する“言語表現”と呼ばれる“形式”は、そのプロセスの出発点を構成するものであると共に、その到達点を構成するものでもある。しかし、言語コミュニケーションの全貌を視野に入れると、“言語表現”を生み出した人間の頭の中にある情報/内容と、通翻訳の結果である“言語表現”を理解しようとする人間の頭の中に生まれる情報/内容の異同こそが重要である。そのことをどのように捉えればいいのであろうか。
本発表で提案する「言語コミュニケーションの概念-意味相関モデル」は、“言語表現”を生み出す側とそれを理解しようとする側の人間が想起することの関わりを表そうとする新しいモデルである。その議論では、“概念”と“意味”の区別、“言語表現”の新しい位置づけ、“推論”の組み込みなどが重要な話題となる。
【発表2】「訳し上げ」から「順送りの訳」へ (15:10-16:10)
【発表者】水野的(水野翻訳通訳研究所(MITIS)所長)
【発表要旨】
「訳し上げ」という訳出手法は、英語から日本語への翻訳につきまとう宿痾のようなものであり、すでに明治時代からその弊害が指摘されている。これまで、「訳し上げ」に対抗する翻訳方略として「順送りの訳」の提案が繰り返し行われてきたが、未だ「訳し上げ」に取って代わるまでには至っていない。その理由としては、理論的考察が不十分であったことが挙げられる。
本発表は幕末から現代までの訳出史を踏まえたうえで、「順送りの訳」を理論的に裏づける試みである。具体的には、訳し上げが生じやすい関係詞節、分裂文、主節と従属節にまつわる問題を取り上げる。順送りの訳は、たんなる弥縫策でもなければ発見的手法にとどまるものでもない。それは原文の情報構造(information structure)と「発話の力」(illocutionary force)を維持することで、訳し上げの方法ではとらえられなかった原文の「意味」を再現することができるのである。理論的裏付けを得た順送りの訳は、翻訳(通訳)教育にとどまらず、TILTに適用することによって英語教育にも貢献することができる。
【討論】(16:20-17:00)
【お問い合わせ】石塚浩之(hishizuk@shudo-u.ac.jp)
【参加費】会員無料
*事前申し込みは不要です。上記のリンクから直接ログインしてください。尚、このセッションは今後の公開も視野に録画されます。ご了承の上、ご参加ください。
*セッションの出入りは自由ですので、ご興味のある部分のみのご参加でもかまいません。